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蘇るぬか床

わが家にはもうすぐ2歳になるぬか床があります。
最初は市販のぬか床を買ってきて、ぬか漬けの諸先輩方にいろいろアドバイスをいただいたり、紹介してもらった本を読んだりしながら育ててきました。

足し糠をしながら、時には青実山椒や柚子の皮や鷹の爪を足し、出汁を取った昆布はほとんどぬか床へ投入。
計量スプーンを持たず、目分量リスペクトのガサツなわたしは、足し糠の時の塩分量も適当ですけれど、あまりこだわりすぎずマイペースでもぬか床は育つようです。

これまで、洗剤のような匂いになったり(調べたところ塩が足りないとその現象が起きるようです)、酸っぱくなりすぎたり、コク出なかったり、いろいろとうまくいかない時もありましたが、足すべきは塩なのか、糠なのかはたまた別のものなのか・・・といつも試行錯誤です。

去年の冬は、忙しさにかまけて、1日一度かき混ぜることすら怠ってしまい、混ぜない日が1日、2日・・・・一週間・・・結果・・・
表面が黒っぽくなり、匂いもなんとも言えないひどい感じに・・・
大根を漬けてみるも・・・まるで石鹸のようでとても食べられたものではありません・・・

「もうダメかな・・・捨てようかな・・・」と思ったけれど、夫に「また漬け続けてたらきっと元に戻るんじゃない?」と言われ、その言葉を信じて捨て漬けを繰り返し、青実山椒を入れてみたり、塩を足してみたりと諦めず続けたところ、ここ最近になってようやく復活してきました!
今は以前の絶頂期を凌ぐ美味しさで、毎日美味しいぬか漬けきゅうりを食べています。

糠も「育てる」ことが大切で、ご飯をあげて(野菜を漬ける)、換気をしてあげる(かき混ぜる)ことで、糠は発酵し、その能力を高めるわけです。
神経質になる必要はないけれど、最低限のアシストは必要なようです。
育てたことはないですけれど、子供もあとは会社だったら部下も同じかもね?なんて思っています。

そして、このぬか床の華麗なる復活劇から、「信じて諦めない」って大切だなぁと思い知らされたのです。
さらにはそれをアシストしてくれる存在も。

参議院選挙が終わって、「すべてを政治になんとかしてもらおうと思わず、まずは自分たちから目指すべき社会のために動くことが大切。」という趣旨のコメントを目にして、ほんとにそのとおりだなぁと思っています。

まずは小さなことからでも自分のできることを。
人任せにして文句を言うことは簡単だけれど、それだけでは何も変わらないことを自覚して。

そして小さな存在でも、少しずつ手を取り合って思いを繋げていけたら、少しずつ世の中は良くなるかもしれません。

美味しいぬか漬けが並ぶ食卓で、そんなことを思った半月の夜です。

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