柏瀬、移住やめるってよ!
移住担当としての7年が終わります。
いやー長かったのか、あっという間だったのか。
ようわかりません笑。けど一生懸命やってきました
2年前に
5年担当してわかった移住のその先
を書きました。
あれからさらに2年が経ち、R5.3で卒業します。
そもそも自治体の移住担当の役割って?
どのまちもだいたい人口が減ってます。
そこで他のまちから人に来てもらおう!
そのためには何をしたらいいのか?
ま、そんな感じです。
①来てくれた人に補助金を出そう!
②移住したい人の相談窓口を作ろう!
③ステキなパンフレットを作ろう!
で、やることはこんな感じかと。
①補助金について ▲
さて、
補助金があったらあなたは移住しますか?
私はしません。
ま、もらえる人は嬉しいでしょうけど。
世の中多すぎませんか?補助金。
結局は他の人から集めた税金を
再配分するのが補助金。
もらえる人は得をするけど
もらえなかった人の方が遥かに多いのが現状。
②移住に関する相談窓口について ●
相談窓口に関しては必要だなと思いました。
地名もわからないし、まちのこともようわからん
不動産屋もたくさんありどこへ行ったらいいのか
役所も課・担当たくさんありすぎて
どこへ相談にいったらいいのかわからんし、
やはり移住できる環境は必須だと思います。
③パンフレットについて ▲
まちについて一通り説明するパンフレットは
必要ですが、みなさんお金かかりすぎてませんか?
そもそも情報はまとまった時点から古くなります。
パンフレットとして作るのもいいですが
常時SNSで発信していくことで十分な気がします。
ということで窓口を開設し移住希望者からの相談に寄り添い、一つ一つ丁寧に応対することで移住相談に応じてきました。
うーむ、どうしたら転出を止められるのか?
移住希望者からの相談に一つ一つ応対して
ようやく移住が整ったのに人口は増えません。
今日も多くの人たちが転出してしまっています。
では、なぜ転出してしまうのでしょうか?
転出の理由の1位は仕事です。
やはり食べていくために仕事をしなくてはならず
多くの人たちが希望する職種はホワイトカラー。
ん?田舎にホワイトカラーの仕事ってありますか?
田舎にはそんな仕事はほとんどなく、
その結果、
多くの人が首都圏に転出してしまっているのです。
地方に移住が進むかどうかは
仕事があるかないかにかかっているのです。
では、どうしたらいいんでしょう。
昔は(私の両親が現役の頃までくらい)
この街に生まれた人たちは
基本的にこの街で暮らし続けることが
大前提だったように思います。わからんけど。
土地、家、墓、生業を継ぐ(守る)という風潮が
とても強かった。
長男だから家業を継ぐ
手先が器用だからものづくり系を
人と話すのが得意だから商い系を。。。
中には大学へ進学し東京さぁ行くんだ!
という人もいた。そんな感じだったのでは。
けど、
私の世代くらいになると長男だから地元に残る
みたいな風潮はかなり減ったように思います。
私も実際、東京へ就職すること抵抗なかったし。
それが今では多くの高校生が就職ではなく
大学、短大、専門学校へ進学し
ほとんどの人たちがホワイトカラーの仕事を
目指し、結果転出してしまっている。
そんなサイクルになっています。
①一旦は東京へ転出するのは仕方ない
となると、一旦は東京などへ転出しても
仕方ないのではないかなと思うのです。
けど、人生生きているとターニングポイントは
訪れます。私は3.11でしたが、コロナ禍も大きな
ターニングポイントだったように思います。
また両親の介護やお子様の小学校入学など
ライフステージに合わせて皆さん将来を考えるもの
そんな時1600ある自治体の中から
移住先を選択するのです。
その時何が決めてになるのか?
自然?商業施設?ロケーション?不動産?
『生まれ育ったまち』という声、多いです。
やはり自分が生まれ育ったまちについては
皆さん思いを馳せるもの。
ただ、故郷のことって意外に知らないもの。
そこで故郷に詳しい私たちの出番です。
移住したいという人たちに対して
故郷はこんなに魅力ありますよと接してみると
皆さんとても喜んでくれます。
子供の頃から知っていれば。なんていう人も多く
子供ころから地元のことを教えてあげられたら
もしかしてシビックプライドが高まり
地元で生まれ育った子供たちの意識が変わるかも。
大海へ行ったシャケが遡上するのは
故郷の匂いをしっかりと認識しているから。
そこで、小学校の総合的な学習の時間、
高校の探究の時間、大学生のインターンシップ等
がむしゃらにオファーを受け入れてきました。
こういったことを続けていくことで
この先、何年後、何十年後に
成果は現れるのではないかなと思っています。
②これって自己実現に向けてのサポート?
ターニングポイントを経て帰ってくる方は
自分のスキルを活かして何か自分らしく
地元で活動したいという意識が
とても高いように思っています。
これって意外なのですが一度出た人ほど
地元を客観的に見れる、他の街と比べられる
いいとこも、至らないところも。
そこでそういった方の
自己実現をサポートしてきました。
と言ってもマニュアルなどないですし
人それぞれ相談内容は異なりますし
全部が全部自己実現につながったわけでは
ありませんが。
その結果、無事お店を始められたり、
起業した人もいます。
もちろん至らなかった人といます。
これはサポートがよかったのではなく
個々人の気持ちと能力にかかっていて
こちらはほんのちょっと背中を押す
そのくらいの感覚かと。
具体的には、そんな人たちに対して
まちの情報を正しく伝えることで
『知らない街』ではなく
『知ってる街』にしてあげること。
これって我々に得意な部分ではないでしょうか。
③田舎にないと思っていたけど。。。
地元にUターンすると『なんもねー』ってなるもの。
特に映画、音楽、アートなどのカルチャーや
カフェや酒飲みなどの暮らしのアクティブティーも
けど、田舎にも都会と遜色ない
それらがあると一気に上がります。
東京でしかないと思っていたものが
地元で味わえたらそりゃ上がりますよね。
そこで地域おこし協力隊をはじめとする
多くの関係者の方の力をお借りしてアートクロス
というプロジェクトを立ち上げました。
嬉しいのはご参加いただいたアーティストの方々が
足利っていいまちですね。と言ってくれるところ。
最先端のセンスで第一線で活躍される皆さんから見て足利がイケてると言ってくれる。最高です。
そして参加者からの反応もとても嬉しいです。
まだまだのところもたくさんありますが、
自分たちの街がアートでこんなに楽しめるなんて。
こんな反応、最高です。
④田舎にしかないものは格別!?
一方で田舎だからこそできることも。
半農半xのようにみなさん少し土いじりをしたいと
思っています。
けど、どこから手をつけたらいいのか。。。
そこで、こちらも地域おこし協力隊や集落支援員が
モデルとなり実際に地域活動に繰り出しています。
移住希望者の方々は実際に土いじりをしている
等身大のモデルを見て、これならできる!と
自信を持ち、ちょっとずつ活動を始めています。
そして
そう言った人たちが地域に集まってきています。
⑤先住民のリアルな生活は自分の未来
さらにこう言った地域活動を行う
地域おこし協力隊や集落支援員などが
実際の地域活動をSNSで発信することで
よりリアルな暮らしを伝えることに
つながっています。
みんな誰しも生活環境が変わることは不安です。
しかし自分のちょっと先の将来に重なるような人が
いると、その人の活動を見ることで
不安は和らぎ『自分でもできそう』と
自信に繋がるのです。
まとめ
ま、そんなこんなで7年間いろいろな方からの
移住相談に応対しながら試行錯誤してきました。
わかってきたことも多くあります。
一方、どうしたらいいのかと頭を悩ますことも
たくさんあります。
あーあれがもっとこうだったら、、、
あの時こんなアドバイスができていたら、、、など
移住相談はこれをしたら正解
というようなものではありません。
また移住希望者も10人いれば10通りの
悩みを持っています。
じゅあ我々がやらなければならないものは?
また、このあと継続して取り組みたかったのは…
・今の子育て施策をもう一歩深堀して子育て環境で選ばれるまちになりたいなー
・総合学習、探究学習などにもっと精力的に取り組むことで創造力とコミュニケーション力を育てる教育のまちみたいに整えたかったなー
・おすすめの空き家(すぐ住める家)をどかーんと紹介したかったなー。また傷みのある家は最低限リノベして貸し出す仕組み作りたかったなー
・市内企業の協力を経て魅力ある仕事をどんどん発信したかったなー
・みんなが農地を借りて兼業農家になるような環境作ることで耕作放棄地を抑制するような環境作りたかったなー
・テレワーカーの人などどんどん移住してきてくれているのでそういう人をどんどんインタビューして紹介したかったなー
・大企業のないまちなので若い人たちが創造力を生かして新たなビジネスを生み出せるよう起業しやすい環境作りたかったなー
・大学生インターンシップを年間通して受け入れられる環境作りたかったなー
などなど。
けどどれも移住担当だけではできないものばかり。
移住担当でできることはプロモーション的な要素。
これらを積極的に取り組むには庁内関係課や
市内企業のほかたくさんの方の理解と協力が
必要となります。
それには継続して取り組むことがとても重要かと
もしくは政治的にドカーンと。笑
最後に、
夢を語ることは簡単かもしれませんが
夢を語りながら仕事ができる環境を作ることが
最重要課題のようにも思っています。
日頃、ようわからん資料作りに没頭し
誰のためにやっているのか見失い
とてつもない喪失感、無力感に侵され
なんとなく職場がギクシャクして
人間関係が嫌になり職場にきたくなくなり
がんばろうとすると
余計なことやらなければいいのに。となる…
キャリア関係なく、風通しよく、いっつも
みんなでどうしたらいいか話し合い、否定せず。
とにかく前向きに市民のためになることを考え
ちょっとずつでも実行し続ける。
今までやってきたことを
今までどおりやるのではなく、日々改善。
あぁよくなったね!という言葉が飛び交う環境。
測るのは市役所の物差し、昔の物差しではなく
世間の物差し、今もしくは未来の物差しで!
ま、そんなふうに思っています。
ということで新天地でも
明るく、楽しく、元気よく!
向き不向きより前向きに!!
がんばっていきたいと思います。
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