2019年11月9日放送#2
録画されていたので先々週の分も。
今回の放送は
「いい旅にいった気分だゾ」
「おやつをシェアするゾ」
「回転寿司でフィーバーするゾ」
の3本に加えて、「Dctor-Xだゾ」米倉涼子とが登場する2分程度のショートストーリーの4本立て。
金曜7:30時代は2本立てが多かったが、土曜16:30になってからはほぼ毎回3本立て。dボタンのコーナーがなくなったためだと考えられる。金曜時代の2倍ともなる今回の4本立て、作り手側の気合と努力を感じる。
以下ネタバレ注意。
「いい旅にいった気分だゾ」
となりのおばさん、みっちーよしりんらが温泉に行っていることを知ったみさえとしんのすけが温泉に行きたいとひろしにねだるところから話は始まる。
野原家と旅行やお出かけといえば、偶然旅行先に風間家や桜田家、まつざか先生などがいて、野原家が介入し無茶苦茶にされるのが定番である。風間くん、ネネちゃんママ、まつざかうめの歯がギザギザになって怒り狂い、波波の涙を流して感嘆している姿が容易に浮かぶ。
これはただの偶然ではなく、知り合いが旅行している情報をキャッチし、必然として野原家は旅行先に向かう。そこで野原家は知り合いに介入し続け、最悪の思い出に陥れようと。ひろしの薄月給が生んだご近所への怨念、、、
こんなことが展開されるクレしん旅行シリーズの‘エピソード0’なのかと思った。
しかし、となりのおばさん、みっちーよしりんでお決まりに当てはめてもどうもうまくいかない気がする。
みっちーとよしりんはどちらかといえば野原家の方が介入され迷惑を被っていることが多い。野原家が奮発して高級肉ですき焼きをした時みっちーよしりんがかくかくしかじかで、、、さっきの逆の立場になっているのだ。町内イチの遠慮知らずの迷惑家族はみっちーよしりん家かもしれない。若さゆえの怖いもの知らず、ゆとり育ちバカップル代表、野原夫妻を舐めきっているのだ。
一方、となりのおばさんは、魅せる年の功。寛容に野原家を受け入れることもできるし、鬱陶しいと思った時のスルースキルも抜群であろう。また、井戸端会議きってのネタ出しおばさん。しんちゃんが思わずいってしまった野原家の秘密はすぐに近所に広まってしまう。これにみさえは怯えているはず。
どうも野原家の方が不利になってしまいそうである。’クレしんの世界線で描く家族旅行エピソード0’の作品化企画会議があるとしたら、真っ先に消去される人物であろう。
当然、そのような展開はない。私の幻である。
ひろしとしんのすけが旅館の女将に扮し、みさえをもてなすという家庭的でほっこりとした内容であった。
だが、ひろしが冒頭読んでいた雑誌の表紙はおそらくオカマ。青髭ズルハゲなのにバッチリメイク。何かの伏線でもなかった。強いて言うならディナーショーでひろしがキモヅラをかぶっていた。
ゲスト出演:野原家テレビ内にタカアンドトシ(多分もじって、ワシアンドヨシキとかだと思う)
提供:バーゲンダッツ
「おやつをシェアするゾ」
遠足のおやつをいつものメンバーで買いに行く話。ネネちゃんの提案でシェアできるものを買おうということになる。
‘遠足のおやつ’は家で食べるお菓子とは異なる。家で食べるお菓子が普段着なのだとしたら、‘遠足のおやつ’は一張羅である。みんな見栄を張るのだ。子供ながらにセンスが試される時である。
お菓子を遠足のおやつとして、親が買ってきた持っていくのだけは避けたい。親自身が考えるセンスあるお菓子とは、値段が安い割に量が多く美味しいものである。もし、しんのすけたちの母親が集まって遠足のおやつを買いに行ったら、いかにおトクなものを見つけたかでマウント取り合いになるだろう。お菓子そのものではなく、おトク見つけ能力でセンスが試されるのだ。なので、お菓子そのもので見栄を張りたい子供は、そもそも親とは価値観が合わないのである。
自分の経験と照らし合わせてほしい。おつとめ商品やスーパーのプライベートブランド(今は広まっているのでそうでもないのか、、、)のお菓子を遠足のおやつとして持っていくのは、なんかダサい、気がひけやしないだろうか。同じものならば、ロッテやブルボン、グリコ、カルビーなどブランドネームのものを持っていきたい。
おつとめ商品を持っていくと「こいつ、親に買ってきてもらったんだろうな」とか、「親にこれにしなさいと言われたんだろうな」と思うし、思われるのである。
自分のセンスを試す場であるのにガチガチの作家がついているようでは、遠足のおやつマンシップに反する、そもそもその作家(親)に信頼もない、真の実力を試したい、子供はこんな考察はしていないだろうが自然とそう思うであろう。
私自身が‘遠足のおやつ’として選んだのは、期間限定味のぷっちょやピュレグミ、ひもQ、梅ねりなどである。ピュレグミやぷっちょでは、私も女であるのでかわいいさを演出。おやつを食べる仲間いや、この時は対戦相手も女である。評価基準にかわいさの項目もある。しかし、ただかわいいだけではセンスは良くない。私はそこに期間限定という自分の色を出した。これは定番の味は誰かが持ってくるであろうという読み、分析にも基づく。それに加えて、ひもQを購入。ピュレグミ買ってた女が「お前これ買うのかよ」という意外性の面白さと全長120cmのこのお菓子をいかに食べるかを考えさせられる遊び心を演出した。さらに、梅ねり。梅は好き嫌いがはっきり分かれる。食べる人を選ぶが好きな人には絶大な支持があり、カルト的人気と言えるのではないだろうか。分かる人には分かる要素もセンスを出すという意味では必要なのではないだろうか。
この大会に勝敗はないが、私がセンスあるなと思ったのは駄菓子。しかも、駄菓子屋でしか買えないようなお菓子。その中でも糸引き飴に特にセンスを感じた。駄菓子屋でもでっかい箱に大量に入ってるものしかないと思っていたが、飴が5個入りで遠足でちょうど楽しめるサイズなのである。売っているのを見たことない、新しさと独自性で満点、さらに遊び心もある。また、下の色が変わるガムも面白いと思った。食べてよし、風船作ってもよし、食べた後もよし。今で言う‘映え’、遠足では必ず写真を撮られるが友達同士でカラフルな舌にすれば最高の思い出の一枚となるだろう。駄菓子のセンスに圧倒された私とその友達は、帰りに駄菓子屋に寄ってねりあめやらなんやらを買いに行った。
しんのすけらはシェアという縛りの中で思い思いのセンスある遠足のおやつを選んでいく。シェアの縛りはさっき説明した大人が思うセンスに近いものがある。これを入れることで大人も楽しめるアニメになっているに違いない。
この時、選んだおやつを発表し合うのだが椅子と机としんちゃんたちの身長がはちゃめちゃ。身長ぐらい高い椅子と机、床に立つ者、椅子に立つ者、椅子に座る者、皆同じ目線の高さ。
結局全員あれはダメこれはダメで選び直して、当日お披露目になった。
そして全員同じ5人でシェアできる同じお菓子を持ってきたのであった。
提供
鈴カステラが5個棒に刺さったお菓子の企業案件
その他スポンサー:全商品のお菓子メーカー
撮影場所:駄菓子屋
「回転寿司でフィーバーするゾ」
家族で回転寿司に行く話。
さすが青年漫画という場面がいくつかあった。
駐車するシーンで、ほぼ満車の駐車場を逆走して野原車がようやく見つけた目の前の駐車スペースに駐車。その車から出てきたのはDQNカップル。いかにも駐車場がでかい満車の回転寿司に来店しそうで、その駐車場で逆走しそうなカップルなのだ。
また、席が空くのを待つシーンで。ここでは2つある。
1つは腹減りひろしが食べ終わったならさっさと帰えればいいのにと不満を漏らす。すると、しんちゃんは「父ちゃんが食べ終わったら帰ればいいのにだって」と食べ終わってもおしゃべりしているのおばさんの卓に言いに行く。いかにも、さほど食べもしない年齢ゆえに1個が小さい寿司を好みそうで、他人の迷惑は気になるが自分は大丈夫と思ってる主婦の集まりおば卓なのだ。
もうひとつは、しんちゃんがおば卓にひろしの不満言いに行ってるのを連れ戻すために、座って待っていたひろしが立ち上がったところ。待つ場所に戻るとひろしが座っていた場所は他の人が座っている。ここまで読んだならば想像してみてほしい。どんな人が座っているだろうか?意地でも座りたい。最悪、寿司食えなくてもいいから座りたい。座りたい、疲れてる、動きたくないオーラ出しつつも、1センチでもケツ浮いたのを逃さないアンテナを張ってる。まるで待合室のネズミ取り白バイ隊員。想像できただろうか?座っていたのはせこせこおばさん。いかにも、座るためなら機敏に動くが、基本座ってる座るために生きているがゆえの小太りおばさんなのだ。
行動と人物像が一致するところが、どこか毒があるようで風刺的な面白さに繋がっている。クレヨンしんちゃんを見ている子供はこの面白さがまだわからないかもしれない。社会経験の少なさゆえに、逆走しそうな人、長居しそうな人、座りたい人これらがどんな見た目でどんな人生を送ってきたのか見当もつかないであろう。子供だけが見ているのなら、脈略なくアクション仮面が逆走して、ムキムキマッチョが座りたい人でも違和感がなく、むしろウケるかもしれない。だが、ここでいかにも迷惑なことをしそうな人にすることで大人にとっての違和感がなくなり、あるある的面白さ、迷惑というマイナス的共感であるので毒としての面白さになりうる。大人向けにもなっているところが青年漫画のレガシーを引き継いでいると感じた。
しんちゃんがお姉さんがにぎにぎしたお寿司食べたいと言っていたが、なでしこ寿司が話題となっていた1ヶ月ぐらい前の放送なので、偶然にもタイムリーな話題となってしまい、より青年漫画感が色濃く出てしまっていた。
クレしんのアニメにはほぼないが、漫画には時事ネタがたまにあり面白い。ただ本として形に残るので、その時にしか笑えないと捉えるか、こんな時もあったと懐古に浸れるかで意見が分かれそう。私は後者であり、自分よりも先輩のクレしん単行本はかなり勉強になる。
提供
イカスタコス寿司の企業案件
ここまで読んでいただきありがとうございます。この前の土曜日の分を次の土曜日までに載せることを目標としています。引き続き宜しくお願いします。