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30年前の「除夜の鐘を鳴らそうの会」「初日の出を見ようの会」の思い出を語る

明けましておめでとうございます。
2024年もよろしくお願いいたします。

妻と暮らす正月というのももう10年近くなりました。
月日が経つのは本当に早いものです。

独身の頃は実家で迎える、っていうか、私の場合はIT業界なものですから、機械に盆も正月も無くて、2018年に転職するまでの間は基本的に大晦日から正月はどこかで仕事をしていたように思います。

だからね。
正月をガッツリ休みが取れるなんて天国なんです。

でも、

天国なんてもんは、天国であることに慣れちゃうと地上みたいなものになっちゃうわけで、箱根駅伝で母校がビリまっしぐらみたいなことでもちょっとした不幸みたいに感じたりしてね。

まぁそんな話はいいんすよ。
年越しと年明けの話なんです。

ふと思い出したら、実家か職場か福島か妻と一緒に居るかっていうのとは全く異なる年越しと年明けを過ごしていた2年間があったんですよ。

あれは中学生の頃です。

当時私は剣道部に所属していまして、まぁこの部活動がなかなかハードでして。

夏休みは1週間だけ、冬休みも大みそかと三が日だけ。選挙があると格技場が投票所になるから突発休になるのが嬉しい。そんな感じのハードさで、一つ上と下の代が関東大会に出場するくらいのガチさだったんです。

え?
私の代?

部長でしたけど私の代は部員があと1人で、もう1人がとんでもない野郎だったんで内政をどうにかするだけで大変だったんすよ!

まぁそんな話はいいんですよ。
正月の話です。

この剣道部っていうのが仲良くて、部活の大会終わった後はみんなで集まって駅前の銭湯行ったり、たまの休みでも多摩川に朝4時前くらいに行って釣りしたり。まぁフナとか鯉くらいしか釣れないんですけどね。

たまにしか休みなんて無いんだから、家でゆっくりしてりゃいいのにって思うんですけど、なんかこの部活が大変っていう連帯感があったせいか、あとは学年の垣根を超えて遊ぶ文化があったからなのか、剣道部のコミュニティが当時の居場所だった気がするんです。

で。
年末を前にある先輩が一言。

「除夜の鐘を鳴らそうの会」やろうぜ!

ほう。
そりゃ面白そうだけど、夜中じゃないですか。
そんな時間はね、あたしは寝てるんですよ。

さすがにこれは…
と思ったらね。

なんかみんな超賛成してるんですよ。

あ。
いや、まぁ。

そうなったら下っ端の私は拒否権無いので、行くことになる訳です。

で。
更にね。

だったらさ、「初日の出を見ようの会」もやろうぜ

なんて提案が出てきて。

それもまたいいよね、みたいなことになったんですよ。
ただ当然思うんですよね。

除夜の鐘鳴らしてから初日の出までどうするんだ?
って。

12時くらいに鳴らしに行って、そこから6時くらいには初日の出ですからね。鳴らして帰って、寝て、初日の出だと絶対脱落者連発になる訳ですよ。

それはそれで面白そうですけど、そこでとある先輩が一言。

だったら俺の家で朝まで過ごそうぜ



これ、2023年だったら絶対ダメだし、まぁ1993年辺りでもダメなはずだったんですけど、顧問の先生には絶対に知られないように全員で根回しして、決行しました。

いや。
これね。

何がヤバいって、中学生が15人くらいで集まって誰かの家で夜な夜な遊ぶとか、例えばタバコ吸うやつとか酒飲む奴とか出たら一大事ですからね。

この頃ってコンビニの前でたむろしただけでかなり怒られていましたから、今にして思うと結構な冒険だったと思うんですよ。

で、この家の方もよくOKしてくれたなぁと思います。
掘りごたつのある立派な家だった覚えがあります。

割と親たちも、私たちのことを信頼していたんだろうなぁって、今思うと感じます。まぁそれくらい剣道部の連帯感ってあったんですよ。強豪だということもあって。

近所の除夜の鐘鳴らすならこの寺、ってところにガタイのいい剣道部の中学生が全員で列を成して突きに行って。

自転車で先輩の家に行って。
朝までスーパーファミコンぶっ通しでやって。

ただそれだけなんすよ。

いや。
本当に健全ですよ。

誰か一人くらい変なこと言いだす人が居てもおかしくないんですけど、普通にロマサガ2やり続けていただけです。皇帝陛下をルドン送りにしてパーティ強くしていただけでした。

不思議なんですけど、別に寝てる人は誰も居なくて、ロマサガ2だからプレイしているのは家主の先輩だけなんですけど、それ観ながらみんなで楽しく喋って。

6時間もやればえらく強くなるし、ストーリーも進むんですけど、そうしている間に初日の出の時間が来て。

みんなで自転車で多摩川行って。
初日の出がどれなのかよく分からない間になんか出ちゃってるみたいな初日の出あるあるを経験して。

で、帰るんです。

家族もニコニコしながら餅焼いて待っていて、凄く奇妙な正月が2年続いたことを覚えています。

その次の年はネオジオっていうスネ夫でないと持ってないような、1本のソフトが2万くらいするようなヤバいやつを剣道部じゃない人が持ってきたりして、それもまたよく覚えています。

なんでネオジオなんて持ってたんだろう、あの先輩。

色々と奇妙なことが多い年末年始でしたけど、別に誰もすげえ怒ったりする人も居なかったし、道を踏み外しそうな人も居ないという、実に平和な夜遊びだったように思います。

除夜の鐘とゲームと初日の出であんなに楽しめるなんてことはもう無いんだろうなぁと、30年前のことを懐かしく思い出すのでした。

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