地域マーケティング寺子屋を主催して気がついた「地域×マーケティング」イベントの新しい形について。
みなさん、どうもHONEの桜井です。現在、地方にマーケティング実装させるべく、日々現場であくせく働いています。
最近はマーケティング・ブランディングの実務支援だけでなく、大学・専門学校での講義(ありがたいことにコマを持たせていただき教鞭を執ったり)、自治体向けにマーケティング講師をさせていただいたり、先月書いた有料noteは100名以上の方に読んでいただけたり、アニータさんのYouTubeに出させていただいたりと、マーケティングを地方に実装させるべく、あの手この手で活動をしています。
本日は2月11日(土)に宮崎県新富町で開催した「地域マーケティング寺子屋 in 宮崎県新富町 〜地域で稼ぐ・儲かる事業のつくりかたを大議論!〜」を主催し、ゲストの皆さんを宮崎にお呼びして気がついた地方×マーケティングの新しい在り方についてまとめてみたいと思います。
イベントの概要と背景
イベントの概要は以下の通りです。
そもそもなぜこのイベントを企画したのか?というと、私が齊藤潤一さん率いるこゆ財団さんとお仕事をしており、潤一さんより、「新富町でマーケターが集まるイベントって開催できないかなぁ?」という投げかけから、「いいですね、やってみましょう!」と実現したものです(文字にしてみるとすごく単純になってしまった)。
もともと私が地方にどうマーケティングを実装させていくか?についてよく考えていたため、地方にマーケターが集まってセミナーを開くことはとても意味があることだと感じていました。でも、単なるTipsやノウハウを学べるようなものや、ふわっとした戦略論(顧客を大事にしよう、本質的な価値を伝えていこう)でセミナーをやる意味はないと思っていたため、マーケターが本気になるイベントを考えようと考えました。
ちなみにお呼びしたマーケターの皆さんは、私が仕事やSNSなどで関わったことのある本当に尊敬できる人たちだけをお声がけさせていただきました。
地方でマーケティングイベントを行う2つの課題
私もこれまで地方で100回近くマーケティングのセミナー・イベントに携わってきた身からすると、地方でマーケティングイベントを行う際の課題は大きく2つあります。
1つ目は集客。マーケティングに感度の高い人ばかりではない(むしろマーケティングは関係がないと思っている人が多い)ため、集客に苦戦することが多くあります。外資系の消費財メーカーに勤める方をゲストに招いたり、大手企業のCMO・経営者クラスを呼ぶことで人を集めることはできますが、それらの大御所ゲストが地方に実装するマーケティング戦略と合致するか?というとそうとも言えないケースがあるため難しいところ。
2つ目はコンテンツレベル。ウェビナーが主流になったことで地方からでも都内のイベントに参加できるようになったものの、そうなることで一層リテラシーに格差が生まれてきたように思います。となると、「マーケティング用語がわかっている前提のイベント」なのか、「誰にでもわかるマーケティング講座」を行うべきか、という判断が難しくなり、参加者が求めている内容が何なのか?についてより迷うことが多くなってきたように思います。
以上のことから、「集客ができて、かつコンテンツレベルが合うテーマ」である必要があり、結論「イベント会場の舞台である、新富町そのものをマーケティングするには?」というタイトルにしようと思いました。そうすることで、マーケティングについて詳しくない地元の人でも参加しやすくなるのではないか?ということです。
実際のイベントスケジュールはこちら↓
セミナーの座組は「フィールドワーク👉議論👉提案」
リアルな「新富町の課題」をテーマにしようと決めて、地元のこゆ財団さんに「前日に新富町の主要な場所をアテンドしてほしい」と依頼をしました。
ということで、ゲストの皆さんには2月11日のセミナー前日に宮崎に来てもらい、新富町の紹介及び現状抱えている課題、各地のアテンドをこゆ財団の皆さんにお願いし、マーケターの皆さんに体感してもらうことでどんな課題解決方法があるか?どんな施策が必要か?を考えてもらうきっかけを作りました。
フィールドワーク👀
まずはこゆ財団さんより財団の説明及び新富町の紹介&課題をご説明いただきました。
その後、実際に現地をまわって説明を聞いてまわります。
議論🗣
今回、一棟貸しの宿「茶心」にて13名が一つ屋根の下で泊まりました。寝食を共にすることでより議論が深まり、一体感が出た気がします。
実はこれには裏話があり、当初はゲストそれぞれがビジネスホテルをとる予定でしたが、2月の宮崎は野球・サッカーともにキャンプシーズン。今年はWBCまであるため、ホテルの空きがなく、こゆ財団さんが所有している茶心に泊まらせていただくことになりました。もしビジホだったらここまで一体感のある生活をしていなかったため、仲良くなれなかった。これもひとつの偶然でした。
男性陣はまさに↓のように雑魚寝でした。
詳しくは北風さんの動画でも議論の様子を見ることができます。
イベント🏆
翌日、議論した内容をイベントで披露&ディスカッションすることができました。実際の現場を見て課題抽出し改善案を提案できたため、パネリストとして登壇したゲストのマーケターの皆さんも抽象論にならず具体の話ができたのではないか?と思っています。
これは少し余談なのですが、セミナーの構成が「AM:Keynote(キックオフのトークセッション)」👉「お昼休憩(お弁当タイム&ゲストと参加者の交流)」👉「PM:トークセッション2本」だったため、参加者との距離が近く、セミナーの参加者の皆さんを巻き込んだセッションができたのもとても良かったです。
まとめ:フィールドワーク型イベントを広めたい
以上が新富町で実施したイベントの概要です。
少しおさらいすると、地方でマーケティングイベントを行うのであれば2つの課題(集客の担保とコンテンツレベルの調整)を解決する必要があり、その課題解決のためには「開催地のリアルな課題」をテーマにして、登壇者(今回はマーケター)が現地を視察して事実・問題〜課題を把握し、実際の解決策をイベント当日に議論をして具体的なアイデア・施策まで落とし込んでいく、という抽象〜具体の流れが有効なのではないか?と考えました。
地方としては自分たちの地元を知ってもらい、課題解決のためのアイデア出しをしてくれることで改善のヒントになるし、マーケティングリテラシーがなくてもテーマについて来れる。
一方、登壇者はふわっとした抽象的な議論にとどまらず、具体的な施策まで提案することで地元の人たちに価値提供ができるし、短期間で課題特定〜解決策の提示をまとめることが自分自身の成長にもつながる。
この座組は地方のいろんな場所で実施可能だと思っているため、もし興味のある地域・自治体の皆様がいらっしゃればぜひお問い合わせください!一緒にコーディネート案を検討したいと思います。笑
以上が新富町で行われたマーケティングイベントの背景と全容でした。この取り組みが全国に広まるよう、これからも啓蒙していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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