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青木杏樹
2020年8月15日 03:09
2015年の春のこと。わたしはまだ青木杏樹ではなく、ただ趣味で小説を書いている人でした。毎日毎日、400字詰め原稿用紙を20枚ワンセットを消費しては、文房具屋に買いに行きました。帰宅するとまた明け方まで20枚消費し、日が高くなる頃には買い足しに行く日々が続きました。小説とは応募するもの、小説とは他人に読んでもらうもの、という考えがわたしにはありませんでした。わたしの中には小さな世界がご