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ユニバーサルデザインを考える

 福祉住環境を考えていく中で、「バリアフリー」とともに考えておきたいのが「ユニバーサルデザイン」という考え。

 ユニバーサルデザインとは「『すべての人のためのデザイン』を意味し、年齢や障害の有無、体格、性別、国籍などにかかわらず、できるだけ多くの人にわかりやすく、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすること」をいいます。 「UD」「共用品」とも言われることもあります。
 また「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」との考え方をもっと解りやすくするために7つの原則があります。
 1. 誰でも使えて手にいれることが出来る(公平性)
 2. 柔軟に使用できる(自由度)
 3. 使い方が簡単にわかる(単純性)
 4. 使う人に必要な情報が簡単に伝わる(わかりやすさ)
 5. 間違えても重大な結果にならない(安全性)
 6. 少ない力で効率的に、楽に使える(省体力)
 7. 使うときに適当な広さがある(スペースの確保)

 バリアフリーというと「建築的なもの」というイメージで、
 ユニバーサルデザインというと「手に取れるもの」というイメージです。

 例えば、目の不自由な方に対して
①テレフォンカードやICカードで、少しくぼんでいる場所があり、挿入方向が分かるようになっていたり
②携帯電話や固定電話の「5」がほんの少し膨らんでいたり
③シャンプー、リンスの区別がつくようにボトルに印がついていたり
④手を差し出したら、水が流れる蛇口だったり
 という感じ。
「目の不自由な人に対して」とは書いたけど、限ったことではない。点字は「限定的」、ユニバーサルデザインは「誰でも」。だから「障害を感じること」の理解と「生活をすること」の理解の両方が必要だと思う。偏ってはいけない。
 また、バリアフリーは「バリアをなくすこと」で、ユニバーサルデザインは「最初からバリアをなくしていること」が特徴とも言われています。

 僕が気になっているのは、
①認知度がどうなのか、ということ。福祉や建築の関係者であっても、聞いたことがあって内容を理解している人は限定されているような気がしています。そして、周知させるためのの手段をしているかということ。周知させたいのは確かだけど、言葉の響きが良いだけで、内容が伴っていない気がする。
②ユニバーサルデザインを推進するために「国はどのような取り組みをしているか」というのも気になる。都道府県や市町村では条例が出てきているところもある。バリアフリーに関する法律があって、その一部にユニバーサルデザインが出てきているような気がしています(僕の勉強不足ですみません)。頭のどこかで「似ているもの」というイメージがあるのかもしれないね。
③「使う人」と「作る人」の意識の違いがあるのではないか。誰が使うのかという考えの中に「こうすれば使いやすいに違いない」というどっちかと言えば、健常者に重きを置いているような気がしています。作る人も、健常者が多いから、視点の違いがあるのかもしれない。使用者についての理解をしているとは思うけれど、実際に使う場面や指の動き、日によっての変化等を理解しているのだろうか。「手に取るものだから、安全なもの」に気を取られているような・・・。
 使う人にとって、どんなことを求めているのかも僕ももう一度理解したいね。

 これまで、僕の個人的な意見であれこれ書いてしまいましたが、ユニバーサルデザインは、福祉用具というイメージが強い。
 でも、福祉用具もユニバーサルな(=誰でも使いやすい)使い方ができればよりいいし、「バリアフリー」も「ユニバーサルデザイン」も、何気ない会話や生活の中で出てきて「ユニバーサル」な社会が実現されるものだと思います。

 まだまだ学び足りない僕なので、学びを深めていきたいと思います。

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