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妊活日記―トイレでシャウト!訪れた幸せ♡

2023/2/13(月)夫婦の妊活日記⑰
 長い時間をかけて計画した家が完成し、引っ越しをしたのは2019年11月の末のことでした。

 それまで住んでいたのは、築年数の古いマンション。
 新しい家は全室床暖房のおうち。
 住んでいるエリア的には少し寒いエリアにはなったけれど、「家で寒くない✨」は末端冷え性の私にとって、嬉しすぎる変化でした。
 しかも新居は全く「初めまして」の人付き合い…「お子さんは?」と聞かれることはあっても、日常生活を送る中で「なんで子どもができないの!」なんて責められることがない日常は、ただそれだけでスキップしたくなるような日々の訪れでした。
 憧れの生活と金銭的なちょっとした妥協(小さな窓のカーテンは、節約の為にマンションで使っていた物を手縫いでリメイクしたり…)に「私たちらしいな…」て苦笑いしながら、ゆっくりと日常が新居でのものに移行していく感じがじんわりとした幸せでした。

 そんな日々の中で、新しい一年が始まったざわめきが落ち着いた頃、私たち夫婦にとって近しい人が入院しました。
 原因は妊娠高血圧。
 急なことだったので、その週末に夫婦でお見舞いに行くことになりましたが、実は内心ちょっとした期待を持った状態でのお見舞いでした。

 生理予定日から5日目…「私も妊婦かも」そんな小さな小さな期待と、
「期待してても、期待した途端に生理が来ることなんていつものことやから…」
という自分へのブレーキ…期待と不安と、焦燥の為の心の準備…そんな気持ちを抱えて妊婦の彼女の見舞いをした時のあの空気感、何だか今でも忘れないだろうと思います。

 お見舞いに行ってみると、トイレ以外では歩くこともできない状態の彼女の言い分は
「塩分控えるように言われてるけど、高血圧は親からの遺伝やし…妊娠してるからって、そんなに食事制限もしてられへん…」
というもの。

 何となく彼女の声を遠くに聞きながら、
「なんでこの子は赤ちゃんの為の食事制限すら頑張らないのに授かれて、自分たちには授かれないの?」
なんて少し納得のいかない思いを抱きながら、顔に出さないように必死で立っていました。
「私だったら子どもを授かるために何だってしてやるのに…」

 この頃はまだ、「コロナ」という流行り病が今のように身近なものではなく、
「海外で何か大変なことが起きている…」
といった印象だったころのこと。
 きっと今のようにコロナが身近になっていたら、妊娠への期待や妬みの気持ち、「この見舞いで体に影響があるのでは…」という不安で、もっと毒のあることを思ってしまっていたのではないかと、我ながら不安になります。

 そしてこのお見舞いの日から2日後、私は確定申告に出かけていました。長ーい時間並びながら、私の脳内では私は「なりきり妊婦モード✨」。
税務署の寒い廊下で順番を待ちながら、お腹をサスサス…動くたびに「生理、来ないで!」って自分の身体に圧力をかけながら、体を少しでも冷やさないように持参した温かい麦茶を飲んで時間を潰していました。

 そして無事に申告を終え、薬局に寄って妊娠検査薬を購入。
 「もうフライングにはならないだろう!」と家に着くなり、取るものも取り敢えずトイレに行って検査をしました。

 それまで何度か経験してきた検査は、それまでの検査の経験に比べてあっけないほどすぐに2本の線が出現…「妊娠」を表示してくれました。
 化学流産して以来の2度目の妊娠判定。本気で体が震えました。

 その時の私はきっと、人生一マヌケな格好で、人生一幸せな気持ちで…声すら我慢できずに泣きました。
 パンツぐらい履けただろうに…号泣しながらきっとずっと独り言を言っていたような気がします。
「トイレは出よう!」
 とトイレから出ても落ち着かず、じっとしていられず号泣しながらダイニングをウロウロ…
検査をする前には
「もし妊娠してたら、帰ってきた夫に…」
なんて報告の仕方を考えていたのに、実際に結果を見てしまうと帰宅を待つことはできませんでした。

 そして、夫に気持ちのままに送ってしまったラインの内容は、あまりにもバカバカしくて緊張感のないやり取りとなりました。
 …そのやり取りについては、長くなってしまったのでまた来週…良ければ見に来てやって下さい。

今日はここまで!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
来週、アホみたいな夫婦のやり取りをお送りします。

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