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私は絶対に「それ」をしない

2019年11月26日、スマートフォンの通知が騒がしく、何事だと確認したところ、とある書籍に私のツイートが掲載されている、無断掲載ではないのか?という第三者の方からの連絡が多数きていた。

最初はあまり重大に捉えてはいなかった。まあページの片隅に「こんなこと言われた」の被害例として、誤って分類され、ちょこっと掲載されているのだろうと。ところが書店にいって確認したところ、ずいぶんと様子が違った。私のツイートは2Pにわたってとりあげられていた。そして「全女性の気持ちを勝手に代弁してると勘違い系」とタイトルをつけられ、その解説文の中で「日本語読めてんのか?」と揶揄されていた。私が投稿したのは下記。

ヒールのある靴が好きで、生理用品についてあまり恥ずかしいという気持ちがない私としては #kutoo も#Nobagforme も全くピンとこない。もちろん気になっている人が声をあげるのはいいと思う。
が、それが「女性の声」みたいになるとすごく違和感だしそりゃ炎上するなあと。
#MeToo と何が違うかというと、metooの話はそれこそそのあたりにゴロゴロころがってたから、ああこれは自分ごとだ、と思う人が多かったのではないかと思う。一方 #NoBagForMe#KuToo は確実に困ってる人がいる一方でおそらく困ってない人のが多いのでは。
そういう話は主語に「女」とつけない方がいいというのが個人的な意見。
ヒールの強制に困っている人がいる、生理用品の取り扱いに困っている人がいる。ただそれだけ。が、ここまで拡散したのは主語が「女」だからだろうし、それがなんだかモヤモヤ。
自分もセンセーショナルな見出しのが反応しちゃうし、今回もセンセーショナルな見出しが故に目に止まったのも事実だし。ただ自分がモノ書くときはせめてそういうことしないようにしよう、というのがこの手法がはびこってる世の中に対する私のささやかな抵抗。

書籍で取り上げられたのは下記の部分だけだった。

「ヒールのある靴が好きで、生理用品についてあまり恥ずかしいという気持ちがない私としては #kutoo も#Nobagforme も全くピンとこない。もちろん気になっている人が声をあげるのはいいと思う。
が、それが「女性の声」みたいになるとすごく違和感だしそりゃ炎上するなあと。」

とあるインフルエンサーの方はこの書籍の感想として

と書かれていた。この書籍については著者とインフルエンサーを交えたトークショーなども行われている。そこでも「バッシング」という形で私の投稿した内容が面白おかしくとりあげられうると思うと、とても悲しかった。

出版社に問い合わせをしたところ、出版社としては、

・ツイートを許可を得ずに掲載することは引用の範囲内なので問題ない
・ツイートの趣旨を読み違えたのか、故意に切り取ったかは著者じゃないと分からない

だった。

また出版社としては本件特に問題に思ってはいないそうで、そのためこの書籍に対して抗議をする、となると、弁護士を立てて争うことになる。

このような強引な編集をしたことで、この書籍はよりセンセーショナルな内容になり、話題になり、そして燃えた。
私がこの投稿をすることで、よりこの書籍の存在が拡散され、手に取る人も増えるだろう。このSNS時代、このようなやり方をとった方が拡散するのは、少なからずメディアに関わっている私は知っている。私も結局はこのやり口に踊らされている。そう、正直、相手の思う壺。

ただ一書き手として強く思うことがある。私は絶対に「それ」をしない。「それ」をよしとするメディアで書くこともしない。

そしてこのようなやり方で注目を浴びることを良しとする著者、出版社を心底軽蔑する。

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