【短文朗読】キミの添え木のように
☆所要時間:1分
☆人数 :1人用
5年前のボクは
まだキミと出会っていないから
キミの小さな躓(つまず)きにも
気付くことはできなくて
キミが俯(うつむ)いた瞬間も
もしかしたらボクは
笑っていたのかもしれない
キミが涙をこらえて上を向いていた時も
キミが心を曇らせ笑顔を見せていた時も
ボクは知らなかったんだ
そう
知ることが
まだ出来なかったんだ
知らなかったことを
知ってしまった
知っていたなら
気付けていたなら……
キミが躓きそうな時には
その腕をかばって
キミが涙を浮かべた時には
その涙が乾くまで話を聞いて
キミが無理して笑う時には
心の底からキミが笑えるまで寄り添って
ボクは
キミの添え木のように過ごしたかったと
届かぬ過去のキミを思い浮かべる
寄り添えなかったその一瞬一瞬に
ボクは手を伸ばす
過去に 抱き締められなかったキミのこと
今日 居てくれるキミのこと
明日 会えないかもしれないキミのこと
今 大切なキミと笑い合えることが
かけがえのない瞬間だと
気付くことができたから
今日のキミへ
永遠(とわ)の想いを紡ぐんだ
End
〜マコのひとりごと〜
今日、あなたと共に居られることの奇跡。
まだ知らぬ過去のあなたも、愛おしい。