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冷国化は寂しい。もっと愛の溢れる国になったら良いのにな。

昨年、フランシスコ教皇が日本でスピーチを行った際、「ゾンビの国」と言った。私たちが住む日本は、一人を好む人が多くて孤独化していると。なぜだろう、と考えるきっかけになった。

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89、『新訳 ヴェニスの商人 (角川文庫)』 シェイクスピア(著)

光文社古典文庫でも挑戦したが読めなくて、角川文庫を中学生の妹が読んでいたから負けずと読んでみた。キリスト教いついて知識が浅いからか、時々意味の分からない表現もあったが、解説をみながら読んだら面白く理解できた。
機知な女性ポーシャによって、シャイロックに借金をしたアントーニオは救われる。高貴なだけでなく教養と知性のある女性はカッコいい。

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90、『スノードーム』 アレックス シアラー(著)

光の減速機を開発するために研究室にこもっていたクリストファーが突然失踪する。なぜ失踪したのか手紙に語られている。
美術家であるエックマンは風貌が変わっていて、ずっと孤独だった。家族や愛というものを知らず、憧れが強く、その憧れが嫉妬や怒りへと変化していく。愛し方も受け取り方も分からない孤独な小人男エックマン。人間の心の奥底にある感情や、本当の愛とは何か考えさせられる。
自分の限られている時間をどう使うのか、愛する人々のために、自分が一番必要とされている場所、導かれる場所へいかなければならない。
米津玄師オススメらしい。

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91、『マチネの終わりに』 平野 啓一郎(著)

映画化されているし有名著書だからあまり読む気しなかったけど、耳だけで何かインプットできないかなと思って、オーディオブックで見つけた。
等倍速で14時間だから倍速で聴いたけど、明け方まで話の続きが気になって一気に聴いちゃった。
比喩の表現の仕方がすごく綺麗で、聴いていて心が綺麗になる感じがした。
クラシックギターリストと国際ジャーナリストの恋愛物語。バグダッド襲撃や湾岸戦争についても出てきて、今起きている世界情勢と重なるところがあった。人間の嫉妬や強欲さ、言葉のすれ違い、生と死、家族など色んな角度から描かれている。やっぱ、感じたことや考えていることは、直接、隠さずに相手に伝えるべきだなと思った。嫉妬っていう感情が一番めんどくさいな。

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92、『なぜ私たちは生きているのか:シュタイナー人智学とキリスト教神学の対話』 佐藤 優(著), 高橋 巖(著)

著書2人による対話形式で、どういった思考を持って生きていくべきか考えることができる。哲学を知ろうとすると、宗教や文化の理解が必要になってくることに気付いた。どんどん深くなっていくと、人間の奥深いところまで知っていくような感じがして面白いけど、なんとなく怖くもなってくる。

「時間と空間が溶ける」ことを体感していく。目に見えないものにどうやって触れるのかを考える。物質空間は時計で表されるが、内面の空間(時間が早く感じたり)はどうやって表現される?
これはドラマや小説の芸術の中でが体験できる。言葉と定義で表現しなければ他者には理解してもらえない。

「愛」について
日本では愛が、社会ではなく家庭という狭い空間に閉じ込められている。日本人は愛というと愛着や、性愛、いわゆるセックスを思い浮かべるため、表立って語るのが苦手。

しかし、ギリシア語では愛について3つに分けられる。

エロース:恋愛、自分に欠いているものを愛する
フィリア:友情、互いに尊重しあう
アガペー:一方的な愛情、神への愛情

日本人には「フィリア」という考え方がない。だから外国人のように豊かな愛情表現がなく、人と人の間に壁を感じるのか。と納得した。

相手のことを思いやる気持ち、わかる気持ちがあれば、そこには既に「愛」が生まれているのではないか。もっと愛情表現の豊かな国になったらいいのにな。

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無信仰で生きてきた私にとって、キリスト教やカトリック教の考え方について興味を持つことがなかった。様々な哲学を知ろうとすると必ずと言って良いほど、聖書の言葉や人物が登場する。

人生において悩んだ時、祈りたい時、私はいつも誰に向けて祈っていたのだろうか。神?仏?先祖?今までこんなこと考えることもなかった。

そんなことを考えていたら、年明けの初詣やおみくじなどをやる意味が分からなくなった。信仰も全て人それぞれだし、自由だけど、やっぱり世間の流れに合わせているのは、しんどくなる。

誰かがつくった組織的な集団から逃げて、孤独になってしまうのは人生においてもったいないのかもしれない。

もっと人間らしく、人と人とがお互いに愛を持って、感動しあえる世界になっていったら幸せなのに。


MAKO

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