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若い人にこそ観て欲しい映画「エルヴィス」〜ロックンローラーとして圧倒的に格好良かった時代が堪能できる

こんにちは、makoto です。

「エルヴィス」観てきました。

エルヴィス・プレスリーが活躍した1950年代後半から60年代にかけてのことは、まだ生まれていないか幼少期だったためほとんど記憶にない。
うっすらと記憶しているプレスリーといえば、晩年のラスベガスでの公演をしている頃で、お世辞にも格好良いとは言えない体型で、むしろギャグかなと思わせるようなラメとヒラヒラのジャンプスーツを着て汗びっしょりで歌っている姿だけ。
なんならプレスリー本人よりは、ホタテのロックンロールで安岡力也がほとんど晩年のプレスリーを模した格好をしていた姿だ。
おそらくリスペクトからそのような扮装をしておられたのだろうが、僕はむしろパロディとして見ていたかもしれない。

「明日、エルヴィスにママさんと観に行ってくるわ」
と高3の次男に話をした時の反応が微妙だった。
なんとなく名前は知っていたようだが、プレスリーのイメージは晩年のヒラヒラ衣装の太ったもみあげのおじさんというものらしく、
クイーンとフレディ・マーキュリーを描いた「ボヘミアン・ラプソディ」やエルトン・ジョンを描いた「ロケットマン」を一緒に観に行った昔のアーティストもリスペクトする彼にとっても、「エルヴィス」は鑑賞のモチベーションが上がらなかったようだ。
それほど遠い昔の人、忘れられた人になってしまっているのが、2022年のリアルな感じなのかもしれない。

今作「エルヴィス」は、僕を含めて特に若い世代のそんなぼんやりとした、なんなら良いイメージのないエルヴィス・プレスリーというアーティストを、
60年以上も昔に、ロックンロールを最先端の反骨的な音楽として流行させた、むちゃくちゃ格好よい存在として蘇らせた素晴らしい映画でした。

僕自身も、予告のトレーラーのあまりの格好良さに今作の公開はとても楽しみにしていました。
今となっては想像し難い、彼がピンクの衣装で歌って踊るだけの姿を見て、女性が悲鳴をあげて失神してしまうというそのシーンが圧巻でしたね。
(そういえば、少し後の初期ビートルズの映像などでも同様の事象が起きていました)

鑑賞後の感想としては、エルヴィスを演じたオースティン・バトラーの演技も素晴らしかったんだろうが、とにかく若い頃のエルヴィスは本当に格好良かったんだなということ。

まだまだ白人と黒人が分離政策だった時代
白人が黒人の音楽を演奏して歌うことなんてとんでもないという時代
白人の流行歌はカントリー・ミュージックという時代
(南部というお国柄もさらに輪をかけていたのかも)
そんな時代に、反骨的で、本当に音楽に魂を捧げていたんだな、ということがすっと理解できた。

あと最優秀演技はオースティン・バトラーの憑依っぷり。
それは凄まじいもので、なんとセクシーでワイルドで魅力的なんだろう。

それにしても、どうして急激に有名になってお金を儲けたアーティストは皆アルコールやドラッグ依存症になって身を崩してしまうんだろう。
一般人からは想像もつかない程のストレスとプレッシャーなんだろう。
音楽界レジェンド伝記シリーズのフレディ・マーキュリー、エルトン・ジョン、今作のエルヴィス・プレスリー、みんなそれぞれが抱えるプレッシャーに潰されてしまっている。
27クラブの面々もそうだね。

最初は、ただただ音楽が好きで、ただそれだけで音楽をはじめたのに、彼らのような天才的なアーティストの周りには、一儲けしてやろうという人間も集まってくるから人間不信になってしまうんだろうか。

上述のいずれの3作でも、結果的にお金儲けのためにアーティストをこき使おうとした悪徳マネージャーが出てくる。
本当のことは分からないけど、そんなマネジャー達も、最初はそんなつもりでアーティストのサポートを始めたんじゃないんだろうという気がしている。
彼らもそれぞれ、そのアーティストの才能を未来を信じて、それこそ自分自身の人生もかけてサポートしようとしたんではないだろうか。
(それはちょっとナイーブ過ぎる見方なのかも)
しかし自分がサポートしたアーティストが成功をつかみ、お金が無尽蔵に入ってくるようになると、最初の純粋な目的はどこかに置いてきて、お金に振り回せれてしまうんだろうか。
お金って怖いなと思う反面、
「絶対に僕は大丈夫だから、それだけのお金を手にしてみたい」と思ったり。でも、そういう人も等しくお金に潰されてしまうっていうし。

とにかく!
今作で、若き日のエルヴィス・プレスリーの格好良さは今の若い世代にも絶対響くはずなので是非観て欲しいな、と思いました。
うちの次男にもオススメしておこう。

それでは!


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