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県庁からアカデミアに転籍をしたきっかけ

民間、県庁時代から、自己啓発については、半分、趣味のように取り組んできました。

梅棹忠夫先生の「知的生産の技術」や野口悠紀雄先生の「超整理法」をはじめとする、知的生産系のバイブルだけでなく、多くの仕事術や手帳、メモ術の本を読み漁ってきました。
そうした書籍から得た知見は、ノートに整理をして、日々の業務のクリエイティブなアイデア出しや、効率化を図ってきました。

こうした取り組みは、仕事だけでなく、QOL向上にも大きな意味があったと思います。

また、自己啓発と並行して、情報処理分野を自身のコアスキルとして位置づけ、民間・県庁時代を通じて、自己のブランディングを図ってきました。
ブランディングに活用したのは、経済産業省の情報処理技術者試験です。

情報分野は、学部時代からの専門ということもあり、その当時の最難関区分の試験であった、システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、上級システムアドミニストレータは、すべて取得しました。

情報の仕事に携わったことのある方なら、システム監査は受からなかったのか?
と思われるかもしれません。

システム監査は、意図して受験しませんでした。
県庁には県庁内の主に予算関係や事務取り扱いに不正がないかを、本庁・出先機関含めて、すべて監査してまわる仕事があります。
大事な仕事だとは思いますが、わたしからすると、なんの面白みもない部署としか見えませんでした(絶対にそこには配属されたくない!)。

なので、人事に提出する経歴の申告書に、下手に、システム監査関連(県庁の監査用務とは程遠いのですが)の資格を持っている、、、、と記載すると、人事課は、中身も確認せずに、その”監査”という字面だけを見て監査関連の部署に配属されるリスクがあったからです。
実際に、わたしが勤務していた県庁は、そんなレベルの人事でした。

県庁の人事って、その事務に携わった人間からみると、すごい単純です。
単なるパズルを、適材適所と表現しているだけです(これは、民間も同じですね)。
なので、人事課に中途半端な先入観を与える記述は、絶対に避けたほうがよいのです。

単なるパズルには、当然、メインのピースになる人もいれば、組織定数の調整弁の扱いの人もいます。
一度、調整弁のスタンプを押されてしまうと、本当に空いたパズルの穴埋めのような異動を重ねることになります。
そうならないためにも、なにも中味を見ていない人事課に誤解を与えず、うまく自身のブランディングを行うことが大事になってきます。

このような理由で、資格試験の最高位の資格をできるだけ取得し、名刺にその資格を印刷し、ブランディングに努めてきました。
庁内のブランディングだけでなく、システムアナリストのような資格を、役所の発注者側の職員が保有していると、システム提案をもってきたSIerのSEさんたちも、何も知らない県庁職員のカモ、、、みたいな態度を取ることはありません。
ですので、システム開発の要件定義なども、非常にスムーズに進みます。

ただ、そうした自己啓発や資格試験をとおしての自己研鑽は、一定のところにまで達すると限界が見えてきます。

そんなある日、妻が一枚のチラシをわたしの机の上においてきました。

書店で雑誌を買った時に、袋の中に書店が入れていたチラシです。それが、社会人向けの修士課程の募集案内だったのです。

学部を卒業して、20年近くたっていました。
そこから修士課程で学び直しをするという考えは、その当時は、まったくありませんでした。
約10年前の話ですので、今日のように、リスキリングや学び直しなどのブームは全くなく、話題にも登ってこない時期の話です。

人生って、偶然の積み重ね。
これまでの経験則から、ホントにそう思います。

妻が書斎の机の上においたこの一枚のチラシで、修士課程での学び直しというあらたな選択肢が、わたしの眼の前に現れてきたのです。

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