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マーケティングトレース|(株)ヤッホーブルーイングさん!よなよなエールを飲みながら~

皆さんこんにちは!まりなです!


マーケティングトレース第二回目はクラフトビール業界で超有名な「よなよなエール」を製造販売する”ヤッホーブルーイング”さんです!

選んだ理由はschooで開催される「マーケティングトレース」の授業で題材になったためです! → https://schoo.jp/teacher/2792


ヤッホーブルーイングさんと私の関係w

授業の題材になった!とはいえ、聞いた瞬間めちゃくちゃ嬉しかった私。

というのも、私の仕事は酒蔵ECなのですが、EC業界でも有名なよなよなさんは憧れの的でもあります!!!!

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よなよなさんの人気の秘密を少しでも知りたい!ということで、2018年10月に東京で開催されたイベント「超宴」に一度参加したこともあります。

コメント 2020-09-09 124434

そして、ボランティアスタッフを募集していたので、この時はTシャツを着て!ちょっとつまみながら…お客様&スタッフさんと楽しいひと時を過ごさせていただきました!

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そんなヤッホーブルーイングさんをみんなでトレースできるなんて楽しいじゃないですか!

ということではじめて参ります!


株式会社ヤッホーブルーイングさん概要

株式会社ヤッホーブルーイングさんのビジョンは、
「ビールに味を!人生に幸せを!」を掲げられています。

ひょうきんなキャラでお馴染みの「てんちょ」こと、井手直行さんが社長さんでいらっしゃいます。

大企業になられた今でも「てんちょ」であり続け、イベントの際にも「てんちょ、てんちょ」と様々な方に声をかけられていました。お客様との距離感も大事にしている様子でした。

また井出てんちょの著書「ぷしゅ よなよなエールがお世話になります 」にも書かれておりましたが、母体はあの星野リゾートさん。そして今では主要株主にキリンさん(麒麟麦酒株式会社)もなられています。

(キリンさんの正式企業名ってこう書くんですね。はじめて知りました。カッコイイ!笑)



ではトレースしていきます!

まず、外部環境分析(PEST分析)

政治Politicsとしては、ビール会社大手アサヒがクラフトビールに注目し、業界全体に注目度が上がる大きな流れが生まれました!
一方で第三のビール/新ジャンルが登場し、日常的に飲むビールと、ご褒美的・特別な日に飲むビールが二極化しているようにも思います。ただ第三のビールは2020年10月より酒税の値上げが行われます。350mlあたり28円だったのが、約38円へ増税されます。安さが売りなのに10円上がるのは痛いですね。

また、社会Societyでは飲酒離れ・ビール離れがおこっています。14年連続で下落しているデータもありました。
クラフトビール上昇に関する情報では、1994年4月に酒税法改正で、ビールの年間最低製造数量が2000キロリットルから60キロリットルに引下げられました。このことにより飲食店内でも製造が行えると出来立てクラフトビールが提供されたり、みかんや抹茶など地域素材を活用したオリジナルビールも増えています。
加えて、オクトーバーフェストのような海外のビールイベントが輸入されているもの影響していそうです。

経済Economyでは、コロナ禍で家飲み需要は増えていますよね。外食・衣類などに使用するお金が減っているので、普段飲むビールも少しグレードアップして・・・など考える方もいるかもです。(私も然り。w)
また、RTD(レディ・トゥ・ドリンク。買ってそのまま飲める缶やペットボトル入り飲料のこと)の製造・ニーズの増加も売上アップに関わっているかと思います。
ちなみに、クラフトビール市場の成長製造量はここ5年間で製造量は1.6倍に拡大しているそうです。業界自体の母数が小さいと思うので1.6倍って思ったより伸びてないな、と感じたのですが、小規模型の製造場が多いからでしょうか。。。?

最後に技術Technologyでは、小規模でのビール製造設備が可能となりました。またビールの種類に「エール」というものがありますが、比較的短い期間で製造可能なものになります。商品化が早く進み、売上回収が短いスパンで出来るのも製造が増えている要因の一つでしょうか。


続いては・・・

競合の定義(5Forces分析)

業界競合は価格的な面で、アサヒスーパードライのアサヒビールさん、ザプレミアムモルツを販売するサントリービールさん。
また業界的にいうとCOEDOさんなどの地方発クラフトビール も含まれますでしょうか。

また価値競合では、ZIMAなどのRTDカクテルやワイン。飲食店での生ビールがそうだと思われます。


ターゲティング/重点顧客

イベントに参加されていたお客様を思い出しながらまとめてみました

F2,M2層の学びや知識を好む方が多かったイメージです。飲んでどんちゃん騒ぎ!とい量よりも質? これはどんなビールだとか、何に合うとかスタッフに聞きてる方も多かったイメージです。

ボランティアスタッフで一緒になった方の志向は「よなよなエールの大ファンだな」と思い出すと、自分で料理をされる方が多かったような。大人数で騒ぐより少人数で話し込む小グループの飲み会や、小規模イベントにも参加しているよ、という声がありました。
すごく覚えているは、一見、大きなイベントに参加されなさそうなインドア風の男性の方が、ビールの話をするとめちゃくちゃキラキラ喋ってくれた。そんな方もいらっしゃいました。(めちゃ偏見。笑 ごめんなさい。笑)

食や飲食店に興味があり、初めての食べ物飲み物もチャレンジしたい派?!かなりアクティブな方が多かったですね!イベントの合間に話す、皆さんの経験を聞いているだけで勉強になりました。


ポジショニング

以上を踏まえてポジショニングを整理すると!

よなよなエール,マーケティングトレース,ポジショニング

軸は価格軸と、知識量で表してみました。



最後に。。。

マーケティングミックス(4P)

作っている売物Productはずっと変わらずビール。

喉ごしにとどまらない味・香り作りにこだわり、ビールに味わいを加えて飲むごとに人生を広げてくれています。
パッケージングも奇抜で「インドの青鬼」とか「水曜日のネコ」とかパッと見ると理解不能。笑

でも意味がわかると面白い。
例えば「インドの青鬼」はイギリスからインドにビールを運びたいから作るときに頑張ったら苦々ビールが出来た!苦い=鬼だと表現した、という由来。

また「水曜日のネコ」は、苦味が無くて普段あまりビールを飲まない人も飲みやすいことから、週の真ん中にのんびり羽をのばして飲んで欲しいとの由来。私は生まれた時からネコ派で、うちの酒蔵で作ってる日本酒・梅酒が主原料なのでたまに飲むビールは「水曜日のネコ」くらいが非常に嬉しい。笑

由来を知ってると、つい周りに言いたくなりますよね。よなよなエールさんのHPにも載っているのでぜひご覧ください。

またこちらの記事で、名前に関するおもしろいインタビュー記事が読めましたので、貼っておきますね!▼
https://toyokeizai.net/articles/-/116076


売値Priceは缶タイプにすることでクラフトビールの価格帯では安めだと感じました。缶は印刷ロットなどを考えると数万本単位での発注となりますので、クラフトビールは瓶ものが多いイメージです。

それを製造販売力を駆使して缶で発売し続けることで手に取りやすい商品が出来ているのかと思います。


売場Placeは、ネット発の全国規模の足掛けはコンビニ採用、キリンさんとの業務提携にあると思います。
例えばネット発のお話では、楽天では年に2回大きなセミナーがありますが、そこで登壇者としてお話されるほどネットでの販売に関してはプロ中のプロ!
ネット販売を通してファンを拡大させていき「コンビニでいつでも買えるようになったよ!」「キリンさんと共に頑張るよ!」という買いやすさ・信頼性を味方につけて全国区へと拡大しているかと思います。


最後に売方Promotionでは、ファン作りが圧倒的にすごいと感じています。イベントもそうですが、オンラインでのイベントやSNSなどを通してのやり取りも含めて。最近では UGCという言葉が流行っていますが、その何年も前から取り入れている・・・というか注力して実践してきた、時代がそこに気付いたというイメージです。
ネーミングやイベントが独特なのもファンがファンを誘う要因につながり、話題にしやすい・メディアにも取り上げられやすい。商品を生み出せば、勝手に広がり、声を拾い上げてまた商品が生まれる、、、そんなサイクルを何年もかけて会社全体で作り上げている。実は裏の努力がすごいということを常思います。



ということで

トレース企業の成功要因を整理

2点あります。

まず末端から突き上げるプロモーション

プロモーションの部分でもお話しましたが、お客様との距離が近く、お客様同士、横のつながりも深い。「お店で置いて欲しい!」「よなよなエール、置いてないの?」もしかするとそんな声で取扱店も増えてるのでは?!と睨んでいます。笑

見たことはありませんが、もしテレビCMとかやったらお客さんが泣いて喜んでくれるかもしれませんね!「ついによなよなさんがテレビに出た!」なんて。みんなに求められてて、応援したくなることが当たり前、みたいな心理状態にさせてくれます。

ナニコレ、この感情。笑


で、もう1点は、華麗な変身術、採用できる企業志向

キリンさんと業務提携。。。めちゃくちゃ驚きました。だって同じ業界の製品を作っているんですもん。報道内容をよく読むと両者にメリットがあるんだと理解できました。
持ちかけた方・持ちかけられた方、どちらにヤッホーブルーイングさんが立っているかは判りませんが、どちらにせよ同業と手を組む考えになるのにビックリですし、社内理解もすごいと思いました。結果、両者のネームバリューが上がる飛躍要因の1点なので、タイミング的にも今だったんだろうなと思います。

そして、社内に関しても感じることが一つ。イベント時にも思いましたが、社員のみなさま非常に意見が濃い。自分がなぜここに居て、なぜこれをしているのかの理解が100%できてるんじゃないかと感じました。
例えばイベント時、50代の営業っぽい男性社員さんが、私と一緒に受付に立ったのですが、受付エリアを仕切るのは20代の女性社員さん。オープン時の超忙しい時間で、予定通りには行かないことも。普通ならイライラムードが広がる雰囲気。でも女性社員さんの指示に、男性社員さんは怒る事なく「君がいうならそうだね!」「ここはこうしたいんだけど、どうかな?」と声をかけて居ました。まるで家族思いのパパのように、上手に娘を手助けしているような。
”自分はヘルプで入っていて、リーダーはこれまでの準備を通して意見を出してくれている。でもこうした方がスムーズかな”という意見を全てまとめて出しているような雰囲気だったので、結果、全スタッフがお客さんには130%のスマイルで受付を済ませてもらうことができました。

今、会社はこう。私はこう。そしてお客さんはこう。だからこうする。

この当たり前だけど、なかなか実行できない考えを「採用できる企業」だなと感じました。人材の面ではかなり重要なことだと思います。




以上、自分の経験もふまえて書いてみました。

誰か一人がすごいわけじゃないそんな会社が「ヤッホーブルーイング」さんだと感じて居ます。

みんながリーダーで、それはスタッフさんだけじゃなくて、お客さんもヤッホーブルーイング・リーダーです。笑


なんか、、、また話が逸れますが、「エア社員」の方も多いみたいで。

例えば、著書「宇宙兄弟 完璧なリーダーは、もういらない。」で有名な日本の組織開発ファシリテーターの「長尾彰」さん。https://note.com/akiranagao/archives/2018/11
ヤッホーさんでチームビルディングを長年続けられており、一緒に行われている楽天大学の学長「仲山進也」さんもエア社員であられるそうです。

みんなで作ってる感じ。良いですよね。


"やっぱり"自分もそんな風に働きたい。"やっぱり"酒蔵もそんな風にしたい。

トレースしたことで、よりそう思わされる企業さんでした。

ありがとうございました!

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