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企業の『地域密着』ってなんだろう。

NewsPicksの「さるぼぼコイン」の記事を読んでいて、企業における「地域密着」の意義について改めて考えたいと思い、記事を書いてみる。

さるぼぼコインの発起人は信金

さるぼぼコインの取り組みは、てっきり行政主導だと思っていました。しかし記事を読んでみると、発起人は飛騨信用組合という、地場の信金らしい。

大変失礼な話、信金ってカブで地域の企業や家を回ってお茶を飲んで金貸しに奔走しているだけでしょ?と想像していました(改めて失礼)。

しかしその信金がさるぼぼコインの発起人だったというわけです。

(記事より)
今では多くのキャッシュレス決済で用いられる方式だが、実はこの方式を導入したのはさるぼぼコインが国内初。あのPayPayが参考にしたといわれる。
ユーザー約1万人のボリュームゾーンは意外なことに50代〜70代の女性だ。
1%のポイント還元がついていることもあって、ここ飛騨高山では中高年女性の決済手段として定着しつつある。

さるぼぼコインの地域効果

さるぼぼコインの地域効果は大きく分けると以下の通りに分けられます。

・地域経済への滞留(外国人・観光客向け)
・地域内でのお金の地産地消・消費促進
・キャッシュレス需要による新たな口座開設

・地域経済への滞留(外国人・観光客向け)
地域人口の約5倍にあたる年間50万人のインバウンド(訪日外国人)の消費喚起の課題解消のため、ローカルでは難しい「日本円」入手の代替策としてキャッシュレス(=さるぼぼコイン)を提供

・地域内でのお金の地産地消・消費促進
スーパー・ドラッグストア・ガソリンスタンドなどの日用使いはもちろん、お賽銭にまでキャッシュレスを導入。若年層からお年寄りまで使い勝手の良い場所にキャッシュレスを導入することで、地域内でお金の循環を進めた

・キャッシュレス需要による新たな口座開設
お店側はリクルートのAirpayのCMのように、インバウンド需要はキャッシュレスを導入しないと来店動機を左右することも考えられる。一方消費者にとっては便利なサービスは自然と広まる。結果、口座開設(=さるぼぼコイン)が増える、という構図となる

さるぼぼコインは高齢者も使っている

ここで気になるのは「なぜ高齢者もキャッシュレスを使用しているのか?」という疑問ではないかと思います。

ローカルでキャッシュレス導入提案を行うと、必ずと言っていいほど出てくる阻害が「キャッシュレスを使える人が少ないのではないか?」ということです。

しかしさるぼぼコインは高齢者こそ利用している。

しかし今回の高齢者利用の実例から考えるに、高齢者はリテラシーが低いからデジタルサービスを利用していないのではなく、単に使う機会を知らなかった・メリットがない(と思っていた)から使っていなかった、ということがわかります。

『地域密着』はつまりこうゆうこと

ローカル中小企業がよく使う言葉ナンバーワンであろう、「地域密着」。

しかし、地域密着とはどんな状態のことを差すのでしょうか?

・商圏範囲が狭いから地域密着なのか?
・顧客の元に足を運ぶことが地域密着なのか?
・昔から地元でやってるから地域密着なのか?

地域密着の意味はそれぞれ定義次第なので、これ!という決定語はないと思いますが、少なくとも、飛騨信用組合のような地場に根付き、貢献している会社のことを差すのだろうと思います。

本当の地域密着とは、地域の不を見つけ・課題解消し、利便性を高め、生活が豊かになる支援をすることだと思います。

さるぼぼコインも、マージンだけで儲けは出ないらしい。しかし地域の利便性を高めるためにやめるつもりない、という強い意志を持ち、取り組みを進めています。

地域密着とは、ローカル企業が執るべきブランディングの一つであり、企業が生き残るべき道なのだと強く感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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