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最終プレゼンに向けたブラッシュアップ①

神奈川県立綾瀬高校で行われてきた「総合的な探究の時間」。産業用ヒーター製造の株式会社スリーハイ(横浜市)が全面的に授業協力を行い、社内で抱える経営課題を高校生に解決してもらおうという取り組みです。2023年11月末から半年という長期間をかけて取り組んできた授業も、2024年6月の最終プレゼンに向けて大詰め。綾瀬高校普通科に通う生徒さん323名は、どのようなプレゼンをしてくれるのでしょうか?

第11回授業「アイデア修正シート」を活用して提案書をブラッシュアップ

2024年5月2日の授業は、提案書に対するスリーハイからのフィードバックを受けた生徒たちが「アイデア修正シート」を活用、これまでの成果をまとめるという授業でした。5月ということで、綾瀬高校の玄関先には 「アヤせみ (綾瀬市の鳥「カワセミ」からイメージされた綾瀬高校イメージキャラクター)」とこいのぼりがお出迎え。

綾瀬高校職員の方がいつも可愛らしくディスプレイされているので、
毎回授業に伺うのが楽しみです!

9つある教室では先生方による丁寧な指導で、提案書のブラッシュアップ授業が行われました。

2024年6月20日の最終プレゼンは、社内コンペのつもりで頑張って欲しい。
先生方も「採用されるようにプレゼンする!!」と板書してくださっていた!!!
「教室に訪れると、みんなフレンドリーに接してくれるのが嬉しいですね。」
生徒たちの提案一つひとつにコメントを入れてくださる先生も。
「熱意に頭が下がります。」

「総合的な探究の時間」新井先生よりひとこと

具体的に成果物がある部署の方が取り組みやすい様子。

「ここにきてアウトプットの仕方が異なる部署間で、時間の使い方に工夫が必要だと感じました。取引先に対する営業誌を作る『営業部』や高校生が就職したくなる会社案内の制作をする『人事部』は、レイアウトや資料を作るというわかりやすい成果物があるので、形にしやすい

営業誌「スリーハイだより」もうだいぶ形になっている⁈


対して魅力的な昼礼を考える『経営企画部』は動画を使ったプレゼン資料を作るなど、ちょっと難しそうです。ほかにも廃材を使ったイベントを考える『広報部』は、少し時間を持て余してしまっているように見えました。ただもっと苦戦するかと思っていた新商品を考える『商品開発部』が善戦しているとも感じています。

可愛い絵を描いて新商品イメージを表現するグループも。
「自由な発想がいいですね。」

一方、同じ部署でも男女間でディスカッションが進んでいない班があるなど、授業開始当初から継続して感じていた課題が未だ残っているなと感じています。またもっと『社内プレゼンに勝つぞ』というようなやる気の喚起も必要ではないか…と思っています。6月20日の最終プレゼンまで『総探』の授業は残り3時間となりますが、担当教諭とも協議し、より良いアウトプットを目指していきます。」

NPO法人SoELa郷原さんよりひとこと

「新井先生のおっしゃること(男女やグループのメンバーによりコミュニケーションがうまくいかない)は、実はよくあることです。他校での事例を挙げると、1年間の『総探』の授業の中で、3回ほどチームビルディングの講座を取り入れる学校もありました。これはチームワークを深めるためにどうしたらいいか、建設的なコミュニケーションの取り方、などを学ぶ講座です。

付箋にプラスαの意見を書いて、提案書をさらにブラッシュアップする生徒さんも。

担当部署によって時間配分がうまくいかない事例についても実は当然で、時間が余るような部署はプレゼン精度を高める取り組みをするといいでしょう。その際大切なのは『そもそもの提案の土台』を否定しないこと。もう授業も終盤なので『ここをこうした方が、もっと良くなるのではないか』というポジティブフィードバックを行うのがおすすめです。」

生徒さんたちはGoogleスライドを使って最終プレゼンに臨みます。


株式会社スリーハイ代表・男澤よりひとこと

「生徒さんたちがみんなフレンドリーなので、心がつながってるなあと思います。」

「教室を回ってみて思ったのは、受ける質問が以前に比べて具体的になったことでした。廃材を使ったイベントの企画を考えている部署では『予算はどのくらいを考えていますか?』という質問があったし、商品開発を考えている部署では『こういった製品を考えているが、布地を使うので耐熱温度は何度くらいのものを用意したらいいですか?』などの質問がありました。以前はそんな具体的な質問は出ていなかったので、より深く考えてくれているなと思いました。また来るたびに生徒さんたちが友達みたいに気軽に話しかけてくれるのが嬉しいですね。」

「大事なことは弊社のアニュアルレポート『OMOU』に書いてありますので、
わからないことがあれば、いつでも教科書のように見直してみてください!」
仕事の仕方や弊社の目指す未来、ビジョン、売上などさまざまな情報が記載されています。

授業後、応接室で打ち合わせをしていると1年生の総合的な探究の時間の授業を終えた飴細工職人の『蜜咲ばぅ』さんがいらっしゃいました。ばぅさんはテレビ出演されたり、海外での飴細工披露もされている飴細工アーティスト。

今日はなんとスリーハイに、可愛い飴細工のお土産をくれました!こんな可愛い飴細工をたった3分で作ってしまうなんて、本当に凄腕です。

いただいた飴細工は、ワンちゃんとコアラでした。ばぅさんありがとうございます!

来週は校外学習を挟むので、次回授業は5月16日となります。

これまでの授業と全体の流れ


◆第1回〜第3回
探究学習全体の概要説明やマーケティング基礎など
◆第4回
スリーハイ担当社員5名が各部署にて詳しい説明実施
◆第5回
各班で他社事例などをまとめる「現状把握」
◆第6回
ワールド・カフェで「現状把握」のアイディアを拡散
◆第7回
KJ法で実現可能なアイディアに落とし込む
◆第8回
高校生が自ら考え自らの独創性を発揮できる時代へ!
◆第9回目
高校生たちがいよいよ課題解決の提案書を提出
◆第10回目
提案→実現に向けた企業フィードバック【その1】【その2】

過去記事一覧

◆第1回目(2023年11月27日)登壇者:NPO法人SoELa岡部さん、株式会社スリーハイ代表男澤

◆第2回目(2023年12月11日)
登壇者:株式会社スリーハイ代表男澤

◆第3回目(2023年12月18日)
マーケティング講座(オンラインのためレポートなし)

◆第4回目(2024年1月15日)
株式会社スリーハイ担当社員が5名来校し現状把握


◆第5回目(2024年1月22日)
生徒と先生による現状把握

◆第6回目(2024年1月29日)
ワールドカフェでアイディアの発散

◆第7回目(2024年2月26日)
KJ法によるアイデアの収束

◆第8回目(2024年3月11日)
高校生が自ら考え自らの独創性を発揮できる時代へ!

◆第9回目(2024年3月18日)
高校生たちがいよいよ課題解決の提案書を提出

◆第10回目
提案→実現に向けた企業フィードバック【その1】【その2】
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神奈川県立綾瀬高等学校

株式会社スリーハイ


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