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「怖い」人

 これまでの福祉職として利用者や職員と接していく中で、色々な人に出会いました。

 その中でも、今回は「怖い」人について書いてみたいと思います。「怖い」と言っても色んな捉え方があります。

(1)見た目が「怖い」人

 「強面」と言うかもしれませんが、本人は「怒っている」とかそんな気はありません。もしかしたら「緊張している」だけかもしれません。顔つきだけでなく、服装も、寄り付きにくくなっているけれど、話をしてみると常識人で、周りのことをしっかり見ている。
 「怖く」しているのも、これまでの仕事をしてきた中での経験で、自分のスタイルをしっかり確立している証拠なのかもしれません。

(2)言葉使いが「怖い」人

 方言で怖い人もいますが、投げやりな言い方や直球な言い方をして支援者や相談員をびっくりさせてしまうこともあります。また、とても馴れ馴れしく呼びすぎて、隣で聞いていると、ひやひやして、そんないい方しなくても…」と思うこともありました。家族同士や顔なじみの関係ではよくあるかもしれませんね。

 言葉使いと捉えていいのか分かりませんが、利用者の「呼び方」をどうしているのでしょうか?

 「〇〇さん」とするのが多いとは思いますが、施設によっては「〇〇様」としているところもあると思います。ただ、「〇〇ちゃん」はしないようにと言われますね。

(3)態度が「怖い」人

 相談をしている時に、腕を組んでいたり、高圧的な態度をしてくる利用者もいます。また、足音が大きな人や、声が大きいと「怖い」と思われてしまうかもしれません。

 上記のことが、職員にも言えます。ただ、職員の場合は会議の時には「話しかけてくるな」オーラや、「ちゃんと話を聞けよ」オーラを醸し出しているかもしれません。

 視線に関しても「直視」されると、恐ろしく感じることがあります。コミュニケーションをとる時には「相手の眼を見て」とは言われますが、何も言わずに、ただじっと見つめられると「何か悪いことを言ったかな?」と恐ろしくなることもあります。

(4)何をするか分からなくて「怖い」人

 見た目は落ち着いているように見えるけれど、気になることがあると、やたらと活動的になり、相談員が知らないところで連絡を取りまくっている人もいました。ちゃんと順序をつけて、支援や話をして、本人も納得しているつもりでも「自分が良いと思った方法」を最優先に考えている。

 それだけならまだしも、いきなり電話がかかってきて「死にたい」「どうしていいのか分からない」と連絡があると、こちらも慌ててしまう。

(5)脅迫する人

 自分の思うようにことが進まないと、不機嫌になり、人に対する注文が多くなり、次第に「脅迫」のようになってくることがある。「困っているんだから、助けるのが当然だろう」と思って、相談をしていると、グチが多くて「何をして欲しいのか分からない」こともあり、「そんなことまではできない」と言うと、逆切れされてしまう。

 また、福祉職員の「優しさ」に付け込んで、いいなりにさせようと考えている利用者もいないことはない。そして、そんな状況になっているのに人に相談できない「優しい」福祉職員がいるのも確かである。

 高圧的な人、というか「怖くて何も言い返せない人」と書いたほうが良いのかもしれません。黙っていれば解決することではなく、後が怖いけど「きちんと伝えること」で関係が良くなることもあります。

(6)いい人すぎて「怖い」人

 何でもかんでも「いいよ、いいよ」と言っていると、隣で聞いていると「腹の奥で何やらいけないことを考えているかもしれない」「利用者(職員)にいい顔をして、仲間を増やそうとしている」、要するに「腹黒い人」と、思ってしまう。

 また、そんなことまでもやらなくてもいいのにと思い、その人の健康面も気にしてしまう。やりすぎてしまって無理をさせていないだろうか、休みはきちんととれているのだろうか、と心配してしまう。本人は「大丈夫です」と言うかもしれないが、いつ潰れてしまうか分からなく怖い人とも言える。

最後に

 上記のような人がいますが、福祉としては「怖い」という感情に含まれる「弱さ」や「脆さ」にも注目をしています。何故?と思うことで本人の理解にもつながる。また、利用者にも「守るべき何か」があるから「怖く」なってしまうこともあると理解しなければならないですね。
 また、怖いと感じてしまう福祉職員は、「どうして怖いと思ってしまうのか?」と自分を見つめ直す機会にもつながると思います。

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