産後も働ける職場を
北陸中日新聞様のかがやき新世代のコーナーに掲載していただきました🗞
いつも来てくださる記者さんで、ざっくばらんにしゃべりすぎたかなーと思っていましたが今回も綺麗にまとめてくださいました。ありがとうございます!
中日新聞Webでもご覧いただけます。
https://www.chunichi.co.jp/article/187509
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能力のある女性が結婚、出産後も働きやすい職場をつくりたい−。そんな思いから二〇一五年、金沢市内で手作りドーナツ店「ウフフドーナチュ」を開業した。従業員全員が既婚女性で、そのほとんどが育児の真っ最中。運営会社ウフフ(金沢市)の社長として、自身も四歳の長女の子育てに奮闘しながら着々と事業を拡大させている。
石川県珠洲市出身。高校卒業後は「人の幸せに寄り添う仕事がしたい」と金沢市内のブライダル専門学校を経て、憧れだったウエディングプランナーになった。県内外で八年勤めたが、東日本大震災を機に一区切りを付けて実家に戻り、文章を書く仕事がしたいと金沢市内で出版関係の仕事に就いた。
グルメ本の編集長も任されるなど、仕事は順調だった。しかし給料未払いなどのトラブルもあり、二年足らずで退職を余儀なくされた。「どんなに好きな職業でも、雇われている以上は自由に仕事ができない。雇われたくない」と実感した。
ブライダル、出版業界とも女性の活躍が目立つが、以前の職場は長時間労働が常態化し「日付が変わる前に帰れたら早いくらい」。優秀な人でも結婚や出産後の職場復帰を諦めざるを得ず、もったいないと感じていた。ならば「仕事と育児を両立できる仕事を自分でつくろう」と、起業を決意した。
ドーナツに目を付けたのは、忙しい母親に代わり、子どもが喜ぶおやつを届けたいとの思いから。「土日は休みたい」と、開業当初はあえて卸売りをメインとし、平日四日間の営業で一日四〜五時間しか働かないと決めた。
冷凍商品にしたことでしっとりと食べやすくなり、食品ロスもないため販売先の受けは良かった。開業時は一日二百個程度だった生産量は、五千個に急増。全国のスーパーや有名百貨店でも販売され、売り上げは年々倍に伸びている。
新型コロナウイルスの影響で昨春は一時的に需要が減ったものの、新たに子ども服の販売を始めたり、インターネット販売を強化したりした。「今までは私が事細かに指示を出していたが、コロナ禍を機にみんなでどう売るかを考えるチームになれた。会社の体制として大きく変わった一年だった」と振り返る。
今後は百貨店やスーパー以外への販路拡大のほか、新たな店舗展開も見据えている。「事業規模を大きくして役職が増えれば、多様な働き方をしたい人を新たに雇うことができる。スタッフの成長の受け皿になれるように会社も成長させていきたい」 (中平雄大)