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小声コラム#9 メモに住む魔物

スマホのメモには、魔物がすんでいる。

昨日の夜に読んでいた記事に“やらないことを決める大事さ”の話があった。
やりたくないことを洗い出していくと、やりたいことが見えてくるというものだ。

その記事を読み終え、自分が絶対にやりたくないことってなんだろう?と
ぼーっと考えていると、そういえば同じようなことを前にも考えて、スマホのメモに書いた(打ち込んだ?)ような気がするなあと思い、探してみることにした。

メモアプリを開いて、日付とタイトルを見ながらさかのぼっていくと、
何だこのメモは!みたいなものばかりで、メモを取ったことを忘れているものがほとんどだった。そして、そんな中に探していたメモを見つけた。
2019年6月にやはり書き留めていた。

そのメモのタイトルは、


指南書

われながら仰々しくて、少し笑える。
仕事の昼休みに、散歩がてら公園まで歩き、ベンチに座って書いたことを思い出した。たしか自分の人生の行動指針を考えていたのだ。
ぜんぶがやらないことではないが、その考え方は似ていた。

そして、その指南書がこちら。


『指南書』
1.作り笑いをしない
2.まあいいや を許さない
3.後ろに目を向ける
4.真ん中には行かない
5.言葉を正しく扱う
6.好き を比べない


どうだろう。
ボクはこれを読んで、
「けっこうカッコいいこと書いてんな、24歳のおれ。」
なんてカッコわるいことを思った。


が、いまさら気がついた。
読んでいただいている方は、とっくにお気づきだろう。


この指南書、まったく指南になっていないのである。


なぜなら、書いたことを全く忘れて、手引として使ってないのだから。
指南書とは、教え導くための書、いわば聖書みたいなものだ。
それを棚にしまったまま、しまったことすら忘れていた。
導くつもりだった神様もびっくりである。

そして神様(というか24歳のおれ)、申し訳ない。
めちゃくちゃ、好き を比べてしまっています。

でもこれは、相変わらずやりたくないことには違いありません。
自分の好きは 誰かと比べる必要はありませんよね。


とはいえ、ぜんぶの指南を守れていないわけではない。
後ろに目を向ける というのは、誰かが進む道の妨げになっていないか気を配る
という意味だが、それは今もしっかりと守っていると思う。


それに今では、まあいいや も許せるくらいの方がいいよ。と逆に指南したい。
完璧主義は、追い込むだけだし、完璧なんてないよ。


そんなことを神様(24歳のおれ)に伝えてみると、
甘えんな!と突き返された。ような気がした。


過去の自分は、コントロールできない魔物みたいだ。




#9 メモに住む魔物


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