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ノートテイクって何? 出会い

 「ノートテイク」を知っていますか?
 「要約筆記」と同じように言われることがあるけどね。

 ノートテイクは、聴覚に障害のある方に対して、話している内容をそのままノートに書いていくことで、話し相手の語尾も聞き取る。要約筆記は「要約」となっているように、話している内容で書き手がここは省いてもいいところだ、と判断して書いていくことです。(違っていたらすみません) だから、周りの雰囲気も、雑談も、早口も書き留める。

 相手は、福祉系大学に通っている聴覚に障害のある学生さん、要するに僕の同期生などになります。
 大学に入学するまで、聴覚障害者についてはあまり詳しくなく、少しずつ知っていく感じでした。

 ノートテイクと出会ったのは、大学2年の時です。友人の友人から「こんなことがあるよ。やってみない?」と言われて半分くらいの興味で始めました。なんだか一人でやってみるのは不安だったので、友人とで研修に参加。
 ちなみに、僕は大学での記念すべき第1回目の受講生で、僕たちが本格的に支援を始めるまでは、市のノートテイクサークルの方が支援をしていました。だから、年齢は上だから、学生は、ちょっとは遠慮してしまうね。

 もともとノートを取ることや、書くことには興味があったので「やってみようかな」程度に思っていました。

 研修の中では、聴覚の仕組み、補聴器について、ノートテイクの方法、書き方を中心に学びました。「情報保障」についても強調していました。聴覚に障害があるので、得られる情報というのは差が出てしまう。だから、なるべく周りが感じている雰囲気を感じてもらえるように書いて伝える。講義で「大事!」と言っていることが伝わらないのはいけないし、沈黙している状況があるとそのことも伝える必要がある。話している内容が「いる情報」なのか「いらない情報」なのかは、本人が決めることだからね。
 もちろん、演習もありました。演習としては、ニュース、講演会など。特徴的だったのは「さだまさしさんのトーク集」を取り上げていたことです。内容が分かりやすいのと、話すスピードが丁度いいので、よく取り上げていました。面白くて、手が止まることもあったけどね。
 僕として「文字の大きさ」ということが印象深かったです。漢字と平仮名、片仮名をなるべく同じ大きさにすると、読みやすいってこと。書道では、漢字は平仮名より大きく、とは違うね。
 また、漢字の使い方も、画数の多い漢字は無理して使わないようにしてもいい。その中で、時間制限付きで、「天声人語」などをすべて平仮名にして漢字に直すこともしていました。思ったより難しくて、頭で考えるというより、書くことに集中していたね。

 「聴覚障害者とのコミュニケーションをとるんだったら、手話もできるんだよね」と思われるかもしれないが、ちょっとは勉強したけど、コミュニケーションがとれるまではできません。 
 ただ、話をする分だったら、書いて伝えることはできるし、補聴器を使用していることもあるから、そんなに困ったことはありませんでした。

 ノートテイクは大学を卒業するまで、やっていました。
 そんなにも夢中になったノートテイクの実際のところは、また次回。

 もっと知りたい方はこちらを参考にしてくださいね。

 今、noteで投稿ができているのもノートテイクで身についた集中力のお陰だと思っています。

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