見出し画像

焼物の産地と未来

みなさんはどれくらいご存知でしょうか?

m.m.d.のうつわは全て「瀬戸焼」です。瀬戸ってどこですか?というご意見をいただくことが稀にございますので一応ご説明させていただきますと、愛知県瀬戸市という場所になります。名古屋から西に約20kmほどの場所にある1.000年以上の歴史がある焼物の産地です。

有名な美濃焼はそこから北へ約15kmほどの岐阜県多治見市、土岐市、瑞浪市に点在する日本最大の生産地です。日本の食器の半分は美濃焼と言っても良いくらいの生産量を誇ります。

九州では佐賀県の有田焼、長崎県の波佐見焼が有名ですね。石川県の九谷焼や三重県の萬古焼、沖縄県のやちむんも知っている方は多いと思います。

まだまだ産地はたくさんありますが、出荷ベースでの比較をしたときにどのような感じになるかご存知ない方も多いと思いますので発表しまーす。

1位 美濃焼(岐阜県)
2位 有田焼(佐賀県) 
3位 波佐見焼(長崎県)
4位 九谷焼(石川県)
5位 瀬戸焼(愛知県)
6位 萬古焼(三重県)


だいたいこんな感じになります。1〜3位で日本全体の約80%くらいは占めております。

我らが瀬戸焼が全体に占めるシェアはわずか4%程度。。。

とっても少ないんです。でも瀬戸焼の産地には今でも良質な粘土が産出されるため、粘土(陶土)は全国の産地で使用されているんです。

現在たくさんの不安要素を抱えながらも、窯元の職人さんたちは日々うつわを作り続けております。

主にどんな不安要素があるのか? 

一番は主原料である粘土の枯渇問題。土を掘り起こして産出しますので石油と同じくいつかは掘り尽くしてしまいますよね。

次に燃料として使用するガスや釉薬などの価格高騰。主に輸入品なので為替の影響も乗っかって非常に値上がりしております。

また、三重県の萬古焼は耐熱食器(土鍋)の一大産地ですが、土鍋の原料にはペタライトという特殊な鉱物を混ぜなければ直火の熱膨張でパカっと割れてしまいます。そのペタライトの輸入ができなくなる問題を抱えており、産地はペタライトの代替品を使った新しい材料の開発が急務となっております。

いずれやってくる主原料の陶土枯渇についても、何かしら代替品の研究開発が進んでいくことになると思います。

大量消費の時代は、衣食住全てにおいて縮小し続けていくことになります。私たちm.m.d.も大量生産する商品は目指しておりません。現在のm.m.d.が日本全体に占める生産量は0.03%程度。10.000分の3ですのであってもなくても良い程度の生産量です。

でも10年かけて育てたブランドなのでもっと育てていきたい!という思いがあります。これからは食器だけではなくライフスタイルを彩るさまざまな陶磁器にチャレンジしていくつもりです。

「ほんの少しの非日常」

この企業コンセプトを体現した、皆様の暮らしに寄り添うブランドとして少しずつ歩みを進めていきます。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?