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夢を殺す鬼の話。

「どーせむり」この言葉は凶器だ。
「どーせむり」この言葉は失望の引き金。
「どーせむり」この言葉は諦めの引き金。
「どーせむり」この言葉は戦争の引き金。
「どーせむり」この言葉は殺夢鬼の始まりだ。

「どーせむり」私はこの言葉に殺されかけました。

高校生の時、私にとっての学校は夢を奪う場所でした。
学校に来い、土活に出ろ、課外にでろ、講習に出ろ、無駄なことするな、迷惑かけるな、

「まじで先生ってクソだな」

これが私の素直な気持ちでした。
先生嫌い、学校嫌い、大人嫌い。こんな高校2・3年生でした。
※土活:土曜活用、土曜日に行う課外授業の通称。

やりたいことを奪うところなのか、学校は。
うちらがやりたいことを応援なんてしてくれないのか、先生は。
学校に縛り付けるのが教育なのか。
国公立に行かせたいだけなんじゃないのか。
進学率100%と謳うがためだけのコマなんじゃないのか。
私はこう思っていました。
でも、そう私に思わせるほどに、私を応援してくれる大人は学校にはいませんでした。
だからどんどん嫌いになりまた。
それと同時に、学外のイベントとかサミットとかいろんなお誘いを受けたのでたくさん外に出ました。
土活を休んで東京に行っていました。
そこでは夢がある大人にたくさん出会いました。目が輝いている大人たちに。
それを見て、余計に学校の先生が嫌いになりました。
あの人たちは何を楽しみに生きているんだろう?
なんで先生をやっているんだろう?
先生たちの夢ってなんなんだろう?
そう考えました。
それと同時に気づきました。
先生って一番身近にいる大人で、尚且、「先生になる」っていう夢を叶えたすっごい大人だということに。
なのに最高にもったいない。うちら学生を一番応援することができる大人のはずなのに、なんで?そう思っていました。

もう私の心はクソほどにひん曲がってました。
現代文の授業中に「先生の言うことがすべて正解ではないと思います。」と手を挙げて言ったことがあった。
これはすごく覚えてるが、先生が嫌いで言ったのではなくて、他の学生に気付いて欲しくて言った言葉だった。
・自分のことはもっと自分で決めろ。
・もっともっと自分の夢を貫き通せ。
・進路だって先生の言う通りにしなくたっていい。
・アドバイスに従わなくたっていい。
・E判定だろうとどうしてもうけたいと言ってもいい。
それを知って欲しかった。
だからわざわざ授業中に言った。たぶん誰にもこの意図は伝わっていなかったと思う。
高校生の私にはこんな子どもみたいな方法しか思いつかなかった。ごめんなさい。

高校3年の夏、学校にNHKの制作会社さんから連絡があった。
「防災の番組を撮るから、佐々木真琴さんに出て欲しい。」と。
いろんなご縁があって、防災をやりたいと5月に東京でプレゼンをした。これはそこから繋がったお話だったと思う。

そして私は担任に呼ばれた。
「お前にこんな話が来てる、どうする?」
その話を聞いた瞬間、真琴の中で答えはでた。私が答えを出したと同時に先生は話を続けた。
「俺はオススメしない。高校三年の夏休みだぞ。夏期講習ほとんど出れないぞ。」
「はい、きた。また学校に鎖でつなぐ気か。」そう思った。
後日、「この依頼を受けます。」と言いに行った。
担任は、私のことを応援してなのか、1年くらい私のわがままを見ての諦めなのか、
「高校三年の夏期講習を休むということが、受験にどれほどのリスクがあるかどうかを分かった上で決めたなら俺は何も言わない。」と言ってくれた。いい担任だなと思った。
そのすぐ後に、「佐々木真琴は校長室に来なさい」と校長先生に呼ばれた。
そこで、行くなという趣旨の話をされた。詳しい言葉などは思えていないが、私はその空間がとっても嫌だったのを覚えている。
「やっぱりか、これが鎖か。」と、もうだるくなって諦めようかと思った。
でもやっぱり諦めきれなかった。
「夏期講習に行くより、この撮影に行くことのほうが、真琴の今後の人生にとって大事だと思います。今行かなかったら、絶対に後悔します!」と押し切った。
今考えてもこの判断は英断だった。
なぜなら、この出来事から5年後、私はこの撮影で出会った師匠と一緒に働くことになるのだから。

チャンスは自分で掴むものだ。
それは誰にも奪われてはいけないものだ。

たぶん校長先生は私のことを相当嫌いだったと思う。
この出来事の前にも相当迷惑をかけたというのもあるが。

でも、やっぱり校長先生。私の進路のことを案じてのアドバイスだったとするならば、もちろんありがたいことであるが、100%そうは言えない。
今後、先生になる人が今これを読んでいるのであるならば、知っておいて欲しい。
言い方によっては、
その人の将来の夢を奪ってしまう言葉になってしまうということを。

誰もがあの時の私みたいに、反抗できるわけではない。行きたいのに諦めて、後悔してしまうかもしれない。
そんなもったいないことにありかよと思う。
先生たちは、学校は、生徒の「やりたい」と思った気持ちにブレーキをかけすぎなんじゃないの?と思う。
(みんなもちょっと言われた、怒られたくらいで引きさがんなよ、そんなもんかよと思ってしまうところもあるが、今日は触れない。)

でも、こんなにも学校でやさぐれていた私を救ってくれた大人は幸いにもたくさんいた。
みやっこベースの早川さんはじめとするスタッフの大人たち。
TOMODACHIやAshokaなど東京や他の地域であった矢部さんはじめとする色んなキャリアをもつ大人たち。
防災をやりたいという私を全力でサポートしてくれた永田さん始め、プラスアーツの大人たち。

私は恵まれていた。たくさんたくさん支えれていたんだなと実感した。
私を支えてくれた大人のみなさんありがとうございました。

彼らは最高の応援力を持つ大人です。
これは心から言えます。

さて、なんでこんなことを書いているのかと言うと、植松努さんのTED Talkをついさっき見たからです。
友達にすごく勧められてみた後、もう書きたくて仕方がなくなりました。
もう、見ながらめっちゃ涙が出た。
誰も応援してくれないことの辛さを思い出して涙。
スピーカーの夢を奪いかけた先生に憤りを感じて涙。
今この世界にも、「お前なんかに」「そんなデカいことできっこない」と言われている人がもう数え切れないほどいるだろうと思って悲しくて涙。

だからね、真琴は言いたい。
「どーせむり」なんてない。
人はなんだってできる。絶対に。


Nothing can be done, without hope and confidence.
希望と自信がなければ、何もできません。

byヘレンケラー

でもね、希望と自信がないと何もできないんだって。
だから、希望と自信だけは奪っちゃいけないんです。

私たちには誰一人として、夢を奪っていい権利なんてない。
そしてそれは自分も然り。
「自分なんかにできるわけない」と思った時点で、
自分で自分の夢を奪ってしまっている。
「お前なんかにできるわけない」と言った時点で、
あなたは殺夢鬼になってしまっている。

こんな悲しい世界楽しくない。
もっともっと夢を応援する世界でありたい。

だから真琴にあなたの夢を応援させてください。

希望も、自信もなくしそうになったら、言って。
「あなたならできるよ!」って何度だって言ってあげるから。

佐々木真琴


先まわりしてここでもお礼述べておきます。ありがとう。Grazie mille!!