子育て知恵袋―安易なご褒美に要注意!!
2024/1/23(火):子育て知恵袋
今日も見に来て下さってありがとうございます。
今日火曜日は子育てについて考えていきましょう。
今日のテーマは「ご褒美」について。
子育てにおいてのご褒美…良かれと思って沢山使っていませんか?
「このおかず食べたらご褒美にデザートをあげる」
「宿題したらご褒美にゲームしていいよ」
「良い点数取ったらご褒美に好きな物買ってあげよう」
…やっていませんか?
この「ご褒美」システム、即効性はあるし子どもは喜ぶ、大人も自己満足できる…簡単で楽ちんなシステムでもあると思われます。
でもこの楽ちんが、子どもの成長の邪魔になってしまうとしたら…少し考えないといけませんよね?
ご褒美をもらう…ということの意味
ここで少し専門的な話をしましょう。
子どもに限らず、人が行動を起こすには必ず「動機」というものがセットになっています。
つまり行動を起こす為の目標や目的を「動機」といい、この動機を持ち続けて行動を続けることを「動機付け」といいます。
この動機付け、大きく二つに分けられます。
「内発的動機付け」と「外発的動機付け」です。
これらの違いは意外と単純で、「自分の中から生まれた動機」か「外からの動機」か…という違いです。
つまり「内発的動機づけ」は「知りたい」「できるようになりたい」という本人の欲求であり、自身の中に起こる探求心などを差します。この場合の「ご褒美」は「分かった」「できた」「おもしろい」などの気持ちそのものが報酬となります。
対して「外発的動機づけ」は上記に書いたようなご褒美であったり、誰かの賛美であったり、逆に「できないと○○」という罰則的なことを意味するものです。内発的動機付けに対して認めてくれる誰かやご褒美の何かがないと行動の意味をなさないことになります。
心理学的に行動は「内発的動機付け」を持てている方が、行動が継続しやすいと言われています。
自分の行動に置き換えても想像できますよね?自分で知りたいと思ってする行動は前向きに取り組めますが、ご褒美や罰則の元にする行動は「やらされている」感が強くなってしまいます。
また、「行動する」=「報酬・ご褒美がある」となってしまうと、「ご褒美がない時に行動するのは損」といった思考になってしまうのも悲しいかな現実です。
本来子ども自身のためにすべきことを、「お母さんが言うからやってあげている」という本末転倒な形になってしまうのです。
安易にご褒美を与えて安心せずに、一緒に「できたね」「おもしろいね」を実感することで子どものなかに内発的動機が育つように、子どもとかかわっていきたいものですね。
もう一つの弊害
ご褒美を安易に与えてしまうことのもう一つの弊害は、「ご褒美をもらえるということは、これは嫌なことなのだ」と知らしめてしまうことにあります。
「お野菜食べたらご褒美にお菓子」「本を読んで偉いから、ご褒美におもちゃ買ってあげる」…これらは子どもの心を無視して「子どもはこれをやっておけば喜ぶだろう」という大人の安直な思い込みによるご褒美による印象操作ではないでしょうか?
大人の思い込みによる「子どもが嫌がるだろう」ことを勝手に判断して「ご褒美」を与えることは、本人の中に「内発的動機」があった場合も潰してしまうことになります。
「楽しいから夢中でやっていた」から、大人のご褒美の介入により「ご褒美がもらえるから」にすり替わり、いつの間にか子どもの姿勢を変化させ、行動そのものをおもしろくないものにしてしまう危険性を孕んでいます。
今一度、子どもの興味や目の輝きに目を向け、「努力したら損」なんて子どもにしないように向き合ってはみませんか?
少し考えてもらえたら嬉しいです。
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