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【朗読】秋風に手紙を【ひとり声劇】

☆所要時間:2分
☆人数 :1人用



アナタに名前を呼ばれるために
ワタシは此処に居るのだと思うのです

出会うのが遅かったねと、
風に言葉が乗って聞こえましたが
そんなことは、とんとないのです

これまでの時をアナタが過ごし
乗り越えてきてくれたからこそ
私はアナタに惹かれたのです

言の葉の美しさを
音の楽しさを
空を見上げる喜びを
アナタが知っていてくれたから

私は風の香りに思いを馳せて
アナタを想うことができるのです

金木犀の香りを辿(たど)りながら
探しているのは
橙(だいだい)の花でしょうか
それともアナタの影でしょうか

紅葉(もみじ)の便りが届く頃には
私の想いも色濃くなって
時に 心が かさつくこともあるでしょう

ささくれのように
じわりじわりと傷む日もあるでしょう

星が瞬く澄んだ夜空に
アナタの声が響くなら
私はまた
笑顔で明日を迎えられるのです


End


〜マコのひとりごと〜

軽やかで
遠く遠くどこまでも
想いを乗せてくれそうな秋風が

アナタの元へも 届くでしょうか

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