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ヤフーが導入した事で有名になった1on1ミーティング | 効果的なやり方とは?

ほとんどの方は1on1(ワンオンワン)ミーティングという言葉を耳にした事があると思います。
しかし、1on1は意外と奥が深く目的や導入方法について詳細まで把握する事は難しい点もあります。

この記事では1on1ミーディングの効果的なやり方について解説していきます。

1on1(ワンオンワン)ミーティングとは?

まず1on1とは?という質問について簡潔にまとめました。

・上司と部下が1対1で行う対話のこと

・部下が仕事を通じて得た体験や課題、悩みを上司と共有します

 ・上司はその内容にフィードバックをして、部下の成長を促し成長機会を与えます
 ・つまり、1on1の目的は部下をサポートして成長機会を与える事です
 ・目標管理や業務の進捗管理は目的ではありません

・頻度は「週に1回、15分~60分くらい」で行うのが一つのモデルケースです。
  ・最低でも月に1回実施します。
  ・「短いサイクルで定常的に実施する」ことが通常の面談との
    大きな違いです。

シリコンバレーでは文化として浸透していた1on1を2012年からヤフーが取り入れた事で国内でも導入企業が増えました。


1on1ミーティングが必要とされている背景

従来の上司・部下のコミュニケーションは半年に1回程度の人事評価面談で行うのが主流でした。これは基本的に上司から部下への一方的なコニュニケーションで部下の育成にはあまり力が注がれていない状態だったと言えます。

しかし昨今はVUCA(既存の価値観が通用しない)の時代なので、上司は自身も確実な正解を持ち得ない状況の中で部下の「育成」を行う必要があります。
また、労働人口の減少という時代背景もあり「今いるメンバーで最大の効果をあげる」事が重要になり、離職防止にも関心が高まっています。

このような背景から「離職を食い止め」「部下の成長を促す」べく1on1が必要とされています。

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1on1ミーティングで期待される効果

それでは1on1ミーティングを行うことで期待される効果をみていきましょう。主に下記3点を挙げる事ができます。

①部下が成長する
主体性をもって業務にあたるようになる事が期待されます。1on1を通じて業務面・精神面ともにPDCAサイクルを回す事を習慣化して成長を促します。
PDCAサイクルに上司からの適切なアドバイスがあれば部下自身で「気づき」を得てサイクルを加速させる事ができます。
(「何が適切なアドバイスか?」という点に関しては後ほど解説します。)

②部下の状態をリアルタイムに把握できる
定期的な1on1ミーティングを行う事で部下の精神的・肉体的な状態を知る事ができます。これは組織改善や離職防止に効果が期待されます。

③良いチームビルディングができる
継続的にコミュニケーションをとる事で上司と部下の間に相互理解が生まれ、良いチームビルディングができます。
例えば上司が普段口にしない感謝や部下の仕事を評価している言葉をかける事で部下のモチベーションがあがり従業員エンゲージメントが向上する事例が多数あります。


1on1ミーティングの具体的な実施方法と注意点

いよいよ具体的な1on1ミーティングの実施方法を解説します。
下記5つのステップで進めます。

1. 目的を部下と共有
2. 面談記録の共有シート(アジェンダ)を準備する
3. 場所と時間を決める
4. 1on1ミーティングを実施する
5. (おまけ)1on1ミーティングの名称を決める

1. 1on1ミーティングの目的を部下と共有
1on1ミーティングを導入するにはまず部下との目的共有がなにより大切です。いきなり「1on1をやりますよ!」と言われても部下としては「ネガティブな発言は評価に影響するのではないか?」「何を話したらよいのか・・・」「業務が忙しいのに更に時間がとられる」という不安や反発が生まれるのはむしろ自然な反応です。

そのような不安や反発を取り除くためにも1on1の目的は「部下の成長の為に行う」「ひいては業績・品質の向上が目的」「評価には一切関係しない(ノーレイティングの場合は違いますが)」という事をキチンと事前に共有する事が大切です。


2. 面談記録の共有シート(アジェンダ)を準備する
突然15分〜30分話して下さいといっても上司も部下も困惑すると思います。
1on1は自由な会話が特徴の「対話」ですが「雑談」ではないことを忘れてはいけません。

その為、「目標」「話す内容(トピック)」「フィードバック」などを記入できる共有シートをクラウド上に準備しましょう。
1on1の前に部下に共有して話す内容のイメージをつけてもらいます。

概ね下記を管理できると良いでしょう。

・目標
・実際にやった事
・困っている事
・気づき
・フィードバック
・これからやること
・備考

これらに加えて下記のような話題も状況に応じて加えると良いでしょう。

・緊急ではないが課題や困っていること
・チャレンジしたいこと
・上司が力になれることがないか
・プライベートに関する話題(週末何をしたか、など)
・その出来事に対する感情を聞く(楽しかった?)
・価値観について(何をしているときが楽しい?)
・自身の強み・弱み
・今の業務でのやりがいや、大切にしていること

また、部下に話したいトピックがないか聞いてみるのも一つの方法です。

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3. 時間と場所を決める
時間は上記の通り「週に1回、15分~60分くらい」を目安に決めましょう。
場所についてですが概ね下記が候補になります。

・個室の会議室(お菓子や軽食で硬くなりがちな雰囲気を和らげる)
・カフェ
・公園のベンチ
・散歩しながら
・バー

カフェや公園など職場から離れた場所の方が「仕事モード」から気分も変わって良い雰囲気で行える事が多い傾向にありますが、部下のタイプにもよるので双方がリラックスして話せる場所を選びましょう。


4. 1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングは下記の3ステップで実施します。

①まず信頼関係の構築
②その後「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」を行う
③話した内容を共有シートにまとめる

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①まず信頼関係の構築

1on1は信頼関係が前提です。信頼関係がないと部下は本音で話してくれません。目的を共有するのも信頼関係の構築の為です。
コミュニケーションの中で信頼関係を作り本音を聞き出すコツですが3つあります。

1. 傾聴
傾聴とは「話を否定せず、耳も心も傾けて、相手の言葉を真摯に聴く技術」です。
実際の動作として現れるのは「うなずき」「あいづち」「繰り返し」「言い換え」などです。これらを行う事で部下は「自分の事を理解して話を聞いてくれている」と感じます。
さらに一歩進んで「レコグニション」という「無条件で相手を肯定する」という手法も効果的です。

 ポイントは「すぐに答えを出さない」事です。部下は自分の言葉で話す事で自身の思考の整理になり新たな「気づき」を得る事ができるチャンスがあります。自分自身で考えるきっかけを作り、部下の成長を促しましょう。
2. 自己開示
相手に心を開いてもらうために、まず自分が心を開く必要があります。
「昔、同じような失敗をしたものだよ」「最近、散歩が趣味で・・・」など、自分の話をすることで、部下も自分の話をしやすい雰囲気になります。

ただし上司が一方的に自己開示したずっと話してしまうのは本末転倒ですので注意しましょう。
3. 部下への気遣いを見せる
相手の健康状態を気遣ったり、困り事はないか、モチベーションのアップにつながるような話題を取り上げましょう。

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②その後「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」を行う
信頼関係の構築ができた所で「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」の働きかけを行います。
どれをどのタイミングで行うかは状況によって変わるので下記を参照して最適な手法を選択しましょう。

・「コーチング」
部下に問題解決を促す行動や「気づき」を与えるような質問をします。
例として「根本的な原因はなんだと思いますか?」「なぜ今回失敗したと思いますか?」「もっと上手くいく方法はあると思いますか?」などを問いかけます。

   重要なのは上司が直接答えを出さないことです。部下に自身で考えさせて成長を促しましょう。
・「ティーチング」
仕事のやり方や知識をそのまま教えることです。コーチングと違って部下は自身で考える事はありません。
上司は、部下の置かれた状況において、「ティーチング」と「コーチング」のどちらが適切かを判断する必要があります。
・「フィードバック」
たとえ部下にとっては耳が痛いような内容だったとしても次に繋がる形でアドバイスや見解を伝える方法です。
例として「最後のクロージングが甘かった」「見積の精度がイマイチだった」「もう少し知識を得ないとユーザーとの対話で主導権を握れないよ」というような形です。

   一時的に痛みはありますが適切なフィードバックは成長に必須です。ネットフリックスでもフィードバックを大々的に取り入れて社員の成長に寄与してきました。

   耳が痛いような事を指摘はしますが「人格否定」は絶対にNGです。「頭が悪い」「性格が悪い」「育ちが悪い」などはフィードバックではありません。


③話した内容を共有シートにまとめる
定期的に1on1を行う中で継続チェックが必要なトピックは絶対に放置してはいけません。

一度話してそのままにしてしまうと部下は「せっかく話したのに意味がなかったな」と感じてしまいモチベーション低下も危惧されますので共有シートでしっかりと管理しましょう。


5. (おまけ)1on1ミーティングの名称を決める
単に「1on1ミーティング」や「個人面談」という名称でも良いのですが、親しみのあるユニークな名称にする事で従業員の受け取り方や参加意欲を掻き立てる事ができるので何か考えるのもテクニックの一つです。

1on1に限らず人事施策に名前をつけるのはよくある事で、本田技研工業株式会社では「ワイガヤ会議」という会議があります。ワイワイガヤガヤ楽しく自由にやろうという意味が込められています。
他にもSansan株式会社では「どにーにょ」という平日と休日の勤務日を入れ替えられる制度があったり、株式会社ZOZOでは「家族時短」という育児や介護はもちろんペットなどのサポートのため1日最大2時間の時短を利用できる制度などがあります。


まとめ

1on1ミーティングは部下の成長を促し自律的に動くハイパフォーマーを育成する事が期待されます。
短期的には効果が実感しずらいので中長期的な視点で効果を期待すると良いでしょう。
通常業務の中だけではなかなか新たな「気づき」を得る機会がないものです。この機会に1on1ミーティングの導入を検討されては如何でしょうか。

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