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「青年海外協力隊のいま」#8太平洋の島国トンガで卓球!小林真子

青年海外協力隊の「これまで」と「いま」を紹介するコーナー
「青年海外協力隊のいま」

第8回はトンガ王国・卓球隊員の小林真子(こばやし まこ)さん!

トンガでは苦労しながらも、パラ選手の指導や普及活動など、幅広い活動に取り組んだ小林さん。

そんな小林さんの「いま」をご紹介します!

自己紹介

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名前:小林真子(こばやし まこ)
隊次:2018年度3次隊
職種:卓球
派遣国:トンガ王国

マロエレレイ!(こんにちは!)

2019年1月から卓球隊員としてトンガ王国に派遣されている小林真子です。
小学校2年生の時に卓球を始め、大学まで選手として競技を続けていました。大学を卒業してからは2年間高校の教員として勤務し、協力隊に参加しました。

トンガでの趣味はファレコロア(トンガにある小さな商店)巡りをしてめずらしい商品を探すことでした。

青年海外協力隊に応募した理由はなんですか?

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卓球を通して新しいことに挑戦したいと思ったことです。

ほとんど海外経験はありませんでしたが、「自分の出来ることで社会の役に立ちたい!」、「卓球を教えたい!」という気持ちと「知らない世界を見てみたい!」という好奇心だけで応募を決めました。

派遣国はどんな場所ですか?

派遣国:トンガ王国

トンガと言うと「アフリカの国ですか?」と聞かれることが多いですが、トンガは南太平洋に浮かぶ小さな島国です。176の島からなり、総面積は747㎢と日本の対馬より少し大きいくらい。人口は10万人です。

多くのトンガ人のがキリスト教を信仰しています。日曜日は労働が禁止されているためお店などもほとんどやっていません。みんなが教会に行き、家族とお昼ごはんを食べ、お昼寝をして過ごします。のんびりとした雰囲気が心地よい国です。

トンガ人はみんなラグビーが大好きで、トンガ代表の試合の日は大盛り上がりです。昨年のラグビーワールドカップでは日本代表にもトンガ出身の選手が何名か選出されていました。

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(↑ラグビートンガ代表チームの凱旋パレードの時の町の様子)

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トンガは「クジラと泳げる国」としても有名で、日本からも多くの観光客が訪れています。

任地はどこ場所ですか?

任地:トフォア

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首都ヌクアロファの市街地から南に5㎞の場所にあるトフォアという地域に住んでいました。

自転車で30分ほどの場所には大きなスーパーマーケットやレストランもあり、生活に必要なものもほとんど手に入れることができました。想像していたよりも不便だと感じることは少なかったです。

配属先はどんな場所ですか?

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トンガ卓球連盟に配属され活動を行っていました。トンガ卓球連盟は20年ほど前に設立された組織です。選手の登録制度はないので概算ですが、約50名の選手が練習をしたり、月に1回開催されるマンスリーコンペティションに参加していました。

どんな活動をしていますか?

競技力の向上と競技人口の拡大を目指して活動を行っていました。
主な活動は3つです。

①パラ選手・ジュニア選手とのトレーニング
②学校巡回
③普及活動

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パラ選手・ジュニア選手とは週3回ずつトレーニングを行っていました。昨年はパラリンピックへの出場を目指し、パラ選手の国際大会にも帯同しました。

学校巡回では週に1回ずつ5つの学校をまわり、体育の授業の中で卓球の道具を使用したアクティビティなどを行っていました。

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普及活動では週に1回キッズクラスを開催したり、様々なイベントや離島で卓球を紹介するといった活動を行っていました。

活動でうれしかったことはなんですか?

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パラ選手が「卓球を続けることで身体の機能が回復したように感じると」教えてくれたときと、ジュニア選手が「もっと練習がしたい」と自主練習を始めるようになったときは本当にうれしかったです。

活動を通して、様々な角度から卓球やスポーツの可能性を今まで以上に感じることができました。

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活動とは関係ありませんが、配属先のボスに巻き寿司とたまごやきの作り方を紹介したところ、ボスが家族や友人に作り方を広めてくれました。ちょっとしたブームになってうれしかったです。

活動で苦労したことはなんですか?

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「卓球を楽しいと思ってほしい、好きになってほしい」という自分の思いと現地人コーチの温度差を感じ苦労することが多かったです。周りを巻き込んで活動を行うことの大切さと難しさを実感していました。

また、海外遠征に帯同させてもらったのですが、毎回予期せぬトラブルに見舞われ、海外遠征恐怖症になりました。

・直前になってVISAがとれていないことが判明する
・宿泊するホテルが遠征先の国に到着するまでわからない
・選手が熱を出して救急車で運ばれる
・家庭の事情で試合を放棄して帰る

などなど様々な事件が起こりました。
おかげで緊急時の対応力がついたかなと思います。

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(↑オーストラリアでの大会後、
お土産にチョコレートを大量に買い込む選手たち)

帰国から今まではどうしていましたか?

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トンガでの活動についてゆっくり振り返ったり、今後について考えたりしていました。地元のジュニアチームや障がい者チームの練習に参加して卓球の指導をしたりしていました。

また、トンガの隊員仲間に声をかけてもらいトンガに関する絵本を作る活動を行っているところです。

編集メモ:青年海外協力隊の現状
新型コロナウィルスの影響で青年海外協力隊の全隊員約1800人が帰国しました。現在も派遣国へ戻る予定は立っていません。

これからの予定は?

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わたしは待機延長を選択しました。協力隊員として日本国内で出来ることを行いつつ、再派遣を待つことになります。地元の農業のお手伝いをしながら技術解説の動画や練習メニューを作成して選手に送る予定です。

青年海外協力隊に関わりたい人に向けて

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トンガ人がよく使う言葉の一つに、「サイペ」という言葉があります。「大丈夫、気にするな」と言う意味で使われます。何が起こってもサイペ。大丈夫。なるようになるさ。そんなトンガの人々から多くのことを学びました。

わたしは「国際協力がしたい!」というよりも、「卓球を教えたい!」という気持ちで協力隊に参加しました。そんな簡単な理由で良いのかなとずっと思っていましたが、たぶんサイペでした。

そして卓球の指導者として派遣されましたが、教えることよりも教えてもらったことが圧倒的に多いトンガでの1年2ヶ月でした。それでいいのかと思ったりもするけれど、やっぱりそれもサイペだったと思います。

トンガでできたつながりや学んだことを、今後の自分の仕事や人生を通じて社会に還元していけたらと考えています。

青年海外協力隊としての経験は自分の世界を広げてくれた素晴らしい経験となっています。もし少しでも興味があるという方、ぜひ参加を検討してみてください。

編集後記

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小林さんの「いま」、いかがでしたか?

「教えることより教わったことの方が多い」というのは僕も全く同じ感想を持っています。「サイぺ」が大切という考え方からも、働きすぎたり、考えすぎてしまう日本人は学ぶことが多いのではないでしょうか。

僕もこんな場所で卓球をしていたのが懐かしく、また戻りたいと思いつつ、読ませてもらいました。

僕も島国のフィジーで卓球を指導しましたが、同じエリア、同じ職種の隊員でも、活動内容や悩みはだいぶ違います。よければ読み比べてみてください。

最後までご覧くださってありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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