見出し画像

1人の相談員

 ※ここでの「相談員」は、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」と「相談支援専門員」のことを想定してください。

 以前の職場では、相談支援専門員をしていましたが、実質相談員としては「自分1人」。運営上での「人員に関する基準」では、「専らその職務に従事する相談支援専門員を配置すること。ただし、指定計画相談支援の業務に支障がない場合は、当該指定特定相談支援事業所の他の職務に従事させ、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができる。」となっており、僕の場合は、事業所内での人員が足りないところにも顔を出してしまっていたから「兼務」となり、本当は、あと数人相談員は必要だけれども、その人も「兼務」というややこしい事業所でした。※もう一人は、名前だけで計画は作っていないから、実質一人で計画を作っていました。

 また、法人内で、他の事業所の利用者の計画を立てるようになっていると、まとめて40人以上の計画を立てることになり、外部の利用者をなかなか受け入れにくい。いわゆる「居宅ケアマネのはずが、施設ケアマネになっている」「抱え込み」状態になってしまうかもしれない。

良いところ

 ①他の人にとやかく言われず、集中できることが多い。
 ②予定は、自分基準に考える事が多い。
 ③自分のキャパシティを超えないように、調整することができる。
 ④自分で調整しなければいけないので、行動力が身につく。

良くないところ

 ①一人にストレスがかかってしまう。
 ②困ったことがあった時に相談できる相手がいない。
 ③事業所内での連携がとりにくい。
 ④一人の相談員が出かけてしまうと、連絡があった時に対応しにくい。(まぁ、電話を転送したり、パートさんが電話を取ってはくれますが、)
 ⑤自分から動かないと、関係機関との連携が取れなかったり、情報を得ることが難しい。
 ⑥新規の利用者を受ける時に少々慎重になる。 

 また、一人で頑張りすぎていると、逆に利用者に心配されてしまったり、遠慮されてしまうことがありました。連絡することをためらわれてしまうこと、それは利用者からSOSを出しづらい、気付きにくい状況であり、相談員としては「なんで連絡してくれなかったの?」と後悔することにもつながります。

連絡を取りたい・・・

 そして、自分が連絡を取りたいと思う時には、相手の状況を気にすることはあるだろうか?

 「相手の状況」というのは、相手も1人相談員だということ。
 利用者をどれだけ抱えているかということを、研修だったり、人づてに聞いているから「ちょっと今は難しいかも」と思ってしまうこともあります。
 ただ、どうしても連絡を取りたいときに電話すると、40%で受けてくれることもあります。もしかしたら、新しい相談員が入って、負担が減ったかもしれないと、ほんの少し嫉妬したこともあります。

 また、固定電話での連絡が取りづらいと分かっている時には、PCメールでのやり取りをしたり、携帯電話の番号を教えてもらったこともあります。だけど、本当に忙しい時には、そこにも気付かないことがあるので、その時はその時で諦めることが多いです。

では、相談員を補充すればいいだけ、、、なのか?

 なんとも言いにくいのが、この問題。

 もちろん相談員を増やしたいのはやまやまですが、新しく雇ったとしても、相談員としての指導や教育は相談員一人でしなければならず、ある程度の相談員の経験者ならば、利用者の振り分けや、事業所としての約束事を中心に教えればいいのだけれど、全くの新人の場合は、書類の書き方から、関係機関や利用者宅への同行などなどを確認しながら行なっていく。「そこは研修で教えてもらっていないの?」とツッコみたくなることもありますが…。

 ここで、新人さんに素っ気ない態度をとってしまうと、辞めてしまうことがあるから、きちんとフォローをしないといけない。僕は、そこで何度か失敗したことがあります。

 一人の場合は、ある程度集中できていたことが、新人さんの対応で本来やるべきことが集中できなくなってしまったり、新人さん一人を事務所に残すことが不安で、利用者宅や関係機関へ行く頻度を減らしてしまったり、連れて行ったこともあります。

最後に、

 1人だと「自分が何かあった時にどうしようか」と思ってしまい、余計に心配して動けなくなってしまったこともあります。だけど、自分のできること、できないことを理解して、線引きをしていくことで、「1人での働き方」を身につけることができると思います。
 あっ、でも、いい人がいたら、これからのこともあるので受け入れて教育することも忘れないでくださいね。

 「無理はしない」「心配させない」ことで、利用者との関係も安定してくるとは思います。

 まぁ、相談員として、福祉職としての「魅力ある職場づくり」「福祉職の意識改革や地位向上」ということにもつながってきてしまいますが…。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?