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見方を変えて気づく大切なこと。

子育てと仕事の両立。
悩みを抱える方も多いこの問題。
いや、現代において子を持つ親であれば、なんらかの形で直面する問題だと思います。

わたしの場合、まだ子供はいません。
これは夫とも幾度か話し合いを行い、「まだ子供を持たない」という選択をして今に至っており、その理由の一つにはこの問題があるといっても過言ではありません。

昨今、保育園問題は日に日に過熱しており、都心部における保活問題は本当に深刻です。
実際、友人でも職場復帰に向けて保活をしたが認証保育園にも認可外にもどこにも入れなかったという人がいます。
Wインカムでも保育園に入れない時代が今なのです。
正直なところ皆が納得できる問題解決はいつになるのだろうかと将来を憂いてしまいます。

それでもワーキングマザー達は少しでも自身達の環境を改善しようと協力し合う姿が多く見られ頼もしい限りです。

わたしに関しても、もし子供が出来た場合の働き方を考えてこのままでいいのかと思い悩み、子供ができる前に何か手に職を付け、自分のペースで働くことを考えた方がいいのではないかとずっと突っ走ってきました。

けれど、それもそう簡単に行くことではなく、思い通りにはならないことも多いわけですが、様々な立場や考え方を知る機会を多く得たことは無駄ではなかったですし、むしろ自分の経験値を向上できたと思っています。

そして、これらの根底にあることをふと考えさせられる機会がありました。

先日、生後7ヶ月の赤ちゃんを持つ友人に会った時のこと。
彼女の言った「良く考えれば当たり前のこと」がそのことを思い起こさせてくれたのです。

彼女は外国人と結婚し、今はパートナーの祖国で生活しています。
現在は仕事をしていませんが、これまでバリバリ仕事をこなし、自分のやりたいこともやってきた彼女はこう言いました。

「子供を持って本当に思うことは、こんなにもかけがえのないものがこの世にあったんだなってこと。
わたしは、妊娠中から自分の身体に起こったとても神秘的な変化をずっと楽しんできたし(お腹が動くことなど)、今も子育てが楽しくてしかたないの。
離乳食を作ることも少しでも楽をしようという風潮があるけれど(彼女が住んでいる国は特にそういう方が多い)、わたしは一度も面倒だなんて思ったことはないの。
とにかくこの子に美味しいものを食べさせてあげたい。
それに離乳食を作ることは実験みたいだしすごく楽しいんだよね!」

なぜわたしが、妊娠前から産後のことを人一倍考えてきたのか。
それは、フィトテラピーの学校で産後について学んだ時、産後鬱や、そこから派生して幼児虐待や夫婦不和が生じる現状を知ったからです。
ですから、自身の出産前にできる限りのことを学びたいと思い、実行してきました。

そして彼女に言われて、冷静になって気づいたこと。
それは、「子育ては大変だ」ということが大前提で物事を考えていたということです。

確かに大変に決まっているでしょう。
子を持つ友人達を見てもそのことは明確です。
でもしかし、その中にある「喜び」や「得難い経験」に勝って「大変」「自分の時間がなくなる」という心配事だけが膨らんでいた。

彼女はこうも言いました。
「こんな素晴らしい経験ができることは、女性の特権だと思うんだよね!」

わたしが最近考えていたことは全部逆でした。
女性は、子供を妊娠し、産み、育てるまでの間、自分の身体を犠牲にし、その間は何もできず、男性はそういった期間がなくて羨ましい限りだ、なんならばずるいとすら思う。

なんとまあ自分本意で、ネガティブな考えなんだろうかと今更気づいたわけです。

男女平等という言葉が叫ばれてもう何十年も経っているけれど、最近思うのは、なんでもかんでも同じにするのが平等ではないということ。
別にそれは差別ではなくて、それぞれの個性を活かすという捉え方だってできると思うわけです。

単純に同化しようとするから、数字にばかりこだわって、例えば企業が女性管理職を増やすなんて話も、「一定数の女性を管理職にしないといけないから」という考えから入ってしまい、結局のところ本人にとっても、周りにとっても不幸な実例が結構あるように聞いています。

大学の時、フィミニズムの授業になんとなくの違和感を抱いていた自分をふと思い出したりするわけです。
真の平等というのはいかなる場合においても難しいことであると考えさせられます。

その辺の難しいことは置いておいたとしても、結局のところやはり大切なことは「今この瞬間を生きる」ということ。
その時の気持ちはその時にならなければ分からないということです。

先々のことを考えて行動することはもちろん大切で必要なことです。
けれども、どんな時もその瞬間を一生懸命に生きることで自ずと答えは出てくるのかもしれません。

さらには、子育ても人生もそううまくはいかないもの。思い通りにはならない。そういうものなんですよね。

周りに流されないこと。
そして見方を変えてみること。
例えば、彼女は異国の地で子育てをしていて、いろいろな習慣の違いに戸惑うことも多いと言います。
そんな時も、「なぜそうしているのか」しっかりと意味を考えて納得してから取り入れるべきでしょうし、自分の考えもパートナーとシェアしながら、2人にとって、そして子供にとって最善の方法を模索すべきだと思いますし、彼女はそれを実行していることを、同じ日本人としてそして女性としてとても誇らしく思いました。

国も人も完璧なものはありません。
子育てだって正解はきっとありません。
人は一人一人違うし、ある人には合うことでも、また違う人には合わないということもあるでしょう。

だからこそ流されず、自分をしっかり持つこと。
そしてその瞬間を生きること。

そのことがいかに大切であるのかということを改めて感じています。

「みんながやっているから。」で習い事をさせるのではなくて、「なぜこれをやるのか。」そういうことをいつも考えながら、自分とそして子供と向き合っていくことが何よりも大切なんだと本当に思います。

いつのまにか目を背けてしまっていた本当に大切なことを見つめ直すきっかけをくれた彼女に感謝したいと思います。

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