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ステークホルダー・エンゲージメントを高める取り組み~こどもまち探検を見学

こんにちは!神奈川大学経営学部2年の河村です。今回私たちは、6月11日に横浜市立山田小学校3年生の皆さんと行われた工場見学「こどもまち探検」に同行しました。

ちょうど6月20日に、タウンニュース都筑区版でスリーハイさんのSDGs活動について掲載されています!

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「こどもまち探検」とは?

こどもまち探検とは、東山田地区の子どもたちに向けて2013年から始まった 東山田準工業地域の工場見学の取り組みです。

この取り組みは毎年行われており、「地域の子どもたちに、ものづくりの魅力を知ってほしい。 この地域で働く大人たちの姿を知ってほしい。 そして自分たちの夢を広げてほしい。 」といった大人たちの思いが込められています。 

横浜市都筑区東山田の準工業地域には、70ほどの工場が集まっています。

工場と住宅が混ざり合う準工業地域では、お互いの顔が見えずにトラブルが起こることも多いため、双方が安心して活動、生活ができるように 地域での関わり合いが重要視されています。

今回のこどもまち探検への参加は、私たちにとって東山田地区に住む方々や実際に準工業地域で働く方々について知ることの出来る貴重な機会であり、ステークホルダーエンゲージメントの企画を考える上でも非常に学ぶことの多い経験となりました。

まち探検へ出発!

まず初めに、こどもまち探検のルート確認と注意事項などの説明を受けました。

ルートの確認では東山田準工地域の防災マップが使われ、「この地域だけでこんなに沢山の工場があるの!?」と工場の種類と数の多さにとても驚きました。

神奈川県横浜市都筑区東山田4丁目 東山田準工地域防災マップ 2013年版
このマップは都筑区内の中学生のボランティア活動で作成されたそうです
こどもたちに説明するスリーハイの男澤社長(左)

 ついに子どもたちと対面

 横浜市立山田小学校3年生の皆さんがやってきました。子どもたちは朝から元気いっぱいで、賑やかな雰囲気でスタートを切りました。

工場見学の開始前に男澤社長から子どもたちに挨拶があり、男澤社長の問いかけに子どもたちは大きな声で元気いっぱいに返事をしていました。子どもたちのまち探検に対するやる気と期待感が伝わってきました!

どの質問にも全力で答える子どもたちでしたが、注意事項の説明が始まると一転して静かになり、ピシッと姿勢を正して真剣に話を聞いていました。

工場の中には危険な道具や機械もたくさんあります。そのようななかで子どもたちを受け入れるには、子どもたちにも見学ルールを守ってもらうことが必要です。同時に、私たち大人もしっかり子どもたちを見守っているからこそ、「こどもまち探検」は10年以上続いているんですね。

こどもまち探検スタート!

スタッフは専用のベストをきて、こどもたちの安全を守ります

私たちは後ろから来る車を知らせたり、列を整えたりして子どもたちの安全をサポートしています。

道を歩いていると、工場で働く方々の何人かとすれ違いました。その際にすれ違った方の全員が、「おはようございます」と笑顔で挨拶をしてくださいました。普段から工場同士でコミュニケーションがされているからこその出来事ではないでしょうか。

私は日頃、地域の方とそのようなコミュニケーションをとる機会がないので、とても新鮮で嬉しい気持ちになり、東山田の地域の人々の温かさを感じました。

株式会社スリーハイ

スリーハイでの工場見学の様子

  株式会社スリーハイは産業用ヒーターの製造・販売を行っています。

「どんな種類のヒーターがあるのか、どのような所に使われているのか」クイズや体験を通して、楽しく・面白く・分かりやすく教えていただきました。

スリーハイの主力商品、シリコンラバーヒーター
ヒータークイズで子どもたちに楽しくヒーターについて解説
スリーハイ製品の一つである断熱材ジャケットをきた、ペンギンのぬいぐるみ。触るとなかにあるヒーターがあたたかく、子どもたちが喜んで触っていました!

 ヒータークイズはなかなか答えを予想するのが難しい問題もありました。その中から一つ紹介させていただきます!

 Q ガソリンスタンドでヒーターが使われているのはどこでしょう
1.お金を入れるところ
2.ガソリンを入れるノズル
3.ガソリンスタンドの看板

 答えは・・・

1番です!!

機械のお金を入れるところが冷たい状態だとお金を入れても反応せずにそのまま下に落ちてきてしまうことがあるそうです。

答えが2番だと思っていた私は、子どもたちと一緒に思わず「えーっ!」と言ってしまいました。

 他にもヒーターは身の回りのあらゆるところで使われており、私たちの生活を支える重要な役割を担っていることが分かりました。

 質問タイムでは、「一番不思議な形のヒーターはどんなものか」「スリーハイのヒーターの特殊な使われ方」「一番小さいヒーターはどのくらいの大きさか」などといった質問が多く寄せられました。

株式会社フジプロテック

株式会社フジプロテック 外観

 次に伺ったのは、株式会社フジプロテックです

株式会社フジプロテックは精密板金、製缶加工、機械加工、およびレーザー加工などの金属加工業を行っています。

初めに、金属を切断する機械についてお話を伺いました。中でも盛り上がったのは機械の値段についてです。

写真右奥:子どもたちに金属を切断する機械について説明する、フジプロテックさん

 「この機械はいくらするでしょうか!」という質問に子供たちが値段を予想して発言していきます

 2億円、3億円という意見や500万円から1000万円という意見まで幅広い値段が予想されました。

私は「さすがに2億円や3億円はかからないだろう」と予想していたのですが、正解が2億円であると発表されて、とても驚きました!

 説明の後は、金属を実際に切断するところを一緒に見学しました。

金属が切断されるのを見た子どもたちは「すごい!」「花火みたい!」という感想を口にしていました

金属を曲げる機械を見学している様子 1500tもの力がかかる機械もあるそうです

 曲げられた金属を触らせてもらうこともでき、中には、自分の手で金属を曲げるチャレンジをし、改めて機械のすごさを体感する子もいました。

質問タイムでは、「曲げた金属の板を何に使うのか」「東山田以外にフジプロテックの工場はあるか」「フジプロテックで作られた身近な製品は何か」などといった、「よくみているな〜」と大人も関心してしまう質問が寄せられました。

私は積極的に質問していく子どもたちの姿を見て、自分たちもその姿勢を見習うべきだと感じました。

エリアマップ見学

子どもたちに東山田のエリアマップを解説する、スリーハイの男澤社長

 2社の工場見学が終わった後、男澤社長から東山田準工地域のエリアマップについて説明がありました。

このマップの作成には、横浜市立山田小学校の近隣にある横浜市立東山田小学校の先輩方が参加していたという話があり、子どもたちは驚いていました。 

Zoom打ち合わせ

横浜市立山田小学校の皆さんと解散した後は、今後のスケジュールの確認・調整と企画内容の検討について、スリーハイ経営企画室長の徳江さんとのZoom打ち合わせがありました。

スリーハイさんとの打ち合わせの様子・・・実は、イベントまでけっこう日がない!?

 打ち合わせでは、スケジュールの見直しが行われ、当初の予定よりも早めに企画を絞ることになりました。

スリーハイさんと行うプロジェクトは企画を一から考えて形にしていくので、見通しを持って活動しないとイベントに間に合わなくなってしまいます。

ですので、今までは、やってみたいと思うアイデアを浮かんだ通りに提案していましたが、これからは「実行できるか現実的に考える」ことがポイントになります。

現実的に考えるためには、企画に関わる情報を集め、調べて、出来るかどうかを見極める必要があります。

 次回の打ち合わせではグループで話し合って決めた企画の発表を行います。次回までに話し合いを重ね、全員が自信を持って提案出来るような良い企画にまとめていきたいと思います!

男澤より〜こどもまち探検は本業にもつながる取り組み

神奈川大学のみなさん、こどもまち探検お疲れ様でした。ここから、私・男澤からも補足をします。

このこどもまち探検は2013年から10年以上続いている取り組みです。

私は中小企業の経営者と話すときに、こどもまち探検を始めとした地域貢献活動について「地域貢献活動をして、売上につながるの?」「本業で忙しいから、こんなにできないけど、スリーハイさんはなんでできるの?」という質問を時々受けます。

こどもまち探検は、地域の子どもたちにものづくりの魅力を知ってもらいたい、地域の親たちに工場のことを知ってほしい・・・という思いから始めています。

一見本業に関係ない取り組みのように見えますが、回り回ってスリーハイの経営にもよい効果がでているんです。

たとえば、今回見学コースにご協力いただいたフジプロテックさん。スリーハイとフジプロテックは歩いて数分の距離にあるにもかかわらず、実はこのこどもまち探検で関わりが始まるまで、お互い話したことも、会ったこともなかったんです。

こどもまち探検の取り組みを続けるなかで両者間で関係性が深まり、今ではスリーハイから一部の仕事をお願いするようになりました。

特に急ぎの納品が必要なときに大変助かっているんです。頼んだ部品が完成したら、すぐ走って取りにいけますからね!

野菜だと「地産地消」が話題になりますが、ものづくり工場も「地産地消」。せっかく同じ東山田エリアでものづくりに取り組んでいるので、これからも連携を深めて、お互いのお客様に価値ある製品を提供できるようにしていきたいと思っています。

これらの取り組みの積み重ねが、結果的に、売上や利益増加につながるとスリーハイでは考えています。

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