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ウクライナ問題でロシアに対して私達が誤解していると思われること

1.プーチンは独裁者で国民から嫌われている
 スターリンとプーチンを重ね合わせて評する人が特に素人のSNSの書き込みで多くみられますが、まったく違います。プーチンを引き下ろしたいアメリカの研究でもプーチンは民主的な選挙で選ばれた愛国心強い人物で、国民のために政治を行っており、常に支持率が高く通常の方法ではプーチンを失脚させることは不可能だという結果が出ています。
現在、マスメディアで報道されるプーチンに関する精神や健康状態、国民の支持、離反者などの情報はすべてのその逆で国際世論から少しでもロシアを揺るがそうという情報戦略にほかなりません。
 たとえば、プーチンに反逆して辞めたり、辞めさせられたりしている人もいてマスコミはすぐにそれを取り上げますが、それはどこの国でもあることであり、不正や汚職を許さないプーチンの厳しい姿勢によるもので全体の支持率に影響を与えるものではありません。
 またそもそも独裁国家が国民にとって悪いものであるという考えも私たちが植え付けられた先入観によるものです。アメリカがある国を滅ぼして自分の配下に敷きたい場合、その国の独裁者を倒して民主主義を守ろうという名目を常に使ってきました。ところが民主化される前の方が幸せだったという国民の声は決して少なくないのです。独裁が悪いのではなくその独裁者がどのような政治を行うかによるでしょう。とはいえプーチンは国民の支持を得て選ばれており独裁者ではありません。

2.ロシアは共産主義で自由がない
 ソ連が崩壊してロシアは自由主義国家になりました。大統領は選挙で選ばれ、経済産業も自由化されました。人々は西の文化も取り入れ、インターネットで情報も自由に見ることができます。

3.ロシアは冷たく恐ろしい国である
 国家保安委員会(KGB)や傭兵組織ワグネルなど謎が多く、闇を感じる人が多いようですが、それはロシアに限らず、アメリカでもイギリスでもその他の国、どこでも諜報機関や傭兵を抱えており、特別なことではありません。

(民間人に偽装した英米の特殊部隊がウクライナでロシア軍の活動を妨害中、秘密作戦の指揮を執っているのは米CIA)

ただそれらの組織の行為に対する世間の評価において、メディアを通しロシアのやったことは悪いこと、西側がやったことは良いこと、あるいはなかったことにされているだけかも知れません。それぞれのドキュメンタリーの作り方も印象操作、実に巧妙です。政権反対者の暗殺についても確実な犯人の証拠が無いにも関わらず、ロシアがやったこととして受け止められていますが、こういう行為をするのはアメリカやイギリスでも同じ。またはもしかしてロシアがやったことにして反ロシア勢力がやった可能性だって拭いきれません。いやむしろ西側の諜報機関がそういうことをやっても不思議ではないくらい過去の明らかにされた事件からも推測できるのです。ロシアにとっては反対派の一人や二人、活動したからといって支持率がこれだけ高い政権が揺るがされることはないと思いますが、ロシアが言論を弾圧するために暗殺まで行っているというニュースを流せば国際世論はロシアに対するイメージを一気に悪くすることができるからです。ロシア犯人説を否定するものではありません。犯人が確定していない以上、様々な可能性が考えられるのに、一つだけの可能性でしか見えてないことが問題ではないかということです。
 なお、現在KGBはソ連崩壊と同時に解体され存在しません。代わりに連邦保安庁(FSB)がその働きを受け継いでいますが、もしそれが本当に反対者をすべて抹殺するような機関なら、1.に挙げたような政権に対する批判をすることは怖くてなかなかできないことでしょう。逆に、そういうことはないことを知っているからこそ批判していると考えられます。怖いのはどちらでしょう?そういう人の命がまた狙われるとしたら一体どちらからなのか。

4.ロシアの兵力や士気は衰えておりウクライナに負けるかも知れない
 今回の特別軍事作戦で投入されたロシア軍は全体から見ればほんの一部で、精鋭部隊は温存されたままです。それでも旧式の武器と統率の取れていないウクライナ軍とは質が異なり軍事作戦の目的は支障なくたんたんと推し進められています。もちろんロシア軍も犠牲者、被害も出ていますが、それはウクライナの民間人を守り、建物にもなるべく被害を出さないように配慮しているからであり、時間がかかっているのはそのためです。本気で空爆、無差別攻撃を行えばキエフの町は今頃、焼け野原、焦土と化し、鉄道やインフラもすべて止まっていたことでしょう。常識的に考えればわかることをメディアの印象操作で「ウクライナ軍が頑張っている、ロシア軍は苦戦して撤退している」などといった嘘に騙されているのです。たまに西側が提供した最新兵器などでロシア軍が被害を受けているのも確かですが、もしそれを続けるならロシアは予期せぬ事態が起きると脅しており、それは西側が迎撃不可能なロシアの最新ミサイルの攻撃を意味しているのです。

5.経済制裁は効果を発している
 ロシア革命やソ連崩壊、そしてその後も西側から経済制裁や石油価格の暴落など何度も困難を乗り越えてきているロシア人はとても強く、今回の経済制裁も、経済制裁をした側が受ける打撃に比べると小さなものです。影響が微々たるものとは言い過ぎですが、贅沢な暮らしに慣れた西側の人間に比べるとエネルギーは豊富ですし、農業畜産を営み自給自足、国内の産物だけで食料を賄えるので国民が餓死の危機に瀕したり、それによって政権への暴動が起きるというようなことはないのです。それより自分の足元を見た方が良いでしょう。これから日本は大変な危機に陥る可能性が高いと言われています。

このようなことを書くと私がロシアに雇われた記者だと言われてもいます。
あくまでも中立客観的に、今まで滲み込まされてきたアメリカによる先入観を拭い去ってニュートラルな目で見ようとしているだけなのですが、このアメリカの情報戦略がよほど功を奏しているのでしょう。
どんな証拠を見せても頑ななまでにそれはロシアのプロパガンダだと言って受け付けてくれません。
そのことで日本がどんな目に遭うか、気がついてからでは遅いということになりませんように。

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