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ずっと心に残っている先生の笑顔と言葉と。
私は子どもの頃男性の先生が苦手でした。
母子家庭だったのこともあり、大人の男性と話すのに慣れていなかったのもあったのかな。。。
一番苦手な言葉
「わしを父さんじゃ思うて、何か困ったことがあったら言うんで」
(自分を父親だと思って困った時には相談しろよ)
これを言われると、私の顔は笑っていてもハラワタが煮えくりかえる感覚に。当時の私はむかむか~っと。
「うちのしんどさなんて何も分かってないくせに!」
「どうせ父親になんかなれんじゃろ。お年玉だってくれんじゃろ」
腹が立った後には、不甲斐ない、何とも言えない惨めが気持ちが押し寄せてきた。
高校生になり担任は、定年退職前の最終年度の国語の先生。
その先生だけは私の苦手な言葉は言いませんでした。
多くを語らずいつもニコニコ見守っている。振り返るとニコニコこちらを見ている先生。
私の家庭のことも、病気のことも、何もかんも全部知っているはずだけど。何も言わない。ただ見守ってくれていた。
その年度の終わりに近い退職前、先生のお仕事も終盤の時期。
教室前の外廊下で先生が私を呼び止め、話しかけて来てくれた。手すりによっかかって2人で話す。
「○○、将来のことは考えとるんか」
「んん・・・!?」
「わしはのぉ、お前は国語の先生に向いとる思うんよ。目指してみんか?国語の先生になったらええで」「まぁ今すぐじゃないけん、良かったら覚えといてみ」と笑顔。
そんなことを言われたのは初めて。とても驚いた私は、何でそんなことを言ってくれているのか全く分からず。驚いて尋ねることも出来ず。。。
高校生になり1年間、私をずっと見守ってくれていた先生の言葉が、今でもずっと心の温かいところに残っている。
根堀葉ほり聞いて来ない、先生の見守ってくれていた雰囲気は、私にとって丸ごと「それでいいよ」と感じられるような。
「この子なら大丈夫」と信じて待ってくれている。
「きっと先生、私が困ったら助けてくれるんだろうな」と信頼できる安心感。
「男の先生」ではなく「わたしの先生」と思えた先生から言われた一言。
その後国語の先生にならなかったけれど、大学の非常勤講師のお仕事で学生さん達と関わっている。
学生さんは愛おしく眩しくて。みんなの成長を身近に感じられる先生のお仕事は楽しい!と思う私。
先生はそんな私を予想していたんだろうか。先生は見抜いていたんだろうか…。
私のペースを見守って、私の成長を信じて待ってくれた先生。
私もそんな先生になれたらいいなぁ。
忘れられない先生の、忘れられない今も感じられるあったかい面影。
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