勇気とは、、、
(約800文字)
朝、子供がシリアルを所望し、チョコチップを特別に散らして与えた。
自分で牛乳を注いでいたが、やはり血は争えない。
ドボドボダッボッボー
とやっていた。
明らかにシリアルに対して、牛乳が多すぎる。
しかし子供は、あらかたチョコをさらい終わると
もう、お腹いっぱい
と言って去って行った。
ミルクの海に溺れたシリアルは、すでにカリカリさを失い、オートミールのような見た目になっている。
しげしげ眺めていると、なんだか気持ち悪くてなりそうだったが、えいやっとも捨てられない。
ラップをかけ冷蔵庫にしまい、ひとまず問題を先送りにした。
まだ、年賀状も出来上がっていない中、子供にはしつこく宿題を進めるように申し渡し、あらゆるミッションを同時進行でこなす。
夕方近くになり、さすがにヘロヘロになった私は、冷蔵庫に禁断の食べ物を発見した。
朝のそれは、すっかり水分を吸ってネチョネチョした物体に成り変わっていた。
さすがに捨てようかと手に取ったのだが、、、
ふと、魔がさした。
(言い訳:有機食品は割高なのです)
ひと匙、すくってみる。
やっぱりネッチョリ感がすごい。
勇気を持って、食べてみた。
、、、あ、美味しい、、、
冷たくて、ほのかに甘くて、モチモチとした極上デザートになっていた!
そして、見逃されていたチョコチップも、パキパキとした食感で、いい感じのアクセントになっている。
結局、完食。
一見ゲ◯のような子供の食べ残しを、、、。
これは勇気?
(多分、違う)
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