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怒りと向き合う魔法の言葉

少し前のこと。
感情のコントロールがうまくいかず、お友達との間でちょっとしたことがあった娘に伝えた言葉。

「魔法の言葉 “大丈夫”。 1,2,3,4,5,6,7」

自分の気持ちがおさえられなくなったとき。
わーっと言いたくなってしまったとき。
まずはこの言葉を心の中で唱えなさい、と。
そして最後に、一回息をすーっと吸ってはぁーっと吐きなさい、と。

その後、同じようなシチュエーションで気持ちが昂ったときに、
娘は実際にこの言葉を心の中でつぶやいて、その場を凌ぐことができたそうだ。

3年前に取ったアンガーマネジメントキッズインストラクターの資格。
といっても講座を受講すれば誰でも取得できるので、大層なものではない。
それに取ったはいいけどその後は特に生かせず、積極的に生かす場を作ろうともしてこなかったのが、
ようやく実生活で還元できるようになったようだ。

怒りの感情は6秒でピークを過ぎることから、
その時間を利用して怒りをコントロールし、
本来マイナスと捉えられがちな感情のエネルギーをプラスに活用するという方法。
アスリートやリーダーのマネジメントにもよく取り上げられている。
私の場合は、自分自身や身近な人たちに生かせるのではとの思いから、勉強した。といってもほんの少し。

ちょうどそのころ、娘のイヤイヤ期が絶頂で、自分でも訳がわからないくらいに毎日イライラしていた。
そしてそのイヤイヤとイライラは終点のないスパイラルとなり…
そんなときに出会ったアンガーマネジメント。
私にとっては藁にもすがる思いだった。

で、怒り。
それをコントロールするためには、まず、なぜ怒りの感情が生まれたのか、その感情はどういうものなのか、自分で分析して理解することが大事なのである。

今回、娘とも、
どんな場面でそうなったのか、
どんな言葉でそうなったのか、
どんな気持ちだったのか、
そのとき身体はどんなふうになったのか、
それでどうしたいと思ったのか、
そうしたことで今度はどんな気持ちになったのか、
お友達はどうしていたのか、
誰かが同じことをしたら自分はどう思うか、
どうしてあげたらいいと思うか、
相手はどんな反応をするだろうか、
期待通りの反応がなかったときはどう思うのか、
では、自分はどうするのがよかったのか。

3つ目の“どんな気持ちだったか”がつまり、そのときの、怒りや悲しみ、悔しさ、苦しみ、など娘の感情ということになるけれど、
その前後を細かく分析していくと感情が生まれた理由からその影響まで、様々な機微がある。
それらを認識することが感情のメカニズムを知ることになり、
感情に振り回されるのではなくコントロールして自身の心の成長につなげることができる。はず。

そう、怒りの感情には他の感情が伴うことがほとんどで、
悔しさや悲しさ、苦しさが怒りとなって表れることも多い。
そうした怒りの本質を見極めることも、感情を紐解く鍵になる。

気持ちが落ち着いているときに、娘のペースに合わせながらゆっくり振り返っていくことで、
娘も一つひとつ確かめることができたようだ。
それは私にとってもしかり。

アンガーマネジメントは子どもの場合5歳頃からを推奨していて、
実際に6歳になった娘もこうした言葉のキャッチボールができるようになったし、娘なりに理解しようとしたと思う。
うまく分析できなくてもいいから、今はこうして考える時間をもつことが大事だと思っている。

そしてもしまた同じようなことがあったときには、魔法の言葉があるから大丈夫、と暗示をかける。
ちなみに数を7つにしたのは、多めの設定でより気持ちの安定に繋げたかったのと、ラッキーセブン的な験担ぎ、の私オリジナル。


とまぁこんなふうに娘には偉そうなことを言っている私自身はというと、
その当時に比べればはるかに怒ることは減ったけれど、うまくコントロールできている自信は…ない。

怒りの感情というのは、相手への期待が大きいために生まれることも多い。
のだけれど、それはまた独りよがりだったりもするわけで。

アンガーマネジメントは怒りの感情を否定するものではない。むしろ肯定している。
怒りを受け入れるためにはそのメカニズムを理解することが大切で、怒りのピークを越えさせない冷静さが必要。
その冷静さを取り戻すための6秒。

うむ、理屈はわかってます。
でもその6秒が長く感じるうちはまだまだ。なのだな。