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52ヘルツのクジラたち

小説を読み終わった後に読む、「解説」が大好きです📖

今日ご紹介する、町田そのこさん『52ヘルツのクジラたち』の解説は、内田剛さんが書かれていました。

大好きな町田そのこさんの世界に浸った後、心に残ったのは、内田剛さんのこの言葉💡

人と人は互いを知ることからすべてが始まる。
他人を理解することこそが、自分自身を知ることにもなる。

『52ヘルツのクジラたち』解説

本書は、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年の物語です。

誰かに傷つけられて、だけど、誰かを理解したいと思い行動し続ける2人。

「他人を理解することこそが、自分自身を知ることにもなる」という内田さんの言葉を通じて、物語の新しい解釈を得たような気がしました。

僕らのためにある物語

それでは、タイトルにもある「52ヘルツのクジラ」とは、どういった意味が込められているのでしょうか?

「52ヘルツのクジラ」とは、同じクジラの仲間たちにも聞こえないような周波数で歌を歌う、世界で一頭しかいないクジラのこと。
無限に広がる大海原を巨大な身体で泳ぎながらも究極の孤独を感じている。
これは生きづらい現代の象徴でもある。
理不尽なことばかりのこの世に生まれ、苛烈な日々に心が傷つき、身体を痛めながらもひたむきにもがき続けている僕らのためにある物語なのだ。

『52ヘルツのクジラたち』解説

「52ヘルツのクジラ」のように、私たちも大切な声を聞き逃していることがあるかもしれません。

決して他人事ではなく、私たちのためにある物語。

さまざまな雑音に流されて、自分が本当に大切にしたい声をスルーしていないか、改めて考えたいと思いました。

貰う側と与える側

最後に、物語の中で最も印象的だった言葉をご紹介します📝

ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。
いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ。

52ヘルツのクジラたち

さまざまな日常を振り返ってみると、つい「貰う側」が当たり前だと思っている自分もいたように感じます。

私は、物語を通じて、自分自身を見つめ直すきっかけをもらっていたのかもしれません。

「解説」で出会った内田剛さんの言葉が、改めて響きました。

「与える側」の自分は、何ができるのか?

考えながら、今日一日を大切に過ごしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀

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