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高校生の心に伴走。

今日は高等学校のスクールカウンセラーのお仕事でした。

これまで小学校、中学校でのカウンセラーをしていましたが、今年度から高校にも。

この一年弱、かねがね思っていたことですが、高校生たちはまだ幼いところもありますが、しっかり自分で自分のことを言葉にでき、自分で自分を理解して成長していく。とてもたくましく立派です。


高校生の頃の私。もっと子どもだったような・・・。

私は中学校の頃にネフローゼ症候群という小児難病を患い高1まで毎年4年続けて再発を繰り返していました。

そんな状況だったので、体力的に電車やバスで登下校する高校には行けず、家から自転車で通える高校に。

私が高校生だった頃には勿論スクールカウンセラーの先生はいませんでしたし、学校の先生と語る機会もあまりありませんでした。


高2の終わりだったか、高3のはじめだったか。進路希望調査がありました。

母子家庭の私。それでなくても健康面や、その金銭的な負担を母にはかけていたこともあり、大学に行きたいけれど私立には行けない、国立大学に行けるか自信もなく、どうしたものかと悩んでいました。

なかなか決めきらない私に先生が

「親戚のおじさんだとか男の人に相談するように」

と言われました。母子家庭だった私にはとても酷な指示でした。

頑張って(私のことをあまり良く思っていなかった)親戚の男の人に相談してみたところ、「何を言っている」と言わんばかり。大学に行く必要もなければ、そんな(お金をかけてもらえる)立場でもない。私は病気にもなり家族に迷惑ばかりかけているのにと。早く社会に出て働けと言われ心が折れかけていました。


暫くしてもなかなか決めきらない私。先生は業を煮やして、私を職員室に呼び出したのでした。

ありったけの勇気を振り絞って「国公立大学の工学部に行きたいです」

そんな私を先生は「何をバカなことを!この学校からでは無理むり。文系ならまだしも理系なんて無理だ」と笑い飛ばしたのでした。(当時の母校は10年以上国公立への進学者はゼロ)


『何でみんな無理だと決めつけるんだ!』身体がカーッと熱くなる。

「じゃぁ何で?無理なら何で聞いたんですか!!私は絶対に国立大学の工学部に入ってみせる!先生にはもう頼らない!!」と強い口調で言い捨て職員室を飛び出した私。。。

後にも先にも先生に自分を強く主張したのはただその時一度きり。


社会に出る為に進む方向を選択する初めての機会。

高校生はその後の自分の選択に責任を持ち、人生を進める大切な時期。

苦しんだりもがいたりしながら、「自分らしさ」を見つけ前に推し進めていくたくましいみんな。そのたくましさに目を細め、そんなみんなに伴走できる幸せを噛みしめる。

当時の自分もそんな大人が近くに居て欲しかったのかもしれないなとふと思い出す。


学校に来る意味があるのか?

どんな形であれわたし達大人と関わろうとしてくれる子どもが居れば、その成長のチャンスを逃さず、『意味があること』にしていくのがわたし達大人の役目・役割なのではないか。

大人が『意味』を押し付けたり『意味がない』と決めつけるのではなく、子どもが『意味』を実感でき見つけられるそんな教育の機会、成長のチャンスを作りたい。主役は子ども。

「わたしは変わりたかったんです」

自分の本当の想いに辿り付き、目を輝かせた笑顔。子ども達に伴走することは未来を創ること。そんな幸せな仕事と出会いに感謝。

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