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マネージャーの育成について

とある診断について

先日、とある従業員50名ほどの製造業の企業診断に伺いました。

製造業というと5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の確認から入ることが多いのですがその会社、非常に整理整頓されており、さらに加えて売上も利益も好調とのことで、指摘事項がないのではないかというくらい立派な会社でした。

とは言え先方の期待も感じられたため、このあたりは深追いせず、別の観点で診断を進めていくことといたしました。

社長をはじめ、従業員の皆様からのヒアリングを進めていくとあらゆる業務で、工場長と部長の2名が非常に重要な役回りをされていることが見えてまいりました。

このお二人、長年勤務されており様々な業務を熟知されており、会社に欠かせない人材であると認識できました。

工場長は工場で、部長は事務所と工場でお忙しそうに動き回られているのが診断の最中でも確認できました。

実務担当者に実務上のヒアリングをしていても、いつの間にか部長にご回答いただくこともしばしば。

最終的には、マネージャー職がマネージャーの業務に従事できない状況であることを診断報告の1項目としてご指摘することになりました。

マネージャーの5つの基本機能

経営の神様、ドラッカーはマネージャーに求められる5つの基本機能を挙げています。

① 目標を設定する能力
具体的で明確な目的を定め、達成可能で測定可能な目標を設定するスキルです。

② 組織化する能力
組織を効果的に構築・運営するスキルを指します。明確なビジョンや目標を設定し、適切な役割と責任を割り当て、組織全体の方向性を統一する能力が重要です。

③ 動機づけする能力(コミュニケーション能力)
組織や個人をモチベーションを高め、目標達成に向けて行動させるスキルを指します。動機づけする能力は組織の生産性向上や従業員の満足度向上に寄与します。

④ 評価測定する能力
組織や個人の成果を客観的かつ定量的に評価し、進捗や目標達成度を測定するスキルを指します。適切な指標や評価基準を設定し、データや情報を収集・分析することで、組織の健全性やパフォーマンスを把握し、問題の特定や改善点を見つけます。

⑤ 人を育てる能力
個々の才能やスキルを引き出し、最大限に活用することです。リーダーは、従業員の強みや成長のポテンシャルを理解し、彼らに適切な挑戦を与え、自己成長を促進します。

マネージャーを育てるためにはこれらを総合的に習得していく必要があります。

プレイングマネージャー脱却

中小企業ではいわゆるプレイングマネージャーとして業務をせざるを得ません。マネージャーにマネジメント業務をしてもらうためにはマネージャーが抱えている実務業務を解消してあげる必要があります。

詳細は割愛しますが、業務を効率化することにより実務担当者の手を空けてマネージャーが抱えている業務を実務担当者へ渡していくようご提案しました。

社長もまだお若く、すぐに退任ということはないもののマネージャー層の育成は会社の運営にも良い影響を与えます。

さらにマネージャー層が育つことで、部下の育成も促せるようになります。
会社が人を育てる仕組みを構築できると会社は持続的な成長と競争力を獲得する可能性が高まります。

自社のマネージャーはマネジメント業務をできていますか。

この機会にマネージャーがマネジメントをできる仕組みを考えてみるのも良いかもしれませんね。


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