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ぶっちゃけスポーツライターは儲かるの?ウェブ記事、メディア出演、印税。全て答えます

「スポーツライターって儲かるんですか?」

以前も書いたが、相撲ファンという立場からスポーツライター・相撲ライターというキャリアが開けてきたため「好きなことをしてお金が貰えてうらやましい」と言われることが多い。

好きなことを仕事にする、これを「自分らしく生きる」という言葉で置き換えることも多々あるが、楽しい裏には苦しいことも多く、むしろ普通に仕事をするよりも大変なことが多いように感じているのは以前記事にした通りだ。

ただ、自分の署名記事がnumberや現代ビジネスのような大きな媒体に掲載され、それが影響して多くの方の相撲の見方が変わったり反響があることはこの上ない喜びだ。

だからこそ私は苦しいことがある中でライターとしてまだまだやっていけているように思う。私を突き動かしているのは結局のところやり甲斐なのだ。

さて、うらやましいという言葉と同じくらい私に対して掛けられる言葉がある。それは

「スポーツライターって儲かるんですか?」

という質問だ。

あくまでも私に関する話ではあるが、今日はどの程度の収入が得られるかということをお話ししたいと思う。

まず、私がライターとして4つの方法で収入を得ている。

・記事の執筆(ウェブ記事、雑誌記事、新聞記事など)
・メディア出演、インタビュー(テレビ、ラジオ)
・ヤフー公式コメンテーターとしてのコメント料
・本の執筆(印税)

ということで、それぞれの収入について触れていこう。

・記事の執筆(ウェブ記事、雑誌記事、新聞記事など)

これらの記事については文字数に応じて掲載料は異なるが、私が書く記事については大体2000字から3000字程度だ。このボリュームで記事を書くと

2000字:20000円
3000字:30000円

という金額が支払われる。

勿論媒体によって単価が異なることもあるので、例えば3000字書いても10000円程度ということもあるし、1000字でも30000円以上いただくということもある。また、先方がテーマや構成についても提示を求めてきた場合は追加で料金が発生するので同じ3000字でも50000円程度いただくというケースもある。

ただ、基本的には2000字は20000円、3000字だと30000円というのが私の仕事でおおよその基準になってくるとは思う。

私の場合はほかの業界のことは知らないのでこの水準が高いか安いかは分からない。ただこの記事を書くに際してデータ分析をすることもあればインタビューをすることもある。

記事を書き始めれば1時間~2時間程度で終わるのだが、事前準備も必要だし記事の作成にはそれ以外のところでかなり時間を要することになるので、コスパはあまり良くないとは思う。

また、記事については基本的には突発的なものなので、大きなニュースがあった時は1か月に5~6本の依頼が来ることもあるが、何もなければこちらから提案しなければ仕事は一切無い。相撲を中心に仕事をしている私に関しては大体1か月に1本程度だ。

・メディア出演、インタビュー(テレビ、ラジオ)

これも出演なのか、インタビューなのか、あとは拘束時間次第で料金が変わるのだが、おおよそこんなところだというラインをお伝えすると

・電話取材:5000円程度
・メディア出演(5分程度):5000円程度
・メディア出演(30分程度):10000円程度
・メディア出演(2時間程度):20000円程度

といったところだ。

電話取材はともかく生放送の出演となるとトークテーマがあるので、前もって台本が送られている。そしてそれに関する回答を準備して先方に返送する。

また私は特にそうなのだが、緊張しやすいタイプなので台本があっても滑らかにしゃべれるように実際に話してみたり、イメージトレーニングをしたりもする。

あと、台本に無い部分でいきなり振られるということもあるので話のネタはいくつか準備しているのはここだけの秘密だ。

ともかく、生放送の場だけではなくやはり準備でかなり時間を要するので時給単価はあまり良くはない。

・ヤフー公式コメンテーターとしてのコメント料

私はヤフー公式コメンテーターとしてヤフーニュースの下の方のコメント欄で必ず先頭に来るような形でコメントが掲載されるようになっている。

実はこれについても1本の記事に対して幾ばくかの金額をいただいている。これについては単価を明かすことは出来ないが、それほど大したものではないとだけお伝えしておこう。

これについては瞬発力が必要な仕事だ。

私の場合は基本的にヤフーニュースのトップに掲載されたものを中心にコメントを付けている。これは多くの方が相撲について知りたいという時に参考にしてほしいという意図がある。

そのため、ヤフートップに記事が掲載された後でニュースの内容を理解し、多面的に判断し、角が立たないように客観性のある文章を作る。

時間単価は記事やメディア出演と比べると良い方だとは思うが、この仕事をしているために私はかなりの頻度でヤフーニュースのトップを見ているので気が休まらない。

・本の執筆(印税)

これについては電子書籍と紙の書籍で収入が異なる。

紙の書籍の場合は刷った本の冊数に応じて印税が発生する。つまり、売れたか売れていないかは別にして刷っている冊数が問題になるということだ。

冊数×固定のパーセンテージ=著者の収入ということになる。

この固定のパーセンテージについては著者によって異なってくると思うが、私の場合は10%だった。

また冊数に関してはどれだけ出版社が推しているか次第ではあるが、私が出版した事例で言えばメジャーな出版社の新書ということで、一般的な書店では概ね販売している。この規模だと最低10000冊前後にはなる。

つまり重版しないことにはなかなか印税が伸びないことになる。

なお、電子書籍の場合は純粋に売り上げ×固定のパーセンテージが著者の収入になり、私の場合は固定のパーセンテージが25%だった。著者が潤うには電子書籍を買ってほしいところである。

スポーツライターだけではなかなか食えない

私が相撲を中心にライター業を始めてみて思ったのは「相撲に関する仕事は少ない」ということだった。それでも他のオリンピック種目に比べれば全然多いほうだとは思うが、ライター業を開業したことによってポンポン仕事が入ってくるというものではなかったことは事実だ。

また、私の場合はスポーツ紙やウェブメディアで連載を持っている訳ではない。だから安定した固定収入があるわけではないので、突発的な仕事やこちらの提案によって収入が発生する。

スポーツ自体が盛り上がっていれば良いのだが、そうではない時は自分から仕事を作らなければならないのだが、メディアもなかなかこちらの提案を受けてくれるわけではない。

だからスポーツライターというのは私のように副業程度で行うのがちょうどいいのではないかと思う。専業で行うにはスポーツライターだけではなく別のライティング領域でも仕事を得なければならないがそれも簡単なことではない。

もし執筆を生業にしたいということであれば新聞社か出版社に就職するのが個人的には良いと思う。それほどスポーツライターだけで食うのは難しいことだ。

この業界に夢を持ってもらうのは嬉しいことだが、現実的な数字を見てどう考えるか判断してほしい。個人的には食える余裕があるからこそ良い記事が書けると私は思う。

次回予告:何の特徴もない大学付属に入った理由を振返るが特殊すぎて教訓にならない話

何故自分が出身校を選んだのかを考えてみても、あまりにも特徴のない学校なのでまるで理由が分からない。

少し整理してみると西尾家の特殊な事情がや私の短所、いろんな偶然が重なった結果だったことに気付きました。

中学生やその両親に参考になればと思って整理したのですが、まるで参考にならないので特殊な環境の人が試行錯誤した結果として読み物として楽しんでいただければと思います。


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