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自意識と植え付けられた上手への執着


演劇の稽古をしている。

ここのところずっと、8/21~27にこまばアゴラ劇場で上演される「光の祭典」という作品の稽古をしている。たくさんの学びがある座組で、最高の戯曲。やりがいがとてつもなくある。楽しい。苦しい。

結論、とても幸せだ。

幸せな中に、ある現実を自分のために纏めてみようと思って書いている。


私は演技をすることが怖くて、苦手だという現実。


わたしは、演技というかお芝居のことを取り除いたら何を目指せばいいのかわからないくらい、いまのいままで執着してやってきたのだけど、


もう演技を学ぶのを辞めたいと泣いたことが幾度となくある。

なのに、作品を作ることや出演することではなく、学ぶことをやめられない。


そして、学んでいる最中に、死ぬほどお前は下手くそだ!向いてない!と怒られたことが数えていられないほどもある。


だから、その結果としては、演技は別に学ぶものじゃないと思っている。

怒られるものでもない。

もちろん大前提や理論はあろうと自分にしかないセンスが、大切で。努力で変えられるのは小さな技術や自分の中に蓄積される理論。


敷かれたレールの中で誰かに強制されるのではなく、必要以上の自意識無く自由にそこに存在することが、必要なのだ。


私に出来るのは、私がやりやすいように作って、私のために演じることだけらしいということに気づいたのは、何年も前。


演技に執着しているから、

演技をしている自分に執着して、自分のやりたいリズムで、やりやすいようにやる。

相手のことを聞いているようで、見ているようで、最終的には自分のため。

無意識の間に作品を壊す。

相手を信頼して、作品を信用して、芝居ができない。


何度も経験して何度も罵られてきた。それが怖くて間違えないように演技に演技をして、何度もわからなくなって、ここまできたのだと思う。

演技がものすごく急激にうまくなる瞬間があるとしたら、そもそもそれは人間として成長できている証だと思う。人としての軸も厚みもないのに演技なんて、できない。

でもわたしが下手なのは、センスがないし、その上に自分に執着しているから。

なんとかしたい、でもずっと変わらない。何度もレッスンにも通って、理論も理想も現実も嫌というほど見た。


わたしは、ずっと、、ずっと、

演技が光っていて、

演技をするだけで、一目置かれるような。

崇められるような。憑依されたような。

周りがひとつも文句が言えないほどの。

顔や性格や何もかもを除いてその素晴らしい演技で評価されるのが、ほんとうにずっとずっと夢だった。


その夢を叶えるためには、まず今もっている夢を手放すところから始めなくちゃいけない。


演技で光る人には努力でもなれるかもしれない、けれどそんな演技ができる人は演技なんてしなくても目を見張るような魅力が既にあるのだ。

そして、その魅力を自分の中に落とし込めているのだ。

わたしはわたしなりに頑張っている、と言い訳をかまし続けてきた。自分を否定なんてひとつもしたくない。

けれど自分が可愛くて、自分に執着しているうちには何も変わらない。




この作品にはその苦手な感覚を思い出させるトリガーが、たくさんある。

だから、つらい。


稽古に行く前に準備をしていて、

ふと気づいた。わたしはこのできない悲しみを癒すために、対処療法的に演技で認められたかったのだ、ということに。


私はたまたま演技に対してだけど、

見てくださったあなたの大切な物事や人への価値観や、あなたの大切な琴線に触れる何か。

きっと、この作品にはある。

傷ついたことがない人なんて、きっといないのだから。


私はこの作品が終わってまだ演技がやりたいと思うのかわからない。演劇も映画も大好きだ。けど関わり方を今とは変えると思う。

今のままで俳優を名乗りたくない。ベースを整えることが絶対的に必要なのだ。私には。


それに気づかせてくれたこの作品を必ず輝かせる。こんな情けない私を呼んでくれた、葭本さんが作ってよかったと思う作品を作りたい、一片にでもなりたい。

それが終わったら、考える。もう一度、自分のことについて。


だから、いま、会いに来て欲しい。

いまは、たぶん今しかない。


でもね、絶対辞めたりはしないよ。諦めたりもしない。目の前の苦しみからただ逃げることもしない。

自分の足で立つために、自分と向き合い続けていくし、一生離れられない私という人間をもっと私自身が愛してあげられる存在にしていきたい。


そんなこんなで私の出演する作品の

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何書きたかったのかよくわかんなくなったけど、作品が終わった頃には何かに気づいてもっと演劇やりたいんだが!たくさん出たいんだが!ってなるかもしれないし、明日のわたしのことはわたしもわからないので、ただのボヤキかもしれないけれど、残しておく。





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