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他者の靴を履く
今朝ご紹介する本は、ブレイディ みかこさんの『他者の靴を履く』📖
本書は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で紹介されている、エンパシー(=意見の異なる相手を理解する知的能力)に特化した続編💡
ブレディさんの息子さんが、エンパシーを「誰かの靴を履く」と表現したことがきっかけでした。
今朝は、特に印象に残った言葉たちを中心に、ご紹介していきます!
言葉が思い込みを溶かして、変える
誰かの靴を履くためには自分の靴を脱がなければならないように、人が変わる時には古い自分が溶ける必要がある。言葉には、それを溶かす力がある
新型コロナウイルスの感染が始まったばかりの頃。
「発生源は中国なのではないか」という話から、ブレディさん家族が暮らすイギリスではアジア人への風当たりが強かったそうです。
ある時、ブレディさんの息子さんが学校で「コロナを広めるな」と言われる出来事が。
結果、「あんなことを言うべきではない」と言ってくれた子がいて、息子さんは謝ってもらったそうです。
この出来事から「言葉にするのって大事だなと思った」と、息子さん。
なぜかというと、こんなことを思っていたからだそう💡
実はその子、自閉症なんだ。それで、正直、僕は彼に話してもわかってもらうのは難しいと思って、ただ黙って立っていたんだと思う。
それは僕の中にある偏見だったんだ。
思い込みを溶かした「ごめんね」
この出来事について、ブレディさんはこんな風に述べています💡
言葉は人を不幸にし、怒らせ、他者を憎ませたりするが、同時に人を和解させ、幸福にもできる。
その少年が謝罪をしなければ、息子の心にも彼に対する暗い感情の塊が巣食っていたに違いない。
固まりかけていたその黒い不穏なものを、「ソーリー」という言葉が溶かしたのだ。
思い込みによって凝り固まっている考え方や、凍っていく感情。
だけど、「ごめんね」の言葉一つが思い込みを溶かしてくれたのです。
折り合いをつけて生きていくために
ときに自分の靴を脱いで他者の靴を履くことで自分の無知に気づき、これまで知らなかった視点を獲得しながら、足元にブランケットを広げて他者と話し合い、そのとき、そのときで困難な状況に折り合いをつけながら進む。
他者の靴を履くことは、履き続けることを強要するものではないと私は思います。
だけど、言葉の力を借りながら、他者の靴を一瞬だけ履いてみることはできます。
ブランケットを広げながら、そうやって折り合いをつけて生きていきたいと思いました。
思い込みから引き戻してくれる言葉
本書を読んでいた場で、私の尊敬する人がこんなことを教えてくれました💡
「奥さんの方が大体正しい」
と自分で書いたものをスマホの壁紙にしている
なぜかというと、奥さんに対してイライラしちゃった時、スマホを見て「自分に見えてないものがあるぞ」と、思い留まるためなんだそう。
思考が感情に流れる瞬間、その思い込みから引き戻してくれるのも、また言葉なのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀
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