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ライバルは原始人だと思えば、ちょっと不便も気にならない?!

なくすことなく、変化させる。

”地球にやさしい”と言われる商品やサービスは、多くの場合、この考え方がベースにあると思っています。

ストローの素材は、プラスチックから紙に。
自動車の燃料は、化石燃料から電気に。
電力発電では、太陽光や風力など、できるだけ自然の力を借りるように。

SDGsが「Sustainable Development Goals(持続的な開発目標)」と謳っている通り、どれも、必要な機能は残しつつ、環境に負荷をかけない形で存続させていくことが前提です。

しかし、ごく個人的な意見としては、なくすことなく変化させるという考え方は、現代の利便性を手放すことができない、人間のエゴのように感じることがあります。

すごく極端なことをいえば、問題の根源にあるものを絶ってしまえばその問題自体はなくなります。

例えば、使い捨てのプラスティックストローを紙に変えるのではなく、そもそもなくしてしまえばいいのでは?
電気だって、足りない足りないではなくて、足りる生活を当たり前にしていけばいいのでは?ということです。

とはいえ、現代社会はそんなに単純ではありません。
理想を語ることはいくらだってできますが、現実はなかなかそうも言っていられないわけです。

理想と現実のギャップを埋めることがいかに難しいか、ということは、個人のレベルでは誰もが感じたことがあると思います。
例えば会社の仕組みや、それによる非効率を是正することは、思い立ってすぐ、簡単にできることではありませんよね。
それが社会、地球全体となってくると、そのギャップを埋めるために必要な労力は想像を絶するものがあります。

様々なことが動き出した結果、続けざるを得なくなっている。

現代社会はそんなことの積み重ねで、成長し続けることをある意味強いられていると考えることができるのではないでしょうか。

そこにあって、SDGsはやはり地球全体をより良い方向に向かわせるために必要なものだと思いますし、何より大勢の専門家たちが知を結集して定めたゴールにいちゃもんをつけることなんてできません。

ただ、一つだけ思うのは、やはり個人的なレベルでは思い切って「やめる」、「使わない」という選択をしてみてもいいのではないかな、ということです。

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私は子どもの頃からよく、「昔の人はこれがなくても大丈夫だったんだよな」ということを考えてしました。

例えば、昭和の経済成長期に白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の三種の神器と言われる家電が登場するまでは、いわずもがな、どこの家庭もそんなものはなく生活していました。

他にも、フードプロセッサーを使って料理している時や、インターネットで調べ物をしているとき、自分にはこれがない生活ができるだろうか?と考えたり、

挙句の果てには、ヘアアイロンなどの美容家電を使って整えた身だしなみは、昔の人と比べればなんだかズルをして綺麗になっているように感じたり。

なくても生活していた昔の人への対抗心を燃やしている、といえばいいでしょうか。

自分でも何にライバル心を抱いているんだと馬鹿馬鹿しくなるときもあります。でも、もしそのうちの一つでも昔の人と同じように「ない」生活をすれば、もしかしたら少しは地球にやさしくなれるのではないかなと思うのです。

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私たち人類の祖先は長らく狩猟採集民族として生きてきました。
住まいも衣服も、全ては自分たちで賄える範囲で、生きるために必要な分だけを所有し、食べ物は必要な分だけ食べる。

今となってはそんな生活はさすがにできません。
なんだかんだ言って、便利な生活を手放すことができないのです。

ただ、その中でも「ない」生活を少しでも意識しながら生きていくことは大切かなと思います。

「足るを知る」生活と言っていいかもしれません。

地球のため云々よりも、便利になりすぎて自分を甘やかしてはいないだろうか?という風に考えれば、無理なく普段の生活に取り入れられます。

その意味で、ライバルは原始人、そんなことを思うのでした。


【今日の一冊】
『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』奥野克己+MOSA 日本実業出版社 2020年

森の中で暮らす民族プナンは、農耕以前の人類の原初的な生活様式によって暮らす人々。その生き方には、様々な物事が複雑化した現代社会において、学ぶべきこと、あるいは、あらためて深く考えてみるべきことを多く見出すことができます。
暮らす環境によって、人間の考え方はこんなにも変わるんだ、奥深いなあ〜となる一冊。人類学をマンガという形で表現することを試みた著者の想いが記された後書きにも注目です!!

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Akari Miyama
OKUYUKI という屋号のもと今春ライフスタイルコーディネーターとして出発しました*・゚* before>書店 図書館 出版社 日々当たり前に受け入れている物事の背景、そこに潜む課題に少しの関心や好奇心を持ち「知ろうとすること」を大切にするライフスタイルを発信しています!

**思いの丈はこちらの記事に書いております**



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