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【短文朗読】重ねた音を忘れない

☆所要時間:1分
☆人数 :1人用



遠い遠い
見知らぬその土地で

キミは歌っていました


遠い遠い
手の届かぬその土地で

キミは世界と戦っていました


ボクは
キミのほんの一部しか知らなくて

深い深い
キミの痛みも
ほんの僅かしか気付けなかった


交わることのない
この世界で

ボクとキミの境界線を
消してくれたのは

音楽だったと思うんだ


キミの心を暗く染めた理由を
全部は分からない

キミに残る傷跡の全てを
ボクには数えられない

けれど

キミが共に駆け抜けてきた音楽を

ボクは知っているよ


その音楽に
キミの心が動いた瞬間

きっとボクは共鳴できると思うんだ


だって

ボクらは

同じ時代を

同じ音楽と駆け抜けてきたのだから



声を重ねたボクらは

離れていても

音の仲間だって

今でもボクは思っているよ


End


〜マコのひとりごと〜

夜風に乗せた歌声を
今も覚えているよ

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