AIに負けない人材とは?〜『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んで
▼タイトル/作者
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 / 新井紀子 さん
▼読了までにかかったおおよその時間
4h
▼この本の簡単な紹介
「人工知能は東大に合格できるのか?」を確かめるべく作られた人工知能「東ロボくん」。東ロボくんを我が子のように育ててきた数学者が、日本や世界の未来に危機感を持って出版した本。
「AIに仕事を奪われる」「2045年にはシンギュラリティが到来する」というけど、「そもそもAIは何ができて何ができないのか?」「そんな人間はAIができない仕事をできるのか」と行った様々な角度から問いを与えてくれる1冊。
▼こんな方にオススメ
・子どもの将来が不安。
・AIに負けない人材にどんな特徴があるか知りたい。
・教育者で今の教育に課題を感じている。
・教育の観点で、これからの日本の未来に危機感がある。
▼響いた言葉
・「AIが神になる?」ーなりません。 「AIが人類を滅ぼす?」ー滅ぼしません。 「シンギュラリティが到来する?」ー到来しません。 p001
・「どうすれば、東ロボくんに負けた80%の子どもたちに明るい未来を提供できるのか。そのことと真剣に向き合わなければいけない」、そう決意しました。 p062
・AIは結局は数学的な処理しかできない。AIはロマンではない。
→「私はあなたが好きだ」と「私はカレーライスが好きだ」の本質的な意味の違いを数学的に表現することのハードルは非常に高い。よって、AIには一定の限度がある。 p119
・「残る仕事」の共通項は、 "高度な読解力・常識・人間らしい柔軟な判断"
→求められるのは「意味を理解する人材」 p171
▼気づき
◎日本ではAIのことをよくわかっていないあまりに、大きな誤解が生じている
結果として、近未来には人間の仕事全てがAIに代替されるという誤解が生じてしまっている。
他にも「ディープラーニングは人間の脳を模倣しているのだから、いつかは人間と同じように判断できるようになる」という誤解がある。実際には、「人間の脳の模倣」ではなく、「脳を模倣した数理モデル」である。つまり、突き詰めると、AIのやれることは「数理モデルに基づいた計算のみ」なのである。
◎メディアの情報を鵜呑みにする危険性を再認識した
上記の説明(数理モデルでしかない)はおそらくテレビ受けしない。だからこそ、「AIはいつか人類を滅ぼす」のようなキャッチーでセンセーショナルな目を引く発言が使われてしまうことがあるのではないだろうか。
◎新技術が仕事を奪ってきた歴史がある。ただ今回は物が違うぜ。(働く人々の半数が仕事を失う可能性がある)
昔はあって今はなくなっているものとして、以下のような仕事がある。
-「目覚まし時計」ができる前のヨーロッパでは「目覚ましの仕事」
-長時間労働の工場で、工員さんたちに「娯楽小説を読んで聞かせる仕事」
-タイプライターを用いたタイピスト
-切符を切ってくれる駅員さん(今はほとんど自動改札)
これらの例を挙げ出せばキリがない。つまり、いつでもそうやって新しい技術により不要となった仕事はある。ただ、今回はその失われる仕事の範囲があまりにも違いすぎるとのこと。(AIが代替できる範囲が広く、汎用性が高いため)
◎読書に関するブログは一定のニーズがありそう
これからの時代は「自らの頭で考えることができる人」の市場価値が高まると本書を読んで感じた。今の中高生は、それ以前の「教科書の文章を正確に読むことができない」割合が多すぎる。だからこそ、読書はしたいけど、何からどうしたらいいかわからないという人のための優しいブログを作りたいと思った。
▼感想
小学生の「読書習慣」と「文章読解力」に相関がなかったのはとても意外でした。
ただ、本書を読んだことで「読書のニーズ」はこれから絶対に増えてくると思いました。今後も「自分自身」のためにも、「読書したいけど何から読もうと悩んでいる方」のためにも、読書のアウトプットは今後もしていきたい。
▼まとめ
「自らの頭で考える人」の市場価値がこれから高まる。また、文章を正確に読めて、理解できて、伝達できる人も同じく。
これからよりITの進歩が見込まれるからこそ、読書は大事だと私は思う。その意味で、読書ブログを書けることはとても幸せなことのように思えてきた。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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