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相撲ライターとして想像していなかった未来を生きても、満たされる日は来ない

今日はこちらのテーマについて。

今の自分が想像していなかった未来を生きていることは間違いないです。

14年前の自分に今の姿を見せたら、あまりにも現実味の無いことをしているからです。

相撲ライターを名乗り、
ヤフーで専門家コメントを残し、
本を2冊書き、
ワイドショーに出演する。

こういうのって、客観的に見るといわゆるサクセスストーリーになるのかもしれません。

私だってこの立場になるまでは羨ましくて仕方なくて、そのポジションの人のことが妬ましいところまでありました。

だってね。
相撲の記事ってつまらないんですよ。

ムラを守るためなのか歯切れの悪いコメントを残したり、ファンのことを「ヨカタ」なんて評して素人扱いしたり、とにかく私の気持ちを代弁する存在が居なかったんですね。

それは今でも変わらないです。

だから、素人目戦で無料ブログやSNSを通じて言いたい放題やりながら相撲について面白そうなことを書きまくっていたらみんな読んでくれるようになりました。

まぁハッキリ言って、生活が別のところにあって失うものが無いから出来ていることなんですよね。これは。

大相撲はブルーオーシャンだったんです。
運があまりにも良かった。

だから、

「どうやったらミヤネ屋出られますか?」

とか、

「プロのライターになりたいんです」

って聞かれたとしたら人がやっていないことをすることを勧めています。自分に実力があったから上手く収まれたのかは全く分からないから成功者が言いがちな

あきらめなければ夢はかなう
自分を信じろ

みたいなことって口が裂けても言えません。

勝算があるところで誰もやっていないことを見つけて戦略的に仕掛けることをひたすら繰り返すという、泥臭いことしか推奨できないです。

ただ。
想像していなかった未来を生きることって、満たされるばかりではないんですよ。

地位を得たら、守りたくなるんです。
それを今、しみじみと感じています。

相撲なんて外部のライターに仕事がたくさん入ってくるような世界ではないです。ですから、話題に事欠かない時は仕事が来ますけど、そうじゃない時は半年くらい何の話も来ないことはザラです。

肩書はあるくせに仕事は無い。
どうなると思いますか?

不安で不安で仕方ないんですよ。

このまま仕事が来ないんじゃないのか。
こたつライターなんてレッテルも貼られている。
SNSでは辛辣なことを言われることもある。

もう相撲ライターという肩書を名乗って10年くらいたちますけど、たまに集中的に仕事が来て、日照りがあって、忘れた頃に驚くような依頼が来る。

その繰り返しです。

だから慣れてくると思うじゃないですか。
私もだんだんそういうものだと理解できてきました。

理屈では分かっているし、仕方がないことだとも思います。ただ、これって理解していても仕事が無い状態になると達観できない部分が出てきてしまいます。

そこをお坊さんみたいなことが言えたら成功者みたいな振る舞いが出来るのだと思うんですけど、想像していなかった未来を生きていても、不安と迷いしかない。

努力もしたし、肩書も出来た。
戦略も当たった。
ファンも居るし、羨ましいと言ってもらえる。

でも、今が満たされていないと、目の前に特別たる自分が想像していなかった未来を体現していないと、渇いてくるんですよ。

出来ることの幅が拡がって、それは自分への信頼を高めることに繋がるのかもしれないのですが、人って慣れる生き物なんです。

今居るところがたとえ素晴らしいところであったとしても、この瞬間に潤いが無ければ苦しさは出てきます。それが想像していなかった未来を生きるということなんです。

傍から見ていると羨ましいかもしれない。
妬ましいかもしれない。

だけどそういう世界で生きると、降りて自分をあきらめるまでは忸怩たる思いを抱えている時の方が多いんです。

どこまで行っても満たされることは無くて、それが次への原動力になる。いくらいいねがもらえても、いつもよりいいねの数が減れば嬉しいどころか寂しささえ覚えます。

私が今やっていることは、ハムスターが籠の中で走り続けるアレなのかもしれません。

走れば走った分だけ上が見える。
チャンスが広がったら次の何かを探す。

あんなに有名で、何でもできて、どうして悩むのか?

って芸能人の方を見て言う人、多いじゃないですか。でも、今居るところが想像していなかった未来だということさえ忘れるんです。

そしてそれが想像していなかった未来だから自分は幸せなんだって思い出してもその効果なんてすぐ切れちゃう。

足るを知るなんて、出来ないんですよ。

頭使って、戦略練って、絶えず動いて、それでもダメで、もがく。どんな人でもそこは変わりません。そんなこと、一度想像していなかった未来を生きてみないと分からないですからね。

幸せな人生を歩めると思ったら、より深く悩み考える人生に足を突っ込んでしまった。

そんなことを私は望んでいなかったけど、そういう機会を与えてもらったと思い、前向きに捉えていこうと思うんです。


普段はVoicyで音声配信しています。
是非お聴きください。

質問も少ししか無いので、このまま無ければ11月7日を目処に閉鎖しますが、それまでは受け付けますのでお気軽にご連絡ください!


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