見出し画像

ライター業を始めても、好きなジャンルだけで生活できないという話

なんでみんなそんなにライターに成りたいの?

ライターという仕事を初めていただいてから早いもので7年が経過しました。

専業という訳ではなく、また割と仕事のステージがここまでは年々変化していることもあって本当にあっという間だったように感じます。肌感覚で考えると3年くらいの印象なんですよ。

相撲が専門ということもあり、本当に狭い世界なので相撲ファンの方からフォローいただいたり有難い言葉をいただけたりと、評価いただけることは本当に嬉しいしヤフーニュースに転載されるような責任ある媒体で書かせてもらっていることはありがたいような信じがたいような、そんな感覚が未だにあります。

で、この仕事をしているとよく言われることがあって。それは「私もライターになりたい」ということです。

実際にnoteやってみて感じるのがプロフィール欄に「ライターになりたい」と書かれている方が本当に多いということなんですよ。

何となく共通点として感じるのは、皆さん本当に書くことが好きであと普段の仕事で何かしら引っかかるものを感じていること。そして何かを成し遂げたいという野心があること。ただ、これって私が何となーく感じていることなので正しいとは限らなくて。

ちょっとお尋ねしたいんです。
何故皆さん、ライターになりたいんですか?

なんでこんなことを聞くかと言えば、理由は単純なんです。やってみて気づいたんですが、ライターって思っているほど楽しくないんですよ。

だから多分ね、なってみたらイメージと違って落胆する部分もあるんじゃないかなと思うんですよね。でも、そんなこと誰も教えてくれないじゃないですか。

多分ライターっていう肩書って輝いて見えるんですよ。人目に付くところで書いている人っておおーってなると思うんです。ちょっと今日は私個人の経験談にはなりますが、ライターの理想と現実についてお話しします。

人気の業界は競争率が高い

まずね、この点について触れていこうと思います。
皆さん、ライターになってどんな業界で書きたいですか?

これは私の想像ですけど、自分の好きなジャンルについて書きたいはずなんですよ。

自分の好きなスポーツ、芸能、趣味。
多分こんなところですよね。

そういう方がイメージしているのって、多分ブログやnoteの延長線上としてライターとしての仕事を貰えたらこんなに楽しいことは無いって思ってるんじゃないかなって。

でも。
皆さんが好きなジャンルって席が埋まってるんですよ。

冷静に考えると当たり前の話なんですけど、ライターとしての仕事のパイってある程度決まっているんです。そこが増えることって余程ブームが到来するとか、異常な何かが起きている時だけです。

ですから、市場が拡大するようなことは無いということを念頭に置かなければなりません。

更に、もう既に野心家が虎視眈々とその埋まっている席を狙っている訳です。何しろ人気の業界ですから、無料ブログでも面白いことが書ける人は無数に存在しています。

仕事を得るには既に席に座っている人を押しのけること、そして椅子を狙っている人を圧倒しなければならない訳ですね。これはねぇ…大変ですよ。

なかなか仕事がゼロからイチにならないんですよ。

好きなことを書きたくて、日々金にならない無料記事をアップし続けて、でもなかなか注目なんてしてもらえないんです。そこそこそのジャンルで認められても、無料ブログだから読んでもらえているところからネクストにはなかなか進めません。

停滞してくると段々自信も無くなるし、辛くなってくる。段々怒りは既に椅子に座っている人とか業界そのものに向かうようになって、書くものがつまらなくなる。そういう悪循環に入っちゃうことが多いんですよね。

仮に仕事が貰えても、そうは拡大しない。
実力者が多い訳ですから。
そうやって皆さん挫折していくんです。

単価が安くて儲からない

前も書いたことですけど、私レベルでライターとして専業で生きていくにはウェブ記事だけで年に200本書かなければなりません。

相撲の記事ってボリュームが結構必要なので大体3000字くらい書くんですけど、そんなに相撲の記事なんて仕事無いし、切り口も無いですよ。

だとすると単価が高ければいいか?って話になりますけど、この出版不況の時代ですから言うほど貰えないんですよ。

しかも恐ろしいことに、私の記事の単価ってライターになりたての頃からそんなに変わっていません。私は元々アマチュアからのたたき上げなので、言い換えると新人の頃とメディア実績や本出版の実績を積んだ今と変わらないってことです。

これヤバいですよね。
だって、入社7年で給料据え置きみたいなもんですよこれ。

仕事を本数こなせばいいのかもしれませんし、売れてくれば仕事のパイが増えるから安くても沢山仕事をすればいいって考え方はありますけど、でも本来単価が上がる、仕事の件数が増えるっていう形で収入って増えると思うんですよ。

単価を上げるという形で仕事は増やせない。そして、前述の通り人気の業界になればなるほど仕事の件数は増えにくい。つまり、好きなことを書くことで収入を上げていくことが本当に難しいってことなんです。

食べていくには興味の無いジャンルの記事を書かざるを得ない

ライターとして好きなジャンルで仕事が得られない。
でも食わなければならない。

そうなってくると次に考えることは皆同じです。
好きではないジャンルに参戦することです。

書くこと自体は好きだからまぁそれでもいいんじゃない?って思う方も結構いると予想しています。好きじゃない仕事、多分営業とかクレーム対応とかより楽しくない仕事をイメージして「だったらライターの方がいい!」って思っているんじゃないかなぁ。

私もSNS経由でライター業のマッチングサイトみたいなところに登録していて、そういうところから紹介される仕事がまぁまぁ来るので、どういうものがあるか紹介します。

■ライター業のマッチングサイトで紹介された業務
・ホームページの会社概要、事業内容、ビジョンなどの執筆
・アフィリエイトサイトのライティング
・ダイエット、健康食品の記事制作
・賃貸不動産、賃貸管理に関する記事
・事業計画書作成
・SNS運用

これ、別につまんなそうな仕事だけを抜粋している訳じゃないですからね。最新の業務から順に過去にさかのぼって書いているだけですから。

それでいてこれですからね。

これを見て皆さん思うはずです。
思い描いていたライターとしての仕事と違う。
と。

多分事業計画書とかSNS運用がしたくてライターを志した人なんて誰も居ないと思うんですよ。でも、ライターになったら好きな仕事だけでは食えない現実に直面して、結局こういう楽しくはない仕事の割合が増えていく。

楽しくて、将来がキラキラして見えて、ポジティブな感じがあるからライターを目指したはずなのに、実際やってるのはこういう地味な食うための仕事ばかりになる。

これってどうなんですかね。

好きなことを兼業で続けるくらいがちょうどいい

思い描いていたようなライターに成れるかどうかって、結局のところその人の実力次第だとは思います。ですから、こういう現実があるから止めろっていう訳ではないです。

地道に実力を磨いて、他の人に書けない記事が書けるように成長して、誰もが憧れる存在になることだって可能ですし、実際アマチュアから成りあがっていった方も知っています。

ただこれは非常な現実なんですけど、そんなにうまくは行かないです。

私と同じようにスポーツナビブログからライターに成れた方も居ましたし、そのほかの方法で見いだされた方も居ましたが、開店休業状態の方やそれに耐えかねて廃業されたケースが大部分です。

好きなジャンルでライターに成ることってそれ自体が難しくて、仕事を多く得ることが難しくて、そしてそれを維持していくことも難しいです。

ライターの学校とか最近多いですけど、声優とか演劇とかと本当に変わらなくて、目指す人が多い割に思い描いたジャンルで食える人って一握りです。

まぁこんな風に偉そうに言っている私だって兼業なんですよ。好きなことをそれなりに書けて、副業としてであれば嬉しいくらいの収入はある。変な話、自己顕示欲も満たされている。

個人的にはこれくらいのバランスでライター出来るくらいがちょうどいいと思うんです。生活も圧迫されないし、好きなことを楽しんでいられるバランスも維持できる。私はこの奇跡的なバランスで居られるから今も暖簾を掛けていられます。

私が言うことが全てじゃないですけど、私が知っているライター業ってこんな感じというのは今日の記事で伝えられたかなと思っています。

という訳で、いかがでしたか?

ライター業の知られざる世界についてまだ知りたいことも、この話の感想についてもコメント欄でお気軽にお聞かせください!

追記
以下の記事についてヤフー公式コメンテーターとしてコメントしております。


この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いいたします! 皆様のために今後使わせていただきます!