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四国歩き遍路日記 16日目 31番~34番

3月8日

7時半に出る。まずは31番へ。
油断していたらさっそく上り道だった。山の上は県立植物園になっていて、突っ切るだけなら入園料を払わなくていいらしい。園内を通り勝手口みたいなところから出ると、すぐに31番竹林寺があった。


次は32番禅師峰寺。こちらも油断していたら山の上にあった。禅師「峰」寺という名前から想像しておくべきだった(もっとも知っていたところでどうにもならないが)。


32番から下山し、高知市街を二分している浦戸湾の先端に向かって歩いていく。無料の渡船があるそうだが、自分は桂浜に行きたいので浦戸大橋を渡ることにしていた。

浦戸大橋はもともと自動車専用の橋だったらしく、人一人分くらいの路側帯をなんとか歩いていく。1.5キロもある上交通量も多く、トラックが通ると生きた心地がしなかった。
 
渡り終えるとすぐ近くに桂浜がある。しかし、山と海に挟まれた陸の孤島みたいになっているので、実際行ってみると思ったよりだいぶ時間がかかってしまった。

桂浜

桂浜も必ず訪れようと思っていた場所の一つだ。
昔、地元の海岸の砂浜に座って海を眺めながら「ああ、空海やら龍馬やらが見ていたであろう高知の海を、いつかこうやって見られる日が来るのだろうか」などとよく夢想していたので、その「高知の海の砂浜」の象徴として桂浜に行っておきたかったのだ。

四国遍路は自分にとって10代からの夢だった。いつか、いつか、と思いながらアラフォーになるまで生きてきた。想像に過ぎなかった風景を、こうして実際に目にしていくのは本当に感慨深い。

そんなわけで、高揚とした気分でしばし感傷にふけっていたが、あまり時間がないのでほどほどにして立ち去る。

わざわざ昔のノートを持ってきて「とうとう俺は来たぞ!」と過去の自分と語る

 
急ぎ足で進み、33番雪蹊寺へ到着。途中、印象的なラブホがあって思わず写真に撮ったが、とっくに廃業していて有名な心霊スポットになってるらしい。


最後に34番種間寺へ。この時点で16時。今日の宿までまだ7キロもある。


結局宿に着いたのは17時半だった。さすがにこれだけ歩くとくたくたになってしまう。せめて16時くらいには宿に着く予定を立てていきたい。時間に追われて焦りながら歩いても全然楽しくない。

今日の宿もビジホ。設備が古く、今回の旅で初のウォシュレットなし。その割には妙に高い。遍路歓迎という割に洗濯機も高い。このあたりは他に宿泊施設がないので仕方がなかったが。

20時21分 泊:ビジネスイン土佐(素泊5400円)

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