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1カ月だけの短期講座を希望の生徒さん

昨日から、新しい生徒さんの講座がスタートしました。
私は、最初にフリーのオリエンテーションのセッションを行い、生徒さんの日本語レベルや日本語を学ぶ理由や目的・関心や興味のあることなどを確認して、どのように進めていくのかを決めます。
通常、まったくの初心者の方の場合には、次の第1回目の授業まで1週間程度あけてもらい、その間にひらがなとカタカナを覚えてもらうようにしています。

「明後日からでいいですか?」

彼の希望(実際にはご両親のようですが)では、大学に入学するまでの1カ月の休みの間に、何か新しい有益なことを身につけたい、ということのようです。
そこで、オリエンテーションの翌々日の昨日からのスタートとなりました。
週に3回、1回は対面での授業の希望で、昨日は対面での授業でした。
さすがに、ひらがなもカタカナもまだ全然覚えていない状況で(まあ想定済みでしたが)、まずはそこからのスタートでした。

簡単な会話ができるように…

希望は、1カ月の間に、ある程度基本的な会話ができるようにしたいとのことでした。
正直1か月では、と言うお話はしましたが、簡単なあいさつや、簡単な確認の会話程度ならば、ということでお引き受けしました。

「みんなの日本語」

通常は「みんなの日本語」をメインテキストに(と言っても、実際にはテキストは使わずに、それをもとに構成し直した独自のスライドを使用しますが)、1課に3回ぐらいの時間をかけて(1課に最低でも3時間)進めていきますが、彼の場合は、1カ月、12回の授業のみなので、「みんなの日本語」は使わずに進めます。
ただ、教えていく順番としては、私は「みんなの日本語」がよく考えられていると思うので、これに従っていこうと考えています。

「いろどり:生活の日本語」

今回は会話を重視して、基本的な会話を覚えてもらうので、「いろどり」をメインに進めていくことにしました。
もともと「いろどり」は、『日本で生活するための日本語コミュニケーション力が身につきます!』と書かれている通り、「日本の生活の場面での『できる』ことを増やす」ことを目的に作られたサイトです。
会話を学ぶ上では非常によくできたサイトだと思います。
音声テキストも充実しているため、ヒアリングの練習にも最適です。

生活に密着したトピック

「いろどり」は、それぞれの課で、日本での生活に関連するさまざまなトピックが取り上げられています。
日本語を学びたいという方は、たいがいは日本の文化などに興味をいだいている方ですので、このトピックを通じて、日本の生活や文化にも触れることができるため、さらに日本に対する興味や関心が増していくように感じます。

試行錯誤の連続です

昨日のnoteでは、白馬に土地を購入する生徒さんの話を紹介しましたが、私の生徒さんたちは本当にさまざまな方々です。
その方に合った学習方法を見つけるために、日々試行錯誤を繰り返しています。
正直「今回の授業はちょっとダメだったかな…」と思うこともあり、生徒さんに申し訳なく感じることもあります。
生徒さんたちの日本や日本語への興味や関心、信頼や親しみを損なわないように、日々気をつけています。

尊敬を持つこと

海外暮らしが人生の半分になる私ですが、最初の赴任の25歳のころから肝に銘じていることは、「相手や相手の国に対する尊敬の気持ちを失わないこと」です。
相手を軽く見るような気持ちは、必ずその方のみならず、その方の国や文化をも軽んじることにつながり、侮蔑につながります。
暮らしていく上で(もちろん日本に暮らしていても同じことですが)、大切なのは「コミュニケーション」です。
コミュニケーションは、決して「ことば」だけで成り立つものではありません。
コミュニケーションは、「相手を理解しようとする姿勢」が重要であり、その基本はやはり「相手に対する尊敬の気持ち」です。
しっかりと心に刻み、今日も授業に臨みたいと思います。

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