見出し画像

「地方でマーケティングを実装したい」と願うすべての人に伝えたいこと。

皆さん、こんばんは。桜井です。

私は現在、HONEという会社で静岡を拠点に地方ブランドのマーケティング・ブランディングのお手伝いをしています。

私の会社は「地方に骨のあるマーケティングを。」をミッションにして、地方でがんばっている作り手の皆さんの売上・利益創出、組織づくり、採用支援をマーケティング・ブランディングの力を使ってお手伝いをすることです。


しかし、昨今のWebマーケティングブームにより、

・自己資金がいらない
・未経験でゼロからでも始められる
・在宅で仕事ができる

など、マーケティングがあたかも楽して稼げるかのような表現をする人が増えているのも事実。これには少し困惑しています。

Twitterのマーケティングトピックは地獄

賢い人はこの実態なき情報商材屋らの地獄絵図にあえて付き合わないと思うのですが、地方ではただでさえ正しいマーケティングが伝わっていないため、地方に身を置く私がマーケティングとは何たるか?をキチンと伝えなければ!と謎の使命感を持ってしまいました。

そのため、このnoteでは地方マーケティングのリアルについて書くことにしました。これから地方マーケティングに携わりたい人の参考になれば嬉しいです。


マーケティングを実装するまでのロードマップ

「マーケティング」と聞いて思い起こす言葉はたくさんあるかもしれませんが、その多くが「集客・売上」の周辺にあるものだと推察します。

しかし、マーケティング戦略とは市場環境に基づく事業戦略(いわゆる儲かる仕組み・ビジネスモデルがあるのか)が前提にあります。さらにいうと、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と一気通貫になっているか?まで見なければ本当に筋の通った戦略は作れないと考えています。

マーケティングの実装にはM(ミッション)V(ビジョン)V(バリュー)から問い直す必要がある


そのためには↑のロードマップの左から検討していく必要があり、具体的には以下のようなフレームワークを用いて整理する必要があります。

私がよく使っている推しフレームワーク

【よく使用するフレームワーク】
・ミッション・ビジョン・バリューの再確認(or 策定)
・ブランド・エクイティ・ピラミッドの整理・作成
・通期の売上/利益目標の設定
・事業戦略の策定(限界利益・損益分岐点の設定)
・3C分析&策定 【顧客が考えていること・買う理由】【競合ができないこと】【自分たちの強み】 およびその全てが重なる部分の言語化
・POP(なくては選ばれないもの)/ POD(あれば選ばれるもの)の整理
・ビジネスコンセプトの言語化
・4P(マーケティングMIX)
・4Cの整理


ここでよくあるのが、「フレームワークを用いることで仮説を導くことができる」「最適解がわかる」という誤解です。

私の経験則でしかありませんが、フレームワークにこのような強みはなく、あるとすれば、

・自分自身の思考を整理する
・利害関係者間の共通言語/共通見解をつくる

くらいのものだと思っています。つまり、フレームワークが道標になるわけではなく、「単なる思考整理&コミュニケーションツールである」ということが言えます。


マーケティングに携わる前提条件①

私のクライアントさんにまずお伝えしていることですが、「マーケティングには正解がない、ということを理解する」ことが前提条件であるということです。

コトラー爺さんがあの歳になってまだ本を書いているところを見るに、マーケティングに絶対的な解がないことなどわかりそうなのですが…。

マーケティングに絶対的な解などない


その上でまず決めるべきは「目的」、その後「戦略・戦術」の順番でプランを具体化していきます。

まず目的の設定が何より大切


もう1つ大切なのは、地方/中小企業では経営資源の絶対量が少ないため、「何をするか?」よりも「何をやらないか?」の方が遥かに大切であるということです。

ここ、テストに出ます


経営資源の代表的な「ヒト・モノ・カネ」に加えて、有体物(土地・ハードウェア)・無対物(情報・ソフトウェア・実績)、さらにはブランド・組織力・文化なども資産にあたります。

流用:https://liffel.com/marketing/management-resources/


よくあるのは、「とにかく一旦やってみよう」「小さく失敗してみよう」とアクションを起こす例。チャレンジが間違いなわけではありませんが、そのチャレンジは本当に今やるべきことなのか?目的の到達に近づくのか?リソースをどのくらい使うチャレンジなのか?は見極める必要があると思っています。


マーケティングに携わる前提条件②

もう1つの前提条件は、「売上」は施策1つで完結するものではなく、様々な変数がかけ合わさったものである、ということです。

売上の地図より抜粋


どうゆうことか?

とても簡単な例でいうと「パン屋さんがどんなに良い企画・キャンペーンを実施したとしても台風がきたら誰もお店に来ない」ということです。

天候以外にも、景況感・世の中のトレンド・競合他社の失墜・インフルエンサーからの紹介、など、集客・売上は様々な「変数」の上に成り立っています。

トライバル池田さんnoteより抜粋


つまり、売上が上がった理由を「このターゲット(戦略)が良かった」や「この施策(戦術)がはまった」、という単純な1要因だけで語ることはできない、ということです。

※詳しくはトライバルメディアハウスの池田さんの書籍「売上の地図」やnoteをご参照いただくのが大変わかりやすいかと思います。


変数に左右されない要素とは

ここまでお読みになった皆さんは、「マーケティングの大まかなロードマップと事前に考えるべき前提条件はわかった。で、何から考え、どうすればいいの?」と考えるかもしれません。

もう一度はじめの図に戻りましょう。

私自身、まず考えるべきはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)である、と考えています。

ではMVVとはそもそもなにか?

かっこいい横文字。しかしそれぞれの意味を理解している人は少ない


私の過去の学びと実戦での解釈では以下のように整理しています。

【それぞれの】
ミッション:何のために生まれてきたのか
バリュー:いま、何をすべきなのか
ビジョン:3年後、何を目指すのか
コンセプト:消費者に向けたブランドの約束ごとはなにか
パーパス:社会においてどんな責任を果たすのか


なんとなくカタカナ言葉を使っているけれど、それぞれの意味合いについては深く理解していない、という方も少なくないかもしれません。

これらの定義は諸説あり、絶対的な定義はないと認識していますが、大切なのは定義の良し・悪しではなく、それぞれの言葉を定義づけして思考整理ができること・利害関係者との共通認識をつくること、にあると考えています。

言葉を定義づけ、向かう先(ビジョン)を決めることがマーケティングで最も大切な「目的」を決めることになり、まず向かうべき方角がわかる、ということです。

ミッションはすでにあるはず(出なければ会社は存在しない)。まずはビジョンを決める。その後にバリュー。


広告の運用改善やSEOを鑑みた記事作成、クリエイティブの見直しなどはやればいいと思いますが、結局は部分最適にしかならず、向かう方角を決めるようなものではありません。

本当に大切なのは「目的」。すべてはここからはじまります。

よくある間違いは狭義のマーケティングから始めてしまうこと


最後に

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

地方でマーケティングに携わるすべての人へまず伝えたいロードマップ、前提条件について書き出してみました。

今回まとめてみたのは「地方マーケティングに携わる上での心構え」みたいなもので、より実務的な内容は↓をお読みいただけたら嬉しいです。

また日々、私が地方でもがいている様子はメンバーシップでも公開しているので興味がある方は覗いてみてください。


【実務的なnote】

マーケティングの原理原則【基礎編】

マーケターの基礎体力である「思考力」ついて

ベネフィットにつながるインサイトについて深掘りした記事

確率思考の戦略論は地方で使えるのか?について


本当に最後に:地方でお困りの事業者さんへ

もし私ができることがあればHONEまでお気軽にご相談ください。Twitter DMでも、HPのお問合せフォームからでも、ブランドを強くする方法を一緒に考えたいと思います。


以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!