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【マクアケ社長が語る、ビジョンの重要性】全社員で作り上げ、遺伝子レベルでビジョンが浸透する組織

株式会社マクアケには、全社員が共感し、大切にするビジョンがあります。

 生まれるべきものが生まれ
 広がるべきものが広がり
 残るべきものが残る世界の実現

これまでの組織づくりやカルチャーの醸成も、このビジョンをもとに行ってきました。結果として、社員一人ひとりのビジョン共感度がとても高く、社内でのビジョン浸透率も桁違いに高い状態が実現できています。ビジョンに共感しているからこそ仕事が楽しく感じられるし、難題にぶつかった際もビジョンと共に乗り越えられていて、すべての業務においてビジョンが指針になっている、そんな存在です。

マクアケ全社員がビジョンに熱狂し、やりがいを持って仕事に取り組んでいる環境づくりが評価され、2021年には「働きがいのある会社」(Great Place to Work®︎ Institute Japanが発表しているランキング)にも認定されました。

なぜマクアケでは、ビジョンがそこまで大切にされているのか。その理由を、中山代表取締役社長にお話しいただきました。


ビジョンが作られた経緯

マクアケを立ち上げたのは2013年で、設立当初からビジョンが言語化されていた訳ではありませんでした。以前は「世界をつなぎ、アタラシイを作る」という別の言葉をビジョンとして掲げていた時もありました。ですが、これはあくまで私たちのミッションを表す言葉として大切にするべきで、自分たちが目指す世界を表す言葉としては別の言葉が良いなと気づきました。ちょうど社員数が50名を超える頃で、社内でも考え方にズレを感じる場面が出てきていたんですね。

当時、自分たちのサービスジャンルとしてラベリングしていた「クラウドファンディング」という横文字が非常にキャッチーで、資金調達をするというhow/手段の部分に固執してしまっていたのです。社内だけでなく、実行者様にも「お金を集めるサイト」と認識されていたり、メディアで取り上げられる際も「資金調達」というタグラインで紹介されることが多かったり。自分たちが何を目指しているか理解してもらえず、もどかしさを感じていました。

このタイミングでビジョンの言語化が必要だと感じ、2019年4月1日に現在のビジョンを作り上げました。

全社員で作り上げたビジョン

社員全員の想いを集め、紡いでいく手法で行えばよいビジョンが生み出せると感じていたので、ビジョンづくりというプロセスを社内イベントにしました。外部のクリエイティブ会社に依頼し、全社員でのロングワークショップを実行。マクアケをどんな会社にし、その先にどんな社会を作り出すのか、それぞれが思い描いている絵を言葉にしていきました。全社員を巻き込んだのは、皆に愛されるビジョンにしたかったから。その後もビジョン策定のタスクフォースメンバーをアサインし、3ヶ月ほど議論を重ねて完成したのが現在のビジョンです。

優れたアイデアや素晴らしい技術がお蔵入りせずに世の中に広がる世界の実現、という、僕たちが誰にどんな価値を届けたいのかという部分を言語化することができました。先端技術を実用化したい、サステナブルな社会を実現したい、日本のものづくりを応援したい、地方の活性化をしたい、伝統技術や文化を守りたい、といった社員それぞれの想いが詰まったものになっていると思います。マクアケの持つ価値を社会に正しく伝えることができる言葉をビジョンとして定めたことで、社員全員が改めて同じ方向に進むことができ、事業スピードも加速しました。

スタートアップ企業のビジョンの中には、社長が思いついた言葉をビジョンにしているケースもあると思います。でも、マクアケの場合は皆が同じ絵に賛同して入社しているので、全員が頭で思い描いている絵を引っ張り出す作業をした方が、腹落ちすると思ったのです。ビジョンづくりを大袈裟にすればするほど、社員の中で大切な言葉になると信じていたので、ヒト・モノ・カネという総合リソースをかけて作りました。当時の私たちにとっては、チャレンジングなコストのかけ方でしたが、結果、発表した時のインパクトは相当大きかったので、投資して良かったと思っています。

採用基準にもビジョンを活用

採用時にもビジョンへの共感度を重視して選考を行っています。ビジョンへの共感というと、測りにくい部分もありますが、具体的に僕はその人の過去のジャッジメントを見ています。学生時代の活動や今までのキャリアについて、なぜそれを選んだのかという決断の背景を知ることで、その人の人生の方向性を確認しています。

その人の向かっていきたいベクトルがマクアケのビジョンと異なっていれば、どんなに優秀な方でも他の道を促します。「社長になりたい」とか「世界一のマーケターになりたい」とか、個人が目指すのはどんな姿でも正解だと思います。でも、その人が向かう方向がマクアケの向かう先とは違う場合、目指す姿に到達するまでの速度が格段に遅くなってしまう。逆に、ベクトルが合致した時の成長スピードは、優秀さをはるかに凌駕するんですね。人生のなかで同じ時間を費やすなら、自分が成長しやすい環境に行くのが一番だと思うので、ビジョンのすり合わせを大切にしています。

あらゆる場面でビジョンを社内浸透させる

社内でビジョンを浸透させるためには、言い続けることが一番だと思っています。ビジョン策定の1年後にまとめた「Makuake Standard(マクアケ スタンダード)」という我々のカルチャーと行動指針を言語化した7項目の中にも「私たちにはビジョンがある」という項目をわざわざ掲げています

また、社内のカルチャーを色濃くすることをミッションとするコーポレートカルチャー推進担当も設けており、評価制度への反映、マネージャーと新入社員とでMakuake Standardの項目について話す機会の設定、ベストカルチャー賞の選出など、さまざまな施策を導入してくれています。

社内の意思決定の場においても、ビジョンをもとに行っています。どんなに優れたアイデアでも、ビジョンに合っていなければ却下しますし、逆に合理的ではないかもしれないアイデアもビジョンにとって大切であれば採用します。一見するとそう映るかもしれないものでいうと、「Makuake Story Brand Fund(マクアケ ストーリーブランドファンド)」(※)が一つの例です。普通のファンドであれば、すぐにIPOできるかどうか、キャピタルゲインが早く大きく得られるかなどを重要視すると思いますが、私たちはそれが通常以上に長い時間かかるものだとしても、丁寧なものづくりや経営者の意志の強さなどを見て投資先を決めています。もし経営コンサルの方が見たら、怒られてしまう判断かもしれませんね。

※マクアケが毎年開催している、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」で誕生した象徴的なプロジェクトを表彰する「Makuake Award」を受賞した実行者の中で、希望者を対象に長期的な目線で投資を行う事業。

コロナ禍でも社員の熱量を保つ仕組み

コロナ禍では、リモートでなかなか社員同士が直接会えないからこそ、ビジョンやカルチャーを思い出す取り組みを積極的に行いました。これまでの倍以上の広さの会場を借り感染対策を徹底して行った社員総会は、コロナ禍で不安を抱える社員の心に火を灯した良い時間でした。また、毎朝の朝会も全社員オンライン参加で開催しています。朝会のコンテンツで、「この人のこんなところがリスペクト」を発表する時間を作るなど、他の社員が何を大切にしているのか、お互いに認識しあえるような場づくりがされています。

社内からも自発的にコミュニケーション推進・カルチャー推進のイベント(※)が企画されています。ビジョンを認識するだけでなく、大切にするための行動を皆が積極的に進める文化ができていますね。

※コロナ禍に入って、リモートで行われた社内WEB番組「幕ウラでダル絡み(ウラダル)」及び社内ラジオ番組「ウララジ」。社内コミュニケーションの活性化を実現している。

ビジョンのもと目指す、理想の組織

現在のビジョンの社内浸透度は100点に近いでしょう。役員だけでなく現場レベルの意思決定にもビジョンが反映されている、理想に近い状態です。一方で、ビジョンの達成度合いで言うとまだまだの状態。昨年(2021年)、海外展開支援事業となる「Makuake Global(マクアケグローバル)」を開始したものの、まだ日本以外の地域で十分価値を発揮できているわけではありません。貢献できていない産業も多くありますし、できていないことが山ほどあります。ビジョンに近づくことで見える景色もあると思うので、方法に固執しすぎず、自分たちらしく進化を遂げていきたいと思います。

今後はキャリアとビジョンのつながりに関して、社員個人のビジョンを把握し実現するためのより画期的な仕組みを作りたいですね。2021年4月にはOKRを導入し、チームごとに1年後、3年後になりたい姿を言語化し共有できるようにしました。

私自身も「バカ者飲み」という会を主催して、社員に自分のなりたい姿を伝えてもらう機会を設けています。「発明王になりたい」という社員には、スーパーテクノロジーを活用した商品開発部門の責任者を任せたり、「国境をなくしたい」と言っている社員には「Makuake Global」の責任者になってもらったり。ビジョンを伝えてくれた社員には、積極的にチャンスを与えています。社員の自己実現の先にビジョンの実現があると思うので、今後も各々の「なりたい姿」を吸い上げ、そのために必要なフィールドを提供したいと考えています。

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「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というビジョンに、自分のなりたい姿が少しでも重なると感じた方には、是非お話ししませんか?共感してくださった方はぜひ、下記URLより採用情報をご覧ください!

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インタビュー・執筆:内田薫子

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