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最高で最後の一作、ありがとうジョン! 『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

*後半ネタバレ含みますので、未見の方はご注意ください。

公開初日、午前半休を取って観に行ってきましたよ、ジョン・ウィック第4作目であり最終作。

3時間という長丁場も全然退屈しませんでした、もちろんのことですが。

ジョン・ウィックシリーズといえば、肉弾戦。
カンフー映画とも違う、接近戦での殴り合い。
見ていてとても疲れる、というか痛い。
ジョン・ウィック以前と以降では映画での戦闘シーンが変わったんじゃないかというくらいの影響を与えているやつですね。
SPやファブルなどの岡田准一さん主演の一連のアクション映画なんて、もろに影響受けていますよね。
今作もタフ過ぎるファイトシーンの連続です。

それからガン・アクション、カー・チェイスにバイク・チェイスそして前作から引き続きの騎乗シーン。
3時間たっぷり全部入りです。

ジョン・ウィックシリーズが見ていていつも思うのは、いったい映画中で何人殺された?というくらいに人が死んでいるのに、さほど残虐性を感じず、むしろ爽快感さえ味わえるファイトシーンの理由は「血流がほとんどない」ことじゃないかなと思います。
これでもかとヘッドショットでトドメをさすんですが、それでも頭が吹き飛ぶこともないし、血が飛び散ることもほとんどない。
とはいってもR15+ですが。
それでもタランティーノ映画の残忍なグロさと比べたら月とスッポン
シン仮面ライダーの方が血がドバドバ吹き飛んでますからね。

あ、それでも前作のパラベラムでは自分の薬指をナイフで切断するシーンがあったり、今作でも似たようなシーンがありますが、そちらの方は少しだけグロ要素ありですが。

ま、それでもあの戦いであの血流はもう「ほとんどない」と言ってしまっていい。

終盤近く建物の中での銃弾戦があるんですが、この映像はとても新鮮でした。
僕はゲームをやらないので詳しくないですが、シューティングゲーム、いやFSPていうんですか?そんな映像のようでもあり、違うのはそのカメラアングル。
FPSは一人称目線だと思うんですが、このシーンでは天井裏よりもっと高度からカメラが鳥瞰するシーンです。
こんな映像は見たことがなくて、とても新しくカッコいい表現だったな。

カー・アクション、というか車に轢かれるシーン。
これもジョン・ウィックではよく出てくる、ジョンが突っ込んでくる車に当てられてボンネットに飛ばされるというシーンなんですが、
今作ではジョンだけでなく敵のモブ達もがんがん車に轢かれます。
(おそらく)パリのラウンドアバウトで襲撃されるシーンがあるんですが、そこではジョンも何度も車に当てられるんですが(普通の人間なら、このシーンだけで命はない)、なんとジョンも走ってくる車に敵を放り投げて殺るというシーンが出てきます。
あれはどうやって撮影しているんだろう。
まさか本当に車にぶち当たられている訳ではないだろうが、いや本当に轢かれているのか?謎は深まります。

とにかく今作のジョンの不死身っぷりはスゴいです。
これまでも凄かったんですが。
ビルの屋上階からも何度も落ちるし、蒲田行進曲がお遊戯に見えるほどの階段転げ落ちもあるし、
「なんで、あんたはそんなに丈夫なんや!ジョン!」
と叫びたくなります。

今作も世界各国の都市へ行くんですが、冒頭から日本人には胸熱のシーンがあります。
日本が舞台なんですが、東京ではなく大阪コンチネンタルなんです。
関西人としても誇らしい。
梅田の地下鉄駅も出てきますよ。御堂筋線かなぁ。
ジョン・ウィックというよりも、キアヌ・リーブスの日本愛がこのシーンを撮ってくれたのかな、と感慨深いです。
このシーンでは真田広之もかなりの尺を取っていい役をやっています。
ジョンの敵役ではなくジョンが一時的に身を寄せる親友としてですね。
それがまた新たな不幸を招いてしまうんですが。

今作のラスボスの敵役として主席連合から全権を委任されたグラモン侯爵という若いセレブが出てくるんですが、こいつがもう本当にクソなやつで。
ジョンに古の決闘を挑まれるんですが、びびってしまって最後まで自分では戦わず、これまたもう1人出てくるジョンの親友ケインに代理として戦わせるんです。
ま、最後はあっけなく殺られるんですが。
多分こいつは親の地位を継承しただけなんでしょうが、ラスボス気取りのくせに権力だけを笠にきて自分は全く実力がないという、今の日本でもよく見られる光景ですよね。

今作はヒロイン的な存在はいなくて、男の友情でした。
愛と自由と友情、恩義のために強大な的であっても誇りを持って闘う男、ジョン・ウィック。
そういう姿に僕らは感情移入してしまうんでしょうね。
一種のファンタジーとして敵との殺し合いは描かれているので、
「ジョン・ウィックてそうは言っても殺し屋なんだよ?」という悪の部分が薄く描かれていて、
血流がないのもそのため、
無法地帯か!?というくらい警察権力らしき気配が一切出て来ないのもそのため、
接近戦での殴り合いの肉弾戦のリアリティとは真反対のリアリティのなさ。
でも、それでいいんです。
僕らはジョンのセンチメンタルな孤独な闘いに思いを寄せるだけでいいんです。

そして、ラストのこれしかないというような結末。
ジ・エンド。
ジョン、ジョナサン、安らかに。

いやぁ!もう1回観てこよう!

<了>

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