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花は知らない


花は自分の美しさをしらない。だからこそ美しいのかもしれない。
顔立ちの整った人が「美しくしている」のも、美しいが、鼻につく。

時に、お化粧もせず、顔にシミと皺があふれていても
美しい人がいる。
その人の笑顔が美しい。

花はもしかしたら、微笑んでいるのかもしれない。
どのような状況におかれても
ただ、ただ、そこで生き、微笑んでいるのかもしれない。

花は 知らない

花は  自分が いかに 美しいかを 知らない
幼子は 自分が いかに 愛らしいかを 知らない
無我は 自分が いかに 輝いていたかを 知らない

人は 自分が いかに すばらしいかを 知らせようとする

自我を知らない 
美しさ 愛らしさ 輝き は 
無垢 と 真実

自我を知らせる 
 美しさ 愛らしさ 輝きは
   見栄 と 傲慢
          識別Ⅱ 朝食での会話から    7/17/11 8:20 a.m.

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何か人から頂いたりすると、すぐに「お返し」をしなくてはいけないと
思う時がある。
「ありがとうございます」の一言だけでは済まない何かがある。
互いの文化、風習、教育、共通認識。そして自分と相手との関係性、相手の気質、性格がその何かの内に入る。

お返しのタイミング、品物などに影響を与えるのは、互いの中にあるお返しに対する「期待」と「評価」なにかもしれない。

全く無償で素晴らしいものが贈られることは、人間の世界ではほとんど無いようで、実は多い。そして殆どが人間が意図的に作り出したものではない。
空気、水、海、大地、木々、植物、、、そして自分自身であり、自分自身が見たり、聞いたり、食べたり、息をして生きていること。

このような事には、ちっともお返しをしなくてはなどどは思わない。
しかし、災害、病気、死というような出来事があった時、無償の助けを多くを頂くことがある。
返せない自分の弱さ、小ささ、貧しさを感じる。
しかし、そんな時に雨に打たれてうなだれているように見えた花が幸せそうに見えた。
ちょっとうつむいて、頬を染めて、
自分の身に降り注いだ雨に、ありがとう、と
静かな声で語っているように見えた。

花は語らない。そして、花は己を知らない。
しかし、花は語り、花は何かを知っている。

返すことのできない 幸い    

沢山の 恵みを 頂き
どうして いいのか 自問する
返すことの 出来ない
自分の 小ささ 弱さ 貧しさ を 覚え
返すことの出来ない 痛みを 味わう

           
沢山の 祝福を 頂き
どのように 返そうか 自問する
返すことしか 考えない
自分の 傲慢さ 強がり 無知 を 覚え
返すことの出来ない 貧しさを 味わう

沢山の 憐みを 頂き
どうして 返せないのか 自問する
返すことは 出来ない
自分の 貧しさ 弱さ 小ささを 受け入れ
返すことの出来ない 幸いを 味わう

              7/4/2010

#花 #知らない #詩 #エッセイ #小ささ #弱さ #お返し #自我

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